第19話 魔境と紋章
信士は『魔王織田信長を超える』。
陽菜は『勇者リスティになる』。
それぞれの目標を胸に異世界の地へと歩み始めた2人だったが、早速、難題が立ちはだかることとなった。
「ドはドワーフのドー♪ レは
「……」
「ミはミースリルのミー♪ ファはファイアのファー♪」
「……おい」
「ソは
「おい、陽菜」
「シはシルフのシー♪ さあ、ファ・ン・タ・ジ・ー♪」
「聞けよ!」
遠足気分なのか、はたまた憧れだった異世界へ来たことがよっぽど嬉しいのか、先ほどからやたらテンション高めで替え歌を口ずさむ陽菜に、信士は我慢の限界が来た。
「忘れるなよ? オレたちはそのファンタジーな異世界で絶賛遭難中だってこと」
「そーなんですぅ!」
「やかましいっ!」
「あ痛っ!」
相変わらずテンションMAXな陽菜の頭に、信士のチョップが炸裂した。
「もー、ノリが悪いよ、信士君。せっかくの異世界なんだから、もっとテンションアゲアゲでいこうぜー?」
陽菜はよほど楽しいのか少々口調がバグッている。
「それはこの状況を抜け出してからにしろ」
あきれ果てた様子で信士は周囲を見回した。
見えるのは、どこまでも続く荒れた大地。遠くに見える山。そして――
「だって島が浮いてるんだよ? こんなの目の当たりにしてテンション上がらないなんて、ファンタジーオタク失格だよ?」
信士たちが人里を探し始めて数時間。どこまでも続く荒涼とした荒れ地。まったく見つからない人里。降って湧いたように頻繁に襲ってくる魔物等に辟易し始めた頃、2人はその光景を目の当たりにした。
まるで風船のように宙に浮く島を。
それも1つや2つではなく、群島のごとく大小無数の島が、連なってなにも無い空中に浮かんでいたのだ。小さい物はせいぜいが岩程度だったが、大きいものだと山と見紛うほどだった。
滋賀県名物の琵琶湖――そこに浮かぶ日本唯一の淡水湖上の有人島である沖島。それと同じくらいだろうか?
このようなファンタジーすぎる光景を目の当たりにした陽菜が、状況を忘れてテンションが爆発してしまうのは確かに仕方がないことかもしれない。ただ信士にしてみれば、確かに幻想的な光景であるけれど、人が住んでいる気配が無いという時点でなんの価値もないものだった。
陽菜が浮島に乗ってみたいとせがんだが、残念ながら一番高度が低い島でも地上から100メートル以上も上空に浮いている。飛行系のスキルは無いし、いくらチートな身体能力を得ているとはいえさすがに飛び乗ることは無理だ。
なにより――
「また来た!」
空を舞う無数の影。
小型のプテラノドンのような容姿をした怪鳥の大群。大きさはせいぜいカモメほどだが、嘴の代わりに爬虫類めいた裂けた口に牙がある。しかもやたらと数が多い。100匹ではきかない大集団が信士たちの頭上を囲うように旋回している。
エイヴィス・バルチャー
総合力:7350
生命力:1500
魔力量:500
体力:1000
筋力:950
魔力:500
敏捷:1300
耐久力:300
魔防力:200
技術力:100
精神:1200
状態:空腹
スキル
<飛行230><噛み付き190><爪撃130>
これが怪鳥のステータス。他の個体もだいたい似たり寄ったり。これまで見た魔物に比べれば極端に弱いが、それでもさすがにこの数は脅威だ。群れで集られれば大型の怪物でも喰い尽くしてしまうかもしれない。さしずめ、空飛ぶピラニアと言ったところだろうか。
それが数百匹の大群を形成し、信士と陽菜を襲おうと伺っている。
「
苛立たし気に陽菜が鉄剣を空へと掲げると、にわかに剣身から稲妻が迸り、次の瞬間には空間全体を鳴動させるかの如き雷撃が空中へと放たれた。荒れ狂う雷撃の群れは、瞬時にして周囲を囲っていたエイヴィス・バルチャーの群れを焼き尽くし、1匹残らず消し炭へと変えてしまう。
「あんま飛ばしてるとバテるぞ?」
「大丈夫だよ、これくらい」
魔力消費を心配する信士をよそに、陽菜は元気よく笑った。
「それにしても
「そうだな」
実際、陽菜の言う通り信士たちは何度となくエイヴィス・バルチャーに狙われていた。もちろん、その度に先ほどの様に殲滅しているのだが、何度倒しても後から後から集まってくるのだ。
「オレたちは見た目弱そうだから、格好の獲物に見えるんだろうな」
「人を見た目で判断するなんて、失礼だよね!」
プンプンと怒る陽菜は確かに見た目は可愛い。いまし方、稲妻で怪鳥の群れを焼き払ったとは思えないくらいには。
「しかもさっきから見てると、浮き島を巣にしてるっぽいな」
そう。エイヴィス・バルチャーはどこからともなく飛んでくるのではなく、宙に浮く浮き島から飛び立っているようだった。
いくら宙に浮く島というファンタジーの産物だとしても、あんな怪物の巣窟に行くのは信士としては御免だった。
「それよりも問題は――」
周囲を見回す。見渡す限りなにも無い、どこまでも続く荒野を。
「腹が立つほど人の気配が無いな」
「ここまでなにも無いといっそ清々しいよね」
出発してから半日以上も歩き続けたにも拘らず、一向に人里が見つからないのだ。
「そもそもあんな怪鳥の群れが生息している場所に、オレなら住みたいとは思わないけどな」
この世界の常識や概念がどうなっているのかは知らないが、集団で人を襲うような怪物が跋扈しているような場所に人が住んでいることはないだろう、というのが信士の考えだ。
だがそうなると、よほど遠くまで行かなければ人里にたどり着くことはないということになる。
「あらかじめ食料を買っておいて良かったね」
そう言って陽菜は<無限収納>から取り出したカ〇リーメ〇トを齧っている。
人間にチートスキルを与えるエリクス・キャンディの出現が、なにかの前触れだと確信した陽菜の進言で、信士たちは万が一に備えて密かに食料を買い込んで<無限収納>に備蓄していた。中学生の所持金で買える量などたかが知れていたが、何か月も掛けて少しずつ貯めていたお陰でそれなりの量を蓄えることは出来た。
おかげで人っ子1人いない荒野に放り出されても、しばらくは命を繋ぐことが出来る。
「それでも保って10日分だ。それまでに人里を見つけないと、最悪、魔物を喰うしかなくなるぞ?」
「やめた方が良いと思うよ? 魔物の肉は毒だって設定の作品を読んだことあるし?」
「なら、なおのこと早く見つけないとな」
信士も好き好んであんな生物を食べようとは思わない。そうならない為にも、とにかく現状の急務は、食料が尽きる前に人里を見つけることだ。
この分ではかなり苦労しそうだが……
「エリクス・キャンディ食べてなかったら、とっくに死んでたね」
まさに陽菜の言う通り、エリクス・キャンディを食べて魔法やスキルを得ていなかったら……それを使いこなす為の訓練をしていなかったら、ここまで来る段階ですでに何回も死んでいた。
それと合わせてもう1つ、信士には引っ掛かていることがあった。
「……ここに来るまで誰にも会わなかった」
「こんなところに人は住んでない、ってさっき言ってたじゃん」
「いや、そうじゃない」
頭を振って信士は訂正した。
「この世界に飛ばされたのがオレたちだけとは限らないだろ?」
「!」
言われて陽菜もはっとした顔になる。
思い出したのだ。ここへ飛ばされる前に送られた巨大樹の空間に、自分たち以外にも人が大勢いたのを。
「もしかして、あの人たちも……」
「オレたちがここにいる以上、同じ運命を辿ったって考えるのが普通だろ?」
つまり、あの場所にいた数百、千はいたかもしれない人々も全員、信士たちと同じようにこの世界に来ている可能性が高いということだ。
「でもそうなら、あの人たちはどこに飛ばされたんだ?」
少なくともこの周辺には誰もいなかった。さすがにあれだけの数が同じ場所に送られたら気付くはずだ。
「集団異世界転移の場合、送られる場所設定は、一部の例外を除けば、①全員同じ場所。②全員バラバラ――この2パターンがほとんど」
「じゃあ、②で確定だな」
全員バラバラの場所に飛ばされたのなら、この周囲に人っ子1人いないのも頷ける。
いまごろ彼らも、この世界のどこかでさ迷っているのだろう。あるいは人里近くに転移して既に街中にいるかもしれない。
「……妙だな」
「なにが?」
「もしもだぞ? あの場にいた全員がオレたちと同じようにこの世界に飛ばされてたとしたらさ――」
「うん」
「あの人たちもエリクス・キャンディを食べてたと思うか?」
「!?」
エリクス・キャンディを食べた自分たちがこの世界に飛ばされたということは、同じくこの世界に来ているであろう彼らもまた、同じようにエリクス・キャンディによってチートなスキルを手にした人たちだったのか?
「最初にエリクス・キャンディを食べて以降、ずっと気になってたんだ。あの飴は、果たしてあれだけだったのか、って」
「……他にも存在してたんじゃないか、ってこと?」
「ああ。もし他にも不特定多数の場所に出現していて、同じように超人化した人間が複数いたなら、きっと噂かニュースになると思って、毎日ネットとかSNSをチェックしてたんだ。けどオレが調べていた限りでは、最後までそれらしい話は見つけられなかった。でも、あの空間にいた人数は100や200じゃきかない数だった。少なくとも千人前後はいたはずだ。仮にそれだけの人数がエリクス・キャンディを食べてスキルや魔法を得ていたとしたら、絶対に噂かニュースになるはずなんだ」
インターネットの復旧に伴い、SNSや動画サイトが一般的になった現代は超が付くほどの情報化社会だった。中には動画の視聴者数を稼ぐ為に自ら犯罪紛いの行為に勤しむ者や、それらの人物の個人情報を特定してネット上に晒す人間も数多くいる。不謹慎な画像をネット上にアップし、拡散、炎上して自ら人生を狂わせてしまう愚か者がニュースになったのを信士も見ていた。
そういった人間たちを恐れたからこそ、信士はエリクス・キャンディのことは誰にも話さず、訓練に関しても人目の付かない山中を選んで行っていた。
だがもし、数百人もの人間が同じようにエリクス・キャンディを食べてスキルや魔法を得たいたのなら、おもしろがってネットにアップする人間が必ず出てくる。にも拘らず、ネット上にはそういった話は一切無かった。
「じゃあ、やっぱりエリクス・キャンディを食べていたのは私たちだけ?」
「判らないけど、少なくともあの空間にいた全員じゃないのは間違いないと思う。仮にいたとしても、ホントにごく少数のはずだ」
それだけは断言できる。もしあれだけの数の人間が自分たちと同等の力を得ていたとしたら、絶対に噂になっていると。
「けど、なんの力もない一般人がこんな場所に転移したら、すぐに死んじゃうと思うよ?」
「それはオレも同感だ」
実際、エリクス・キャンディを食べてなかったら信士も陽菜も、最初に襲ってきたワイバーンに早々に殺されていただろう。
それにあの場にいた全員がそうだったかと真実を確かめる術もない。なら、これ以上考えても無駄だと信士は早々に頭を切り替えた。
「あ、見て見て信士君!」
ちょいちょいと信士の服の袖を引っ張る陽菜が空を指さした。
「チョウチョがいっぱい飛んでるよ!」
陽菜が示した先には、確かに無数の蝶っぽい昆虫が群れで飛んでいた。日本にいた蝶とは若干、形状が違うが、確かに蝶だ。
「いっぱいいるね」
「いっぱいいるな」
空も舞う蝶の群れ。一見するとのどかで平和的な光景なのだが……
「……大きいね」
「……大きいな」
大きさがおかしかった。
どう見ても怪獣サイズだった。
遠すぎてステータスは見えないのでハッキリとは判らないが、たぶんどの個体も翼長が200メートルくらいある。幸いこっちに気付いていなようだが、見た目、滅茶苦茶強そうだ。
「……モ〇ラかな?」
「……モ〇ラだな」
映画で見た蝶型の怪獣を彷彿させる巨大昆虫が、数百匹という大群を成して飛んでいく様は――
「……怖いね」
「……怖いな」
――例えチートなステータスを持っていても恐怖を禁じ得ないものだった。
怪蝶の群れが見えなくなるのを待ってから、信士たちは一刻も早くこの地獄を抜け出すべく先を急ぐのだった。
★
そんなこんなで街を探し始めてさらに数時間――
何度か魔物の襲撃を受けたものの、どうにか退けながら当てもなく進み続けた。常人ならとっくの昔に疲弊して歩けなくなる距離でも、チート化した今の2人なら苦にもならなかった。
だが、その間に2人は思い知ることとなった。
自分たちがいまいる場所の恐ろしさを。
昆虫とも深海魚とも思える生物の大群が空を埋め尽くすこともあった――
巨大なクジラによく似た生物が空を泳ぎ、ワイバーンを捕食するところも見た――
燃え盛る溶岩が流れているかと思えば、火を噴く昆虫の大移動だった――
小山のような大きさの、ゴリラによく似た岩の巨人がぶつかり合っていた――
岩山に穿たれた洞窟から、大型船ほどの頭を持った蛇のような生物が顔を出していた――
凍えるような冷気を発する花が咲き乱れ、絶対零度の花畑に入り込んだ魔物を凍結させていた――
信士と陽菜は思い知った。
ここは自分たちの想像を絶する地獄だ。怪物の如き巨大生物が、日夜、命懸けの生存競争を繰り広げる凄まじい環境の中で、人間はどうしようもないほどの弱者であることを思い知らされた。
「……冗談じゃない。こんな場所に人が住んでるわけがない!」
どう考えても信じられなかった。
ここは人間が住める場所じゃない。ここに棲む生物たちにとって、人間は単なる餌でしかない。チートな力を得た自分たちでさえ、生き延びられるかどうか判らない。
ここは人が住んで良い場所じゃない。絶対に人なんか住んでいない!
「ううん。絶対にいるよ」
だが、陽菜の意見は違った。
彼女は確信に満ちた顔で断言した。
「エリクス・キャンディになにか意味があったのなら、私たちがこの場所に飛ばされたことにも意味があるはずだよ」
「けどよ――」
「信士君の言う通り、エリクス・キャンディを食べたのは私たちだけなのかもしれない。エリクス・キャンディを食べた私たちにしか生き残ることが出来ないから、この世界に私たちを送り込んだ存在は、あえてこの場所に私たちを送り込んだんじゃないかって私は思う」
異世界オタクの陽菜にそこまで言われると、信士はなにも言えなくなってしまう。
「諦めちゃダメだよ。偉い人も言ってたでしょ? 諦めたらそこで試合終了だって」
「それ漫画の話な」
「あ、知ってたんだ」
バレたかー、と可愛らしく舌を出して笑う陽菜に、自然と苦笑が漏れた。
「オレは別に諦めた訳じゃないぞ。ただ、オレたちをこの世界に送り込んだ奴は、想像以上に嫌な性格なんだなって思っただけだ」
実際に陽菜の言う通り、もしここに送られたのが自分たちでなければとっくに死んでいる。
信士からしたら、ゲーム開始直後にラストダンジョンに送られたような気分だ。
「それに、オレは信長を超えると決めたんだ。それを果たすまでは絶対に諦めるつもりはないぞ」
「うん。その意気その意気!」
互いに頷き合って、2人はまた進み出した。
「にしても、だいぶ暑くなってきたな」
蒼天に輝く太陽を忌々しそうに見上げる。
「この世界に来て、大体半日くらい経ったかな?」
「それくらいじゃないか? あ、そういえば!」
そこで信士は思い出した。ポケットに入れたままのスマートフォンの存在を。
幸い、まだバッテリーは充分に残っていて普通に起動することが出来たが、やはりと言うべきか、アンテナはまったく立っていなかったが、時刻は表示されている。
「現時刻が19時35分になってやがる」
「私のも同じだね。つまりこの世界と地球の――日本とは時差がある、と」
まだ太陽が頭上で輝いているのに、日本時間に設定してあるスマホの時刻は夜の7時半を示している。少なくとも陽菜の言う通り、この世界と日本とでは時差があるのは確定だ。
あともうひとつ――
「それにしてもホントに暑くなってきたね。10月の気温じゃないよ?」
「時間だけじゃなくて季節も違うのかもな。地球だって同じ時期でも場所によっては全然気候が違うんだし」
日本とオーストラリアでは季節が全く逆だと学校で習った。12月のクリスマス――日本ではサンタクロースは雪の中を橇で走っているイメージがあるが、オーストラリアでは夏真っ盛り。真夏にあの格好でプレゼント配るのはマジで地獄だなと、信士はオーストラリア出身のサンタクロースに深く同情していた記憶がある。
体感で気温は大体30度超と言ったところだろう。日本では秋真っ盛りの10月だった為、2人は長袖姿だった。
「お肌が焼けるから嫌だけど、上だけ脱ぐね」
さすがに我慢できなくなった陽菜は、これまでずっと着ていたフード付きのパーカーを脱いだ。
下に着ていたのは真っ白な薄手のノースリーブシャツだ。
クラスメイトなどの親しい人間にも知らない者が多いのだが、実は陽菜はかなりスタイルが良い。一般的な基準に照らし合わせても大きいと呼べるサイズの持ち主で、反面、引っ込むところは引っ込んでいて、中学生とは思えないくらい発育が良い。着痩せするタイプなので服を着ていると判らないのだが、薄手の服だとそのスタイルの良さが一目瞭然になる。
もちろん信士は知っていたが、恋人同士とはいえ2人はまだそういう関係には至っていなかった。なので、薄着になられると正直、目のやり場に困るのだ。
服を脱いだ拍子に揺れた胸の膨らみから目を逸らそうとして――気付いた。
「おい、陽菜?」
「なーに? 恥ずかしいからあんまりじろじろ見な――」
「お前、その肩どうしたんだ?」
陽菜の言葉を遮って信士が言った。
「肩?」
不思議そうな顔で、上着を脱いで露になった自分の右の肩へ視線を向けた陽菜は――
「な、なにコレ?」
目を見開いて驚愕した。
白い健康的な陽菜の肌に奇妙な刺青が刻まれていたのだ。幾何学的な文様の魔法陣に囲まれた樹木を思わせる紋章型の刺青。
驚いた陽菜は思わず紋章を手でこすってみたが、刺青の様にまったく落ちることはなかった。
「こ、こんなの知らない。私、刺青なんか入れたことないよ!?」
困惑を隠しきれない陽菜の様子に嫌な予感を覚えた信士は、自分もその場で上着を脱ぎ捨てた。陽菜とは対照的な黒一色のシャツ。右の袖をまくってみたが、なにも無い。左肩も同じ。次に襟元を伸ばして自分の身体を見下ろしてみる。
「……マジか」
胸の真ん中に、陽菜のそれと同じ紋章が刻まれていた。
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