【3】ナマちゃん
「きさまだな、私の大切な友達を盗んだのは! 観念して返すがいい!」
「何の話だ? 俺は何も――」
俺の言葉を待たずにマイボディーを探す女生徒。ペタペタと体中を触りまくり、ついには股ぐらまで探ってきた。
「ん! んんんんんん! ここかあーっ!」
ものすごい力でアレを引っ張る女生徒。
「ちょっ、ちょっと待てええええーーっ!」
とっさに女生徒を突き飛ばす。廊下に倒れ込むと、殺気に満ちた目でこちらを睨む。
「これは俺の大事なモノだ! お前の探している友達ではないっ!」
「じゃあそれは何だと言うのだ」
「な、何と言われてもだな……。ここは学校の廊下だ。あの単語を声にするのは少しばかりはばかれる」
「遠慮しなくていい」
「別に遠慮している訳ではないが……。その、、、あれだ、、、チン○○だ」
「チン○○……だと……」
女生徒はうつむき涙を流しながら「ごめんね、ナマちゃん。あなたをこんな男の竿と間違えるなんて……。ごめんね、ごめんね」と謝り続けた。
「お前の友達って一体何だよ」
「なまこ よ」
「は?」
「ナマちゃんはなまこなのよーーっ!」
「お、落ち着け、叫ばなくても聞こえるし一応理解はしたっ」
「ナマちゃんどこに行ってしまったのーーっ! 私を置いて行かないでーーっ!」
「落ち着けって! 俺も探すから!」
「ほんと? でもなんか頼りなさそうね」
「ないよりあった方がマシだろ。少しは力になれるさ」
「そ、そうかしら……。そうかもね。よろしく頼むわね、チン○○坊や」
「その呼び方はやめろ」
俺たちは行方不明になったナマちゃんを探しに学校中を走り回ることになった。
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