第52話

メニースターズ

第52話 黄金郷編


戦争は時間が経過するにつれ消耗度は上がってゆく 国の規模が小さいほど不利だ

徴兵したとしても維持出来る体制は整っているだろうか、別のバンザイは避けたい



              ・・・C国 作戦会議

「予定では、そろそろ世界の指導者としての演説の準備ではなかったのかね どう

なっている 遅いぞ」ひと際威厳のある風貌 他の雑魚とは異質の首領 ラーク卿

「私も聞いていた予定と違いますな アデル、 現場の指揮はお前が責任を持つと

言ったのではないのか・・・」トップの側近であるレモンは現状を不服としている


「も、申し訳ありません、我らの予定していた新薬の効き目に いささか誤りがあ

りました様で 今暫く猶予を頂けないかと D国とも検証データの照合を」アデル

「進軍先はアール王国だったか 狂戦士計画が効かぬと データの間違いではある

まい 効かぬほど強い部隊が控えているのだ A国とも組んでいる様だが」と教祖


「私が進軍いたしましょう 戦略ミスでしょうな 新薬の副作用の懸念もあります

改良の余地はあるはず 陛下の直属部隊をお借りしたい ふふ 吉報を」幹部のB


アール王国の予想外の奮闘に進軍がはかどらないC国、作戦が甘かったのか或いは

敵の戦力を少しでも削ぐ為に防衛ラインより奥へ侵攻すべきなのだが この後は、


「おのれ、恥をかかせおって もう失敗は出来んぞ戦略ミスではない 何か化け物

を飼い慣らしているのではないのかアール王国は! まだ進軍するな」別室の軍師

「と言いますと 良いのですか陛下の許可を取らずに まあいずれ演説の後に予定

しておりましたし、保険としてD国に予め親書を送りましょう 継げるのは」幹部

「同じ考えだと思うか まあ混沌を好むから我らと組んだのであろうからな 例の

件もあるが 私も出るぞここで負けたらそれだけの器よ 万全の体勢で」アデルが


不意にC国の作戦会議に入室する何者かがいる様だが 旅人風の外見は気のせいか


「では私はD国に行って参ります お世話になりました 復活の際には私も本来の

姿で参戦させて頂くかも知れませんので ラーク卿には気の毒ですがね」と不審者


こうして教団の主の知らぬ所で計画は実行されるのであった 止められる可能性が

あるとすれば それは、D国に使者が辿り着いたと同時に決戦は始まったのだ――


教団側はアール王国に狙いを定めている 勢力図を広げるなら一番の隣国を攻めよ

海を挟んでいるとは言え距離的には目と鼻の先、群に属する小国の一つに過ぎない

予定通りなら 途上の王座はラーク卿の演説会で新たな信者を増やす計画だったと

総動員がかかったのはこの会議から翌週の事である 戦争とは組織戦だが果たして



                アール王国の城

「偽情報ではない様だな しびれを切らしたのか? いや 勝負に出たのだろうな

正念場だ、C国の主力自らが乗り込んで来るとは 対抗出来るのは防衛軍だけ」王

「私の予感と違いました 総力戦が予想されます、敵の勢いは城下町の手前まで来

ています住民を城内へ 万が一の事も想定してください! 亡命も」オパールが?


「何を言い出すのです亡命ですって、国民を捨てて何処に逃げろと エース共和国

しか、いいえ逃げてはなりません 最後まで戦うしか道は」動揺するサマンサだが

「持たんのだよ 仮に敵を撃退出来ても もう国を維持出来るほどの余力がない!

ギリギリだったのだ ならば余が逃げた事にしてエース共和国の傘下に 無念だ」


「陛下気を落とさずに ここでC国を撃退できれば好条件でエース共和国と交渉で

きます 一時吸収されるやも知れませんが 必ずや日の目を見る時が来ます」側近

「ああ 何て事 国が わ、私は一体どうすれば 小説でしょ今 ちょっと!」姫

「私はお前の兄ではない 詳しく説明している暇はもうない様だ 許せ」アール王



(´・ω・`) はーいカット! やっぱりな オパールが急かしてるのよねココ 待て

読者もお察しの様にアール王国の財政はカツカツ状態である そのうえでの総力戦

城下町へ逃げたハズの旅人が何故C国の会議に居たかは追々解明されるので放置で

ぶっちゃけると原案で登場してない諸国に逃げる事になる ここは流れを優先で、


「ほら、私の言った通りでしょ えっと、敵が街まで進軍でしたか んで 住民逃

がして 城に、んで 王は逃亡 サマンサ行方不明」そうしないと暴動で討たれる

「くっ・・・国の元首が何たる事か エース共和国に行くわけにはいかない」だな

「キチンと構想してるわよねこれ? デフォルト回避の為に丸投げって」サマンサ


「私の隠密仲間が貴女を匿いますから 最善の道かと 後は防衛隊に任せましょう

必ず王国は守ってくれるはず」会議後ちょっと裏に来なさいね! オパールさん😠


こうしてアール王国の住民は急いで城の方へと避難する事になる そして主力を伴

い突進してきたC国との、負けられない一大決戦が繰り広げられたのである――

                   ・

                   ・

                   ・

穏やかな快晴日和の夕暮れだった 大胆不敵にも小港を強引に占拠して更に城下へ

数でゴリ押し作戦に出たC国の人海戦術に 防衛線を下げざるを得ない状況が来た

もう目の前まで野蛮な狂戦士の群れが迫っている 迎え撃つ以外に道はない――


「来やがったわ 主力部隊かな 暫く来ないと思ってたら ぞろぞろとね C国よ

アンリさんココから色々と忙しくなるので、適当だと矛盾するから気をつけろと」

「街の住民は大方城の方へ避難出来たでしょうかね、戦力を温存していたな ここ

で一気に決めるつもりか 間違いなくヤマ場の一つかと お任せで」危惧のロシェ

「中途半端じゃ無理だと悟ったんでしょうね 戦力を見誤ったわね 私はピジョン

お前達は一線を跨いだ、C国の全力でも折る事は不可と知るがいい 既に開いた」


※小説版にクラスチェンジなどありません 赤屋根のメンバーは本気を出してない

この後に各々力を開放する事になる、大群で押し寄せて来た相手に心配する人影が


「よお、大丈夫か 余計なお世話だったか 君達は未熟ではない 健闘を」木こり

「え どういたしまして、貴方も城に避難した方がいいのでは いえ失礼」錬金君

「何よ、メリッサ達は? この状況で逃げ出したわけじゃないでしょうね」モカが

「フヒヒ♪ オリジナルの開始なのよね~ クローバーさんだぜ私 盛れよなー」


・・・何やら薄緑の導師様はマスターに耳打ちをしている様だが 腰に謎の革袋が

敵の突進を警戒しながら赤屋根のメンバーは円陣を組む構えの様だ 対峙するのは


「ほうこれがアール王国か 悪くない我らがもらい受ける 行くぞ 改良型の実験

台になれ 雑魚では手ごたえがないだろう 直接来てやったわ 光栄に思え」軍師


「アイツが教祖? 違うのかしら ボスっぽいけど C国の幹部でしょうね」紅蓮

「成敗する 他人の家に土足で上がったのだから 最早覚悟は出来ているのだろう

誰でも大して変わらんよ お前達の実験は我々には効かん 証明してやろう」隠密


「貴様ら 何処かで? 気のせいか ふん若造共 今日からここは我らの拠点だよ

コレで全員なのか、甘く見たな 思い知るがいい 行け 突進で構わん」幹部のB

「ひゃひゃ~ いいねえ スカっとするぜぇ 10人ぐれー余裕でしょ、アール王国

だっけ 大した事ねーだろ 潰せば上物を買えるぐらいの報酬は貰えるしな」傭兵

「馬鹿かこいつら C国の勢い知らねーのか こっちに付いた方が勝どきだろーが

こりゃ素人だな~ 景気ツケに派手に暴れてやるさ、弱肉強食ってな」自然派戦士


「クズ共が コイツ等も何か投与してんじゃないのか、三流だよお宅等」コバルト

「おっしゃ、戦争の合図がようやく来た ガチンコでいいんだろもう」ピザコンビ


                   ⚡

私は友人を信じた、とマスターが一言呟く グオオオオ! 龍にも似た咆哮が空に

瞬間、アンリ達の周りを虹色の光が駆け抜けた アナタが見た戦記は常人にあらず



                 悠久の詩人達

「やっぱり同じ器だったのよ、既に戦っていたんだわ この先を見届けろと」白猫

「遥か遠くだよ かの者は知っていた、我々は歳を取り過ぎたのだ 若者よ」黒猫

「信じられません、このトワイニングの予想を超えていた これは 個では無い」

                   ・

                   ・

                   ・

予期せぬ事態に事の異様さを察知する強者達 襲来して来た狂戦士の雄叫びなど虚

現在戦時中のエース共和国、謎の旅人、C国の幹部、そして未知のD国までもが慄く

飛翔出来る存在は多くは無い アナタの友人の一部には見えている 邪悪を許すな


「アール王国 違う そんな次元じゃねえ ずっと遠く! 此処に2つ どうしてだ

飛んだハズさ 何処だった、そうか私は 恐ろしい奴等だ」(小鳥は天才である)


何かの幻は僅か一瞬の出来事、気のせいだったかも知れない アール王国の現状は


「私がアイドルさ ライバルが多くて当たり前 クローバーさんだぜフ😊ッキンが

小説まで書きやがってよ、とりあえず奴等潰しちまうか 派手な方が楽しいんでな」

「宝箱ですって? 何言ってるの、そんなものはないわ 敵は倒す それだけよ」


リーダーのアンリがそう言うならそうなんだろう★ ギルドの小遣い稼ぎではない

「があああ!」考える回路を持たない狂戦士はお構いなしに突進して来る やれ😡



「なに、アデル様! どういう事だ? コイツ等一体 気のせいでは 今の振動は

アール王国の部隊だと おかしい10人のハズなのに!」一瞬だけ動揺する幹部のB

「グ 言うな 馬鹿な! 人間ではないぞヤツラは 満月だと誰だ 遠くて見えん

この不気味さは? いや迷うな 数では我々の方が明らかに上回っている」アデル


「ああん? なに怯んでるんすか 少数部隊っしょ 俺が一番槍行きますわ ボー

ナスお願いしますよ♪ へっへ 恨むなよ 戦争だしよ 特攻でいいぜ」賞金稼ぎ

「抜け駆けするなよ俺もいるんだぜ アール王国ねぇ エース共和国の大軍を警戒

してたが 楽勝だろ? よし 行くぜ 直ぐ終わるんじゃねーのか案外」自然派は


「来るか、いいだろう お前らの改良品を試してみろ 残念ながらもう勝ちは消え

たぞ 無論貴様等のな 長旅も悪くない 今は私達さ 折れるハズがない」小夜香

「ボスは教祖じゃねーのか どっちでも同じだけどさ よし ここで思い知らせて

やるよ 誰が相手でも、改良でも無理なんだよ間抜け共 誰だと思ってる」モカな


乗り込んで来たC国の幹部含め、敵の総数は予想以上に多い 避難後の市街戦だが

好待遇で雇われたのかクスリをキメながら戦場を愉悦しようとする傭兵の先発隊が

「多勢で卑怯とか言うなよ 戦争だからな へっへ」迎え撃つのは誰でも同じだな

肩をグルグルさせながら真正面にタックルの姿勢、ドミノ兄貴がぶちかます模様か


・・・「負けたらお陀仏だぜお前等?」叩きつけた鉄の槍が脆く折れ曲がっている

「何だぁ コイツ 今まともに食らっただろうが!」ドッカン! 歯が立たないと

きりもみ状に激しく吹き飛んでいく小者の姿が哀れ 更に小夜香が狂戦士の群れへ

無言で突っ込むまるで弾丸のような速度で 一瞬にして数十体を薙ぎ倒し圧倒する


怒号と悲鳴が舞い上がる、その光景はまさに修羅場 騎馬師とマスターの薙ぎ払い

最初に町を奇襲された時とは状況が異なる 此処にいるのは常人の冒険者とは違う

1発、2発、3発と連続の火の玉と氷の刃、更に追い打ちの鉄矢の連射が敵を射貫く

仕掛けた側が次々と倒れていく 戦闘開始から小一時間程度で実力差が露呈するが


それでも敵は恐怖を感じない狂戦士、怯まず襲い掛かってくる「ぬおおお!」っと

アンリ達が援護射撃を背に目に止まらぬスピードで切り刻む 乱戦に突入だろうか

敵は数の多さを利用して何とか抵抗をしている 有利など既に無い一方的な蹂躙だ


「C国の方が強いに決まってるだろ どうなってんだこりゃ?」信じられない傭兵

「どの部隊だろうが関係ないでやんすよ 侮ってたのはお前達だからな~」ハット

普通の人間じゃねえ、と気が付いた時には遅かった「ぐああ!」な? m9(^Д^)


「バカな、改良型すら効かんのか 信じられん 人間ではないだと こちらも研究

はしていたが、戦争は好みだと言うわけか お互いだろうが!」罵る幹部のBだが

「アイドル親衛隊は固いのよ~ お馬鹿さん♪ 同志が極上にしろとさ やるしか

ないでしょ私等が ヤツは画像無しが嫌だとさ クローバーさんと義理だからよ」

「タダの軍隊ではなかったようだな 後退はない勝負だ 例え誰が相手でも私は退

く気はない! 始めて対峙した気がせんのだ どういう事だ?」何度目かなアデル


更に追加で恐れ知らずが特攻をして来るが 陽が完全に沈む前にケリはつく流れか

最奥の幹部以外はとうとう落城作戦に失敗し ここで玉砕する形になった、そして


「我らの実験データは人間の限界を超えていたはず 化け物が! アール王国なハ

ズあるまい 何者だ 新兵編成でない事は知っている、共和国の軍隊か」幹部のB

「最初に街を襲撃しなければ別の結果でしたか さあ誰でしょうね?」錬金術師が


「クク この敗戦が始まりよ ぐぉっ」最後の負け惜しみか 乱戦で戦死した模様

「フフ やりおったな 既に盟約済みよ ふはは 楽しんだわ ではな お前達」


狂戦士を引き連れて来たC国の幹部と軍師はここに討たれた 情景は任せる( ノД`)「大物って程じゃないけど まあ私達の勝ちでしょ」と勝利の言葉で締めくくるか

戦いが終わってみれば敵は全滅 死体の山、住民が退避していた事に感謝しようと

最前線を余りリアルにお伝えするのは健全とは言えない ※ここからが始まりです


           第52話 黄金郷編 5172文字 (続)





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る