・第9集【超人と人との分断~組織の陰謀が対立と戦乱の時代を生んだ~】
ベトナム戦争への日本正義の味方の投入要求、在日米軍に加え在日
それはそもそも米軍の不始末から始まった破壊怪獣ガグラ出現以来怪獣災害の最前線の一つであり、東側勢力による粗製巨大超人の濫用と低脅威度怪獣の乱獲によるハイパーマン・ネガによる人類側隊怪獣防衛行動の妨害、これまでの怪獣とは行動パターンの違う、後に
(フィリピンを襲う騎士と毒蛾が合体したような姿の
「人類が防衛されたとして、そこに日本人が存在しないとしたら日本人が人類防衛に参加する意味はあるのか。日本人は奴隷として使い潰されながら奴隷ではないと自己欺瞞と事故冒涜の道の先に歩んで魂を腐らせるのか。魂の死んだ巨大な超人武器庫になって、日本人は存在すると言えるのか」
「人間が人間であるという以外の特徴を空虚とし連帯する時、初めて政治が無意味になり、人類の統一が可能となり、核のボタンを押さなくなる。何故なら、その在り方こそが生命としての人間を、嘗て一つの群れとして無心に獣を追っていた頃の純粋さにするからだ。国家や軍隊や政治思想や人類対人類を戦う超人は夾雑物に過ぎない」
当時の大学での論争映像での一部抜粋ですが、このように様々な論が戦わされ、日本は再び政治の季節を迎えます。
正義は一つだと語る者は公正な一つの正義は国家や民族を超越するものと考え正義の味方をヒーローに隷従させようとし、国際法と民主主義を守るべきと語る者はそもそも人間から心や感情をそぎ落とし政治の法則に従って動く真社会性昆虫めいた存在たるべしと言わんばかりに正義の味方を違法と拘束しようとする。
(チームファイブの色とりどりで形も少しづつ異なる装束をアレンジした、完全に同一の形で黒一色の
「人間は自分を家畜小屋に押し込んだ奇形の猿に堕落した。どうせ必ず無くなる命を、生きる理由より優先するようになってしまった。人権以外の神を認めず、心では無く命の為、意味では無く富の為の世界を作った。私達と世界では優先順位と判断基準が違う。故に相容れぬ。だから殺し合う。殺すが、私達を殺す事も認める。共存はしない。だが、だからこそ恨みっこ無しだ。等しく言葉より拳を、権利より剣を選んだ我等は敵同士だが友達だ。私は皆を愛している。お前達、正義の味方も」
(
皮肉にも、政治的左右を問わず悪の側に属する者こそが、全身全霊の勝負を行う好敵手として、正義の味方の存在を尊んでいた。そんな、奇妙な時代でした。
(ハイパーマンと丁々発止の問答をする好敵手であった別星人フェイスト、キジンダーにお前を倒すのは俺だ他の奴の手にはかけさせぬと言い切るブレイダー、侍シシハヤテGに助太刀するエースタイガー、デビライザーに愛を囁く
その結果、英国から
万能軍艦SC号はかつて火星人と戦った戦艦サンダークラップ号の名を引き継ぐ、空中飛行と潜水能力を有し更にバードオブサンダーと呼ばれる特殊艦載機と多数のミサイル兵器を搭載する艦で、ロイヤルネイビー最後の主力艦と言われた英国の誇りでもあり、英国の超人英雄スパイ、【アルファベット】達の母艦でもありました。
(観艦式において水面がら空へ飛び上がる、極めて洗練された灰色と白を基調に塗装された未来的で翼と一体化した流線型の船体を持つ万能戦艦の姿。ミサイル砲塔や航空機カタパルトは格納式となっている)
そしてまたベトナム戦争に於いては非公式に米軍に協力し、アメリカの艦隊航空戦力と並んで北爆を行っていました。
そのSC号が、当時は国際スパイ組織という認識だった
(洗練された流線型でミサイルを主武装としていたが主機関が原子炉の言わば艦船に潜水艦と地面効果翼機を高度にしたような機能を付与したものであるSC号に対し、大和級四番艦を改装した船体だが主機関が
「我々はこの万能戦艦高天原を領土とする一個の独立国家として、先に宣戦を布告した。対象は米、英、日本現行体制。その理由は、我々が現行の国際社会体制に同意しないが故、武力を持ってそれと交戦し変更せんとする事を選択した為である。これは先に独立し自主を貫かんとしながら東西両陣営が引き起こす戦火に巻き込まれることに抗い続けるマラヤやインドネシア、大陸に対して自立を守らんとする台湾、そして今正に独立せんとしまた隣国民主カンプチアに対する異常な陰謀に抵抗するベトナムなどの諸国と同様の、手を繋ぎうる願いである。それらと敵対する国家や勢力が我々と同盟を求めるのであれば、我々は我々の基準を持って判断し可否を返答する。これを戯れ言と言うも、国際法違反というも、我々を唯のテロリストと言うもよし。好きにせよ、我々は好きにする。そして、結果はどちらにせよ軍事力が決める事になる。個々の考えの正誤とは無関係だ。故に結果が定まったとしても、定まった結果を認めぬ事もまた自由だ。何人も、己の信じるところを曲げずに己の命より優先する自由はあるのだから」
対北ベトナム共闘のみならず東南アジアに存在していた旧大日本帝国超人兵士のネットワークを通じそれら諸国と気脈を通じていることを露にし西側陣営によるベトナム戦争と、東側陣営ひいては
「この核弾頭は頂いていく! 貴様等アメリカの条約違反を暴く為に、そして、大日本帝国の再興の為に!」
(傾き行く空母カールビンソンの飛行甲板上、搭載されていた核弾頭を担ぎ上げる無音建武隊・真武超鋼殻陸戦隊隊長、
「今日の為に、昨日まで我々は屈辱を耐えてきた。今、闘って闘って、一つでも多くの敵を倒して死ぬ為の今日が来た。この東南アジアの海は、何もかも懐かしい」
(照都十三大将のものとされる言葉)
(東南アジア諸国を襲う怪獣や
米第七艦隊も空母カールビンソン撃沈など多大な損害を出し、更にその際第七艦隊が非核三原則を無視し多数の核兵器を持ち込んでいた事が暴露され、日米安保に巨大な亀裂が走りました。
唯でさえこの時期、ベトナム戦争に対する反対運動があれば南北朝鮮間における第三次朝鮮戦争に対してプエブロ号事件とベトナム戦争によってアメリカが介入を見送った事もあれば、ベトナム戦争に派兵される事を厭った何人かの在日米軍所属アメリカン・ヒーロー達が脱走ヴィラン化、日本で暴れ正義の味方と
更に人類の進歩と調和を歌う大阪万博もまた、進歩の証として人類が打倒した怪獣や妖怪の剥製を展示した事から
「何が進歩だ、何が調和だ。何処も同じ近代化で世界を埋め尽くし異なるものを刈り尽くす進歩と、他人と同じで無くなる事を恐れる調和など死んでしまえ。同じ事を繰り返すこの世界に、べらぼうなものを叩き付けてやる!」
(
「ゲイ・ジュツ……(ZDOOOM)……ジュ・ジュツ……(DOOOM)……バク・ハツ……(ZDGAAAANN!!)」
(金と黒と白と三つの顔を持つ怪獣が歩み万博パビリオン群を踏み潰す。体内から様々な生物の相を帯びる赤血色の触手を繰り出して軍隊を薙ぎ払う。目が光り、凝視した対象が爆発する)
正に危機の時代でした。後に
(巨大超人に近い灰色で細身の巨大人型機動兵器、赤と白に塗られた同じく細身だが可変能力を持つ巨大人型機動兵器、逆に非常にがっしりとした太い体と古代のファラオじみた頭部を持つ巨大人型機動兵器、紅の装甲を持つ均整の取れた頑丈な体を持つ巨大人型機動兵器、多数の兵器を内蔵し特殊金属の装甲を持つ黒鉄の巨大ロボット兵器、円盤型宇宙船への変形が可能な黄金の角を持つ巨大人型機動兵器、獅子のような頭を持つ巨大人型機動兵器、五機の戦闘機が合体する剣と内蔵火器で武装したカラフルでマッシヴな巨大人型機動兵器。国際博覧会での映像)
バロンA、デビライザー、ジュエルセブン、キジンダー、サイオマン、プラチナマスク、必殺ザ・バッド、ダブルシャドー、UFOブラザーといった正義の味方達は、多数の
(少年少女が合体し鳥と古代ギリシャ鎧を合わせたような姿の超人に変身する光景。魔法の剣を掲げ悪魔の剣士に変身する少女。額に宝玉を連ねた冠をつけ精神の力を解放する事で古代インドの戦士を思わせる姿に変身する男。赤と青の髪を持つ機械の体を持つ女性の跳躍。超能力の糸で編み上げた繭から蝶を思わせる姿の超人の姿を現す青年。白銀の仮面を被る事で騎士の如き姿となる女性。白黒二色で本来救助活動用のものを戦闘用に改造したソリッドなガンマンを思わせる姿の
この状況こそ
「滅んでも残るものにこそ、本当に残るに値する価値がある。残るに値す祖国はありや……『復活の日』作戦、開始」
(
闘争が戦力を作り、戦力が更なる闘争を作り、それが更なる戦力を必要とさせる。多数の
……その目論見を崩したのは、半ば四島君緒自身が予想していたように、この陰謀の中で発生する、陰謀の存在を見通し抗う程に強い例外たりうる正義の味方でした。
「行くぞマスクドラグーン! お前も、お前が味方する正義が通る道を拳と蹴りで切り開く身なら、法に従うのでは無く、己が流した血で敷く道を貫き通せ!」
(
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