5人目 日暮 真昼

第35話 日暮 真昼

第35話


「へぇ、凄いなぁ真夜!お前、逆ハーやってるなんてよ!」


記憶を思い出した真昼に事情を話すと、バカ笑いしながら肩を組んでくる。


相変わらず鬱陶しいな、お前………


「お前から見たらそうなるよな、うん。」


貞操逆転だからな、男が女を囲むと逆ハーレム扱いだよな………


「成る程、アレか?勇者が死んで1000年後くらいに流行ってた貞操逆転シチュか。そういうのにも造形深いぞ、俺は?」

「長生きしてんなぁ、魔王………」


まぁ、魔族は人の10倍くらいは寿命差有るらしいしな………


確か、先代魔王も2000歳くらい生きた老いぼれだった様な………


で、エルフ族はその2、3倍は生きる若作り集団だったし………


「へぇ、愛しの先輩は前世が魔王だった口?しかも、真夜と天敵って感じ?」

「お、おう。何か凄いノリだな。後、夫婦で二人の娘が居た。」

「ヒュ〜禁断の関係じゃん♪私は可愛い一人息子しか居なかったから、ちょっと羨ましいなぁ!」

「おい、待て。」


何か聴き逃がせない情報合ったぞ、今。


「おい、どうした真夜?惚気話を聞いてて恥ずかしくなったかぁ?」

「ああ、鬱陶しい!!違うわ!!魔王、俺達の娘は一人しか居なかったよな!!??」


あの時一回やって、一発で孕んで、一人しか産まれてない筈なんだが!!!???


「すまん、影で色々と細工して死んだ後に貴方の二人目を孕んだ。」


と、めっちゃ顔を真っ赤にしながら、魔王は答えた。


何だ、コレ?


滅茶苦茶可愛い、魔王の癖に滅茶苦茶可愛いんだが!!??


「冷えろ!!!!」

「勇者!!!???」

「あ〜あ、愛しの先輩がやらかした。」


思いっきり頭を近くの壁にぶつける。


ふぅ、これで冷静になれる筈だ………


「よし、落ち着いたぜ。」

「乱心してた様にしか見えなかったぞ?」

「乱心させた愛しの先輩が言う?」


全くだ、お前のせいだぞ?


ジト目で魔王を見詰めていると、その前に割り込む様に真昼が入ってきて………


「なぁ、真夜?私良い事を思い付いたんだ!聞いてくれるか?」

「そんな提案で良い事だった示しがないんだが?」


外でのプレイとか、犬とか、お互いに男装女装してからのとか、色々と不味い物ばっかりだったじゃねぇか!!


「そう言うなよ。今から、この三人でホテル行こうぜ!!」

「「待て。」」


ちょっと待てや、おい。


俺だけなら兎も角として、何で魔王も!?


「私は真夜を食べたい。今の私は愛しの先輩を食べたい。利害の一致だぜ?」

「あの子、そっちの気があったのね………」

「コレ、了承したら寝取らせ、寝取らせになるのか………?」


頭が混乱してきた。


というか、記憶が戻る前に絡んできたのってそういう事だったんだな………


「で、どうする?」

「どうするも何もなぁ………」


魔王が良いって言うなら、俺もやぶさかじゃないんだが………


「普通に嫌だが?は勇者とやるのは構わんが、はまだ駄目なの。それに、は今の所、勇者以外に触れられたくない。」

「だそうだ。」

「ちぇっ、良いと思ったのにな………」


まぁ、こうなると思ってたよ。


それに、少し確かめたい事があるんだ。


「お前、何歳だ?」

「私?私は14歳だが?」

「「アウトォォォ!!!!」」


駄目じゃん!!


何処の世界に、中学生をラブボに連れ込むバカが居るんだよ!!


「じゃあ、今日は解散という事で。」

「そうだな。また明日、勇者。」

「おう。また明日な、魔王。」

「えっ、ちょっ、待ってくれよ!!」


聞こえないし、待たない。


待ってたら、色々と面倒な事になりそうだしな………


続く

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