・【資料】怪獣図鑑①

【破壊怪獣ガグラ】

怪獣祖ザ・ファースト、核怪獣、最強怪獣とも。アメリカのビキニ環礁水爆実験で出現した。

魚竜、首長竜、モササウルス類のどれとも異なる、ジェリコザウルス科の恐竜が水陸両生生活に適応した海棲恐竜カグラサウルスが水爆実験での核被爆で怪獣化したもので、カグラサウルス時代は海の生物が多数である時は海で、陸の生態系が豊かであれば陸で餌をとる。雑食性で、時に歩き時に泳ぎ、かつては小笠原諸島を含むミクロネシア全域に住んでいたが、出現時点ではビキニ環礁が最後の生息地となっていた。奇妙なことに小笠原諸島は神楽島の民間伝承でも「かぐらのおう」として描写されており、同島から化石が発掘されている事から、中世までは神楽島にも小数の生存個体がいた可能性が指摘されている。

カグラサウルスは魚竜や鯨のようなすべすべした皮膚と尾まで繋がる背鰭、ジェリコザウルス科の持っていた側頭部の角が退化して出来た折りたたみ可能な小さな外耳状鰭角・疑外耳角、水棲の影響でペンギンのような体を垂直にした二足歩行を特徴とする恐竜だったが、破壊怪獣ガグラは全身の皮膚の超高強度ケロイド化とそれによる眼窩・口吻周辺の引きつりによる容姿の凶暴な変化と背鰭の変形等が生じている。

この踵を地に着け背筋を伸ばした人間やペンギンに近い直立姿勢は同じジェリコザウルス科の吼角怪獣ジェリゴだけでなく様々な怪獣に共通し、怪獣体型と呼称される事もある。

また、怪獣の基準である「口径88mmの砲、或いは500kg爆弾に耐える」という基準の元となった存在だがその実際上の防御力はそれを遙かに上回り、少なくともマリアナ沖でモンタナ級戦艦が全滅した後のアメリカ海軍が有した最大級の砲であるデモイン級重巡洋艦の20.3cm砲やアラスカ級大型巡洋艦の30.5cm砲、キロトン級原子爆弾にも耐える。

体内に生体核融合炉……正確には核融合炉に近い未知の現象だが……とでも言うべき期間を有しており、桁外れの身体能力を維持するエネルギーの大半をそれで賄い、また口腔から水爆に匹敵するかそれ以上の破壊力を持つ核融合級爆熱光を発射する。その威力は強大で、正面切って互角なのはハイパーマンの必殺技・宇宙恒線のみと言われる。

平田謙博士が原水爆を抑止する効果を期待して研究していたが結果的に絶対零度の領域を作り出す水爆と同等以上の兵器と化してしまった原子運動停止装置で海中凍結されるも、キロギランによって装置が破壊され復活。逆にキロギランを倒し、その後、かつての生息環境に似た小笠原諸島に居座ってしまう。

余談だが、これら怪獣の記録映像の作成や研究においては圓谷英次博士が、ハイパーマンなど巨大超人の記録映像の作成や研究については成田良策博士が名高い。


【氷山怪獣キロギラン】

ソビエト連邦の核実験でシベリアに出現した怪獣、マンモスとグリプトドンとアンキロサウルスを足してオオツノジカの角を生やしそれらの角や牙や鱗や甲羅を全て氷山に置換した様な姿をしている。甲殻化が顔まで及び一見爬虫類にも見えるが氷河期の哺乳類を起源とし、自己の生存環境を維持する為に極低温を操る能力を持っている。

シベリアから第二次朝鮮戦争中の朝鮮半島を諸共に蹂躙しながら南下、日本を襲撃。

破壊怪獣ガグラに倒された。


【猿恨怪獣ドンパンジー】

アメリカ合衆国の有生物人工衛星ジュピター計画に使われた超猿宇宙飛行士チンパンジー・ベック号が実験失敗により怪獣化したもの。

コンクリートのように石化したヒビ割れた顔と胸板と手足、宇宙服と融合した白くなった毛皮、人間に近く背筋の伸びた体型と、チンパンジーに由来する高い身体能力と俊敏さ・登坂能力、体のあちこちから生えた生体ロケット機関からの火炎噴射能力を持つ。

北米各地出暴れ回りニューヨークに到達、ビルからビルへと飛び移り、かつてあっさり倒されたギガリラと違い人類防衛軍HDFとアメリカン・スーパーヒーロー達を翻弄するも、人類防衛軍HDFに参加していた革命怪獣ゲバラーに倒された。


【宇宙怪獣ガガラン】

ソビエト連邦に宇宙から飛来した怪獣。何らかの物体の宇宙から大気圏・地上への落下が観測された後、落下地点のウラル山脈から出現した。宇宙船・人工衛星のような幾何学的な頭部と窓のような目、ちぎれた化学繊維のような襞や手足とは別に管のような多数の触手を持つ。

電気や熱を吸収し操る能力を持ち、積極的に市街を襲撃、人間や群体を襲撃する等高い凶暴性を持つ。モスクワを目指して進撃、助けを呼ぶ子供の声に応えて出現した守護怪獣ダドラに倒された。

発生原因が宇宙事故によるものであり、正体が変異したソビエト連邦の宇宙飛行士である事、凶暴性は無謀な人体実験を強行した祖国への復讐であった事、ダドラを呼んだのがその宇宙飛行士の娘であった事は、ユーリナ・ユリスノワ・ガガーリン亡命事件が発生するまでソビエト連邦により国家機密として隠蔽されていた。


【精霊怪獣マハロア】

イノセント島の原住民に神として崇拝されている巨大昆虫型怪獣。その姿は揚羽、山繭、雀蛾、透羽等の様々な蝶蛾類の中から特に美しい部分を寄せ集めたようで、満艦飾の羽は西陣織かステンドグラスかタペストリに、その姿は飛ぶ神殿か空の大聖堂に例えられた。イノセント島民の代表である巫女と超自然的に感応する力を有し、巫女に歌を捧げられる事を好む。

信仰をエネルギーとする半霊的存在であり、自然環境の霊的力場を生息環境として必要とする為環境破壊により弱体化するが、己を信仰対象とする島の人間を保護し、島の人間が外部と共存する限り人類もまた庇護との対象とする。また、怪獣相手でもそれが自然に近い存在の場合他に手段が無い場合以外はなるべく人里から撤収させるに留め、同胞として守ろうとする事すらある。

霊的な奇跡、魔法を行使する能力を持ち、他の怪獣等と争う時はその力を用いる。


【大空怪獣デモドン】

人類の産業活動による大気環境変動により桜島から出現した怪獣。翼竜ディモルフォドンに似た要素があり、長い尾と牙の生えた大きな頭を持ち、二足歩行に適した脚と両腕が変化した翼を持つ。超音速で飛行し、特殊かつ強力な肺と気嚢に因む能力として自分が超音速飛行で纏う衝撃波を偏向させて武器にしたり、口から強烈な衝撃波を放つ事が出来る。捕食・営巣繁殖の為人里を襲撃し、守護怪獣ダドラに倒された。


【守護怪獣ダドラ】

金鵄髑髏と同じ高天原ラ・ムー・リア文明で作られた人工生命で、縄文土器のような甲羅を持ち、呪術的な隈取入れ墨めいた紋様を持つ二足歩行の亀形海獣。

極めて熱に強く、紋様を光らせながらある種の超能力で重力制御を行い宇宙船めいて飛行、口から制御した重力を黒い球状にした重力弾を吐いて攻撃する。重力弾の威力はガグラの核融合級爆熱光には劣るが並の怪獣の遠隔攻撃手段よりは強力な部類で、また相手の遠隔攻撃手段の軌道を歪める能力がある為爆熱光もある程度反らす事が出来る。

人類を守る善性の怪獣であり、特に子供に対しては庇護の感情を持ち、漠然としたイメージと感情を伝え合う力も持っていた。特に子供の強い思いに答える性質がある。

この力は怪獣にも作用するらしく、子供の怪獣を守ろうとしたり、知性の高い怪獣を相手にした場合一定の意思疎通を行おうとする事もあった。


【秘境怪獣バルムラーダ】

チベットから出現した怪獣。チベット仏教の異聞において“かつてチベットに海があった頃三界の覇者であったが、唯一匹の孤独な獣であり空しく全てを食らっていた事を釈迦に諭され眠りについた”と言われ、伝承通りチベット山脈のとある山の中にあった地底塩水湖に生息していた。

獅子とムササビとディメトロドンが混じったような姿で、空を飛ぶ事も海を潜る事も可能。おそらくは古代の単弓類が変化したものと言われている。

中国の核実験で目覚め中国・インド・チベット・ネパール・パキスタンを股に掛けて陸海空と大暴れし、最終的にダライ・ラマの祈りによって再び眠りについた。

バルムラーダの覚醒は中国が核実験とチベット民族への弾圧とインドへの攻撃を兼ねて意図して行ったものであったが、後のベトナム近郊での剣亀怪獣タンキエムの事例と同様怪獣の行動半径というものの大きさから結局中国側にも被害が出る事にもなった為、国際的非難以上の影響で中国の同種の行動や核実験はそれ以後抑止される結果となった。


【剣亀怪獣タンキエム】

中国が中越国境で行った核実験で覚醒した、城郭のような甲羅と剣のような角が生えた頭部を持つ亀型怪獣。同じ亀型怪獣であるダドラと違い四足歩行型。

中国側はこの怪獣がベトナムに損害を与える事を意図していたが、タンキエムは古代から中世のベトナムの神話伝説においてベトナムを守護しベトナムの為に闘う者に力を与える霊獣として尊ばれる存在であり、タンキエムは逆に中国南部を破壊。

その後ベトナム領内に留まったタンキエムは、ベトナム戦争においてベトナム側に協力しアメリカ軍を攻撃し、中国の意図とは真逆にベトナムの勝利に大きく貢献する事になった。

この一件だけでは無くソ連によるベトナム援助を口実とした実験的かつ非人道的な特殊超人製造計画オブイェークト・ハイパーチュン等、当時のベトナム戦争の裏には様々な思惑が渦巻いていた。


【人食怪獣ベルバ】

日本アルプスから出現した四足歩行と二足歩行を切り替えて移動可能な地底怪獣。

チェレルペトン系海棲両生類から進化した偽炭竜目から爬虫類と並行進化した匐虫類・匐虫網の角弓亜網匍竜型下網ベルナス上目ベルバ目に属すると言われている(諸説あり)。

直立歩行に適した足を持ち二足歩行も可能だが四則歩行時肘と膝をついて匍匐を行うのが種族的特徴で、概して半地中生活を取る為と考えられている。

地中生活適応のために無機熱代謝器官、つまりガグラの生体核融合炉型器官に類似した鉱物資源や熱量・電流などを栄養にする器官を持っているのも特徴。

本種はその中では動物捕食に重きを置いた浅い地底に住み積極的に地上を襲撃するタイプの怪獣であり、山火事と人間を含む大型陸生動物を主食とする獰猛な怪獣。

ブルドッグや狛犬を爬虫類にしたようなずんぐりした頭から前に突き出した他怪獣との戦闘に用いる角と、地中にいるとき振動を拾い地上を探るのに用いるガグラのそれより大きな疑外耳角を持つ。山火事を作り出す種火として口から火炎を放射する能力を持ち、獲物を追う為に二足歩行時は高い跳躍力を発揮する。

人間が使用する火も人間の肉も好む為非常に人間に対して攻撃的な為人食怪獣と呼称される。守護怪獣ダドラに倒された。

頭部構造がそれぞれの生態に併せ異なる近似種が日本とその近郊を中心に非常に多い事で知られ、ベルバに最も近く角と牙を長大に発展させ鰭状四肢を持ち嵐の海からある種の水力・風力発電を行いつつ海洋生物や浅薄を襲う海難怪獣アノクアーラ、石炭を餌にし皮膚に分厚い炭素の鱗を持ち頑健だが動きが鈍く火に弱い深地底棲の炭素怪獣ラルラ、電気を栄養と出来る為かつては雷雨の時に地上に姿を現し地上の生物を捕食しながら落雷を受けて眠るのを繰り返していたが雷より効率のよい栄養源として海底ケーブルや発電所・変電所を襲うようになった可動式の三本角と放電攻撃・電磁バリア能力を持つ電気怪獣ニムドラ、ニムドラの変種でありそれぞれ石油・天然ガスを餌にしてそれを採掘する人間を捕食する事を覚えた自衛用火炎放射能力を持つ石油怪獣ロムデラとガス怪獣ロッドラ、核分裂をエネルギーとしてウラン鉱石を喰い原子力発電所を襲うベルダ目では珍しい角と融合したごつごつと長く尖った鼻面と後方に反り返った二本の排熱角を持つ核分裂級爆熱光(ガグラのそれと比べれば威力は水爆と原爆ほども劣る)を吐く原子怪獣バビラ、同じ原子力食生だがユーラシアに住むバビラと異なり北米に住み極めて発達した可動式板状角鰭が鎧兜のように頭部を守る防具にも地面を掘り進み赤熱させた武器にもなる核熱怪獣ジグトラといった多数の亜種が存在する。

ベルバ以外の個体は主にハイパーマンが打倒したが、バビラはガグラが打倒し、ラルラは地上に迷い出たのをマハリアが地下に返し、北米に複数出現したジグトラはゲバラーが追い払った。


【ギガリラ】

古代ギリシア神話において巨人の一種として扱われていたギガントゴリライ毛深い巨人。ヘラクレスの柱の外にあるアフリカ沖の骨島ボーンアイランドで発見され、発見当初はギガントピテクスの一種と分類されていたが、後の研究でゴリラの一種と判明。学名ゴリラ・ゴリラ・ギガントゴリライ。非怪獣性の陸生生物としては最大級の巨体でなおかつ高い運動性があったが本来非常に温和な生物で、発掘調査から古代に巨神・巨人伝説の元になった怪獣性の巨大人類タイタノピテクス・ティターノスに住処を追われたと推測されている。戦前のアメリカで見世物にされるも飼育係の女性が興行主に暴行されそうになった事に驚き女性を連れ脱走、ニューヨーク中を逃げ回るも軍に射殺された。後に同種を装甲化・武装化して兵器の攻撃に耐えまた温和な性格を消去して戦闘を行えるよう改造したサイボーグ兵器マンモスギガリラとその水陸両用型マリンギガリラが作られたが七色天女に倒された。


【ガボンバリザード】

ガボンバオオトカゲ、半匹目ザ・ハーフとも。非怪獣性巨大生物と怪獣の中間種。化石鰐デイノスクスのように恐竜時代に恐竜に負けずに生息していた、恐らくメガラニアの先祖と考えられるオオトカゲの変異種。

破壊怪獣ガグラ出現の一年前、別の小規模核実験で氷の中から出現。毒性と可燃性の強い血液を持ち、追い詰められるとそれを口から噴霧する事が可能。

既存兵器での射殺も可能であったが毒燃性血液が撒き散らかされる事から、化学兵器で殺処分された。

核実験による巨大生物出現の可能性についての科学者の警告に対し、このガボンバリザードを元とする大蜘蛛や大蛸等の巨大化生物を軍や超人で殺処分出来た事から問題無く対処可能であると認識した慢心が、ガグラを初めとする多数の怪獣出現を招いた。故に最初の一匹ガグラの原因として半匹目ザ・ハーフと呼ばれている。


【原子猛禽コンダロン】

核実験による単なる非怪獣性巨大化生物は非常に多いが怪獣は少ない北米に出現した中で、全世界を荒らし回った金光星龍ズメルゴ以前では最も強力だったと言われている怪獣。

先住民が精霊サンダーバードが住まうとしていた聖地にウラン鉱脈が存在した事から先住民を排除する目的で強行された核実験により出現した為、怒れる精霊ではないかとも言われている。

その姿は巨大なコンドルに似ているが、首から頭にかけては腫瘍の塊のようになっていて無秩序に複数の嘴と目が存在し、体にも巨大な鉤爪の生えた指の数がバラバラな足や鉤爪だけがあちこちから何本も映えているという凄まじい姿をしており、最も美しい怪獣と呼ばれた精霊怪獣マハロアとの対比から最も醜い怪獣とも言われた。

強力な電磁バリアと核爆発を起こす羽毛を武器としており、アメリカ軍やアメリカンヒーローの攻撃をまるで寄せ付けなかった。体全体が核兵器のようなものである為、仮に電磁バリアを貫通したら却って致命的な破局をもたらしかねない。

精霊怪獣マハロアが霊的攻撃で消滅させなければ、合衆国がどうなっていたか分からないと言われている。


【逆立怪獣ナハラ】

核実験で消滅したハイアイアイ群島固有の哺乳類の種族・尾行類が巨大化した存在。複数種のハナアルキの遺伝子が発現しており、べースは鼻を足としても腕としても使うマンモスハナアルキと思われるが、異形化した鼻の数が増え四肢も戦闘用鉤爪として特化しており、モグラハナアルキのような地中移動能力、イカハナアルキのような触手攻撃、ミツオハナアルキの蜜が変化した放射性毒ガス、ナキハナムカデのような音波攻撃、ダンボハナアアルキ・ジェットハナアルキのような飛行能力も持つ。またそれだけではなく、核実験で生まれた為核分裂級爆熱光も使用可能。但し爆熱光は鼻から出る。ハイパーマンに倒された。


【四大公害怪獣】

戦後日本の公害から生まれた四匹の怪獣。熊本県に出現した辰砂怪獣ヘルクリウス(初代)、富山県に出現した痛砕怪獣ガドム、三重県に出現した硫煙怪獣スモガ、新潟県に出現した辰砂怪獣ヘルクリウス(二代目)の四体。

ヘルクリウスは赤い結晶状の目と銀色の毒性流体で出来た病的にひょろ長いナメクジと深海魚と龍を混ぜ合わせた如き体を持ち流体を操り生物を溺毒死させる。公害で汚染された海から生まれ、汚染された海でしか生きられず汚染された生物しか食べられない為汚染海域を広めようとする。

スモガは黒白の煙が実体化したような毛で覆われた肥満した巨躯、コンクリートのような灰色をした蠅とガスマスクを融合させたような顔と煙突のように中空な指を持ち、口と指の穴から猛毒の煙を噴出した。公害汚染大気を吸ってエネルギーを得て汚染強度を増したガスを吐く呼吸と食事が入り交じった生態を持ち、存在するだけで大気汚染を拡大していく。

ガドムは金属で出来た結晶めいた多面体の棘が生えた黄色い肌を持つ凶暴そうで嗜虐的・攻撃的な印象を持つ典型的な兇悪怪獣の姿をしていた。鋭い棘は白兵戦にも射出攻撃にも使用出来、また射出後再度生やす事が出来た。

だが最も恐るべき性質は周囲の生命体の骨格と神経に作用する特殊音波で激痛と骨折をもたらす力であり、極めて攻撃的で生きる限り破壊のための破壊、殺戮のための殺戮を繰り返す存在であった。

何れも精霊怪獣マハリアにとっては天敵であり、またガドムの金属は中性子を吸収し核反応を制御する力が極めて強く、破壊怪獣ガグラに有利を取り得る存在だった。

初代ヘルクリウスとスモガはガグラに倒され、二代目ヘルクリウスはハイパーマンに倒され、ガドムはガグラを追い詰めるものの最終的にはガグラの反撃で倒された。


【革命怪獣ゲバラー】

メキシコの地下遺跡で革命の策を求め諸国を旅していたフェルナン・カストロが発見した卵から孵化した、恐鳥類あるいは羽毛恐竜の一種が変化したものと思しき怪獣。

顔は鷲に似て嘴を持つが両腕は翼ではなく鉤爪の生えた腕で、尾も恐竜類に近いという特徴を持つ。羽毛の模様は鳥というよりは寧ろジャガーのような斑模様で、尾の先端にはガラガラヘビの発音器のような器官がある。

表面的にはジャガーめいた模様の羽毛には特殊な構造があり、膨らませたり逆立てたりする事で自在に色を変え、また殆ど電磁波を反射しない。更にその尾は、足自体足跡や音を作りにくい構造をしているが足音と逆位相の振動を発して消音を行う能力を持つ。

これにより、ゲバラーは50m級の巨体でありながら姿を消す事が出来る。

ゲリラ怪獣という異名で呼ばれる事もある理由であるこの能力は当初公表されておらず、国家怪獣は国家超人と違い隠密裏に派遣できないため防衛的な存在であるという前提が崩れるため後日明らかになったとき政治的に大問題となった。

後に組織ソサエティ械獣カイジュウ改獣カイジュウとの戦いの中で命を落とし、キューバで国葬が営まれた。


【吼角怪獣ジェリゴ】

破壊怪獣ガグラの原種であるカグラサウルスと近しい、恐竜ジェリコサウルスが怪獣化した存在。

何らかの理由によりテロメアの効果が制限される等した結果、長い寿命と高い成長力・再生力を獲得したことにより怪獣級の巨体と身体能力に成長した。

鋭い爪と牙、可動する見事な二本角が外見的特徴。高い再生力に任せて育ちに育った巨体の限界以上の筋力を発揮する事から身体能力は極めて高い。

また海棲恐竜であるカグラサウルスに進化する個体が出てくる程の肺活量を行かした咆吼を角に共鳴させ前方に集束、破壊音波にする事が出来、その力で生息地であるジェイソン島に巣穴を掘って暮らしていた。

また食性が本来の肉食性から雑食性に変化しており、富んだ海流に支えられた同島に生息する非怪獣性の巨大生物を狩るだけでなく、しばしば浜辺に出ては水中に破壊音波を打ち込んで水生生物を狩り、空に目がけて破壊音波を放っては渡り鳥の群れを駆り、定期的に年単位の休眠を行う事で生き延びるという生活を行う。大坂万博に生け捕りにして展示しようとしたら脱走し日本列島で暴れ、ガグラやハイパーマンと戦闘し追い詰められたがマハリアの手によって故郷に帰された。

……その結果代わりの展示物として、それまでに倒された怪獣の剥製が「人類の調和と進歩」の名の下、怪獣災害克服という進歩の証として展示される事になり、これに対する組織日本支部ソサエティジャパンブランチ大幹部・縄文呪術師岡元太郎おか・げんたろうの怒りが、大坂万博芸術爆発事件を有むのは、歴史の皮肉である。


【金光星龍ズメルゴ】

「く、く。我に滅ぼされなかった事を、お前達は後悔し、絶望するだろう。宇宙の外には、より根源的で究極的な破滅の意思が存在する……生きると望んだ地獄の未来に、突き進んで行くが良いわ……!」

他の怪獣に倍する巨体を持つ、怪獣頻出期最大の怪獣。別名宇宙大怪獣。黄金色で異形の多頭龍で。瑞獣の麒麟を思わせる四足歩行で四枚の爪のついた翼を持ち、東部から背に棘の鬣、頭部に加え胸部にも饕餮紋めいた顔を持ち、尾の代わりに四本の主な首に似ているがより細い首が生えている。

邪悪な知性を持ち、自分以外の生命を滅ぼす事を楽しむ。目と口から銀河煌線を放ち、棘の鬣をミサイルめいて発射。銀河煌線はハイパーマンの宇宙恒線より一発の威力は劣るが複数の目と口から連射可能なのが極めて脅威である。更にそれら光信号による情報伝達と棘による物理浸食を通じて己が金鱗を伝染させ、他の怪獣を作り替えたり既存の生物を怪獣化させたりする事で眷属竜を作り出す能力を持つ。

過去にハイパーマンが倒した隕鉄怪獣ガラガンの同種、ダドラが倒した合星海獣デスクルデウスの同種、ガグラが倒した妖星怪獣ザドラゴスの同種を変異させた眷属竜を複数従えて飛来し、地球を侵略。更に地球でも怪獣やヒーローを複数襲撃・打倒し眷属龍を増やすが、世界各地を破壊する凄まじい激闘の末富士の裾野で破壊怪獣ガグラ率いる地球怪獣軍団とハイパーマンら巨大超人達と人類防衛軍HDFが多数の犠牲を出しながら総出で撃滅した。

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