僕の大切なマグカップ

ひかる

第1話

 僕が大事にしていたマグカップが割れたのは一瞬の事だった。いつもと同じような場所に置いていた机の隅のマグカップ。持ってた鉛筆を落としたので拾おうとした瞬間、パジャマの腕の裾がマグカップに当たったのだった。ガチャンと音がした瞬間、しまったと思ったが後の祭りであった。これを買ったのは三年前、友人と一緒にNMBを見に行こうと大阪難波のNAB好演会場へ行ったとき、帰りしなにNABショップでこのマグカップを買ったのだった。あれからもう三年にもなるのか

と割れたマグカップを見てなんか虚しさがこみあげてくる、このマグカップは僕がパソコンで何をしていたのか全て知っているのだ。

なんて勝手に思い込んでいる、悩んだ時の傍にあった物が当然無くなるなんて、思いもしなかった。ガラクタを捨てる気にもなれず、割れたままのマグカップは僕の机に飾っている、自分の戒めでもある。新しく変わったのは味気ないステンレス製のアウトドア用のマグカップだ、たぶん落としても割れる事はもう無い。しかし依然の陶器でできたマグカップと比べるとなんだか、愛着がいまいちわかない。これは、形ある物は何時しか壊れる儚さがあるから、大切にしなければならないとか、どこかで聞いた事がする。たしかにその通りだと僕も思う。ヒカルはため息をついた。

。マグカップでよくミニラーメンを作った食べたのを今、何故かよく思い出す、別にこれって思うほど美味しいとは思わないが、ちょと小腹が空いた時にはいい、簡単な食べ物だね。パソコンで作業をしながら三分まって食べる。これがなかなかのだいご味なのだで。もともとは珈琲を飲む為に買ったのだが、今ではマグカップで何でも作ってしまう。玉子酒、野菜スープ、などなど数えたらきりが無い、そんな事を考えるのも愛着が沸いた証拠かもしれない。また同じマグカップを買いに難波へ行こうかと今、迷っている、かなり割高のマグカップだから、躊躇しているのだ、今までと使ったのと同じものを使いたいと思う気持ちと新しい物を使って、そのばをつなぐ気持ちが頭の中で格闘している、お金があれば、たぶんマグカップを購入するだろう、今はお金に厳しい時なので、それは出来ない。

何かお金になる仕事を見つけなければだめなんだね、とこころでつぶやくことしか出来ない。あ~割れてしまった僕のマグカップは何を考えているのだろうか?

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