百万回転生して、感謝のファイアボール一垓回撃ってみた
かるぼなーらうどん
百万回転生して、感謝のファイアボール1垓回撃ってみた
昔から、
亡き母が教えてくれた魔術ということもあり、思い入れもあったが――なによりも、その
「アイツ、また、
毎日のように、
練習中に、石をぶつけられたこともある。
それでも、俺は――雨の日も風の日も嵐の日も、ひたすらに
一日は、たったの24時間しかない。
朝食、昼食、夕食、合わせて45分に、睡眠3時間……合わせて3時間45分、最低限の肉体保持に必要な時間以外は、すべて、
俺、10歳、
一日に、俺は、40.5回の
「あはは! 見ろよ! アイツ、まだ、
年下の子供たちに、木の棒で叩かれて、遊び道具にされたこともある。
それでも、俺は――雨の日も風の日も嵐の日も、ひたすらに
俺、20歳、
一発の
一日に、俺は、243回の
「たかが、
村の人間に、無能呼ばわりされるのが常だった。
それでも、俺は――雨の日も風の日も嵐の日も、ひたすらに
それから、30年が経った。
俺、50歳、
「………………」
この頃から、村の人間は、俺になにも言わなくなった。
一日に、俺は、145800回の
いつの間にか、一日中、
代わりに、俺は、大いなる感謝を感じた。
0.5秒で構築される火球の温かさこそが、天と地の狭間にいる俺への神からの
それから、50年が経った。
俺、100歳、
「ほほ、お主、人間にしては面白いヤツじゃのう」
この頃から、アトロポス山に住んでいた仙人に認められて、師事を受けるようになる。
俺、120歳。
ついに、俺の
「生き神様じゃ……ありがたやありがたや……かしこみかしこみもまをす……」
俺は、村人たちに『生き神様』として
森に棲み着いた盗賊や魔物たちが、俺を恐れて近寄らないということで、神扱いされているようだった。
美しい年頃の娘が、
俺の中の欲は、
心に決めた恋人がいた彼女たちは、俺のそうした対応に痛く感激して、身の回りの世話を甲斐甲斐しく焼いてくれた。
この頃合い、噂を聞きつけた大国の王から『下山して
俺は、
俺、150歳、病に倒れる。
生まれて初めて、俺は、
さすがに、
生き神様が、
俺、200歳、さすがに死ぬみたいだ。
師匠に挨拶をして、最期は、村の近くの森で死ぬことにした。
懐かしの故郷を前にして、過ぎ去りし人生が脳裏をよぎった。思い出の日々は、すべて、
「……ん?」
さて、死ぬかと覚悟を決めた折に、森の中に謎の物体を見つける。
2メートル大、卵の形をした硬質な物体だった。
半身が地面に埋もれている巨大卵――ぷしゅう――気の抜けた音がして、扉が開いた。
『当機は、リンカネーション・プロジェクト推進機器のひとつです。道徳・倫理に関する諸問題は、然るべき監査機関によってオールグリーンの査定を受けており、質疑についてはWIARのホームページ上で――』
卵が喋っている。
見慣れない素材で出来ているが、最期くらい、座って死ぬのも良いかもしれない。
俺は、扉の先へと、卵の中に入って――扉が閉まった。
「ん?」
『ご搭乗ありがとうございます。
只今より、肉体情報と精神情報の
俺は、眠気を感じて――目が覚める。
いつの間にか、眠ってしまっていたらしい。
起き上がった俺は、病に侵されていた肉体が、元通りに戻っていることに気づく。
と同時に、手足のシワが消えていることに驚いた。
「コレは……まさか……」
扉が開いて、俺は、卵から飛び出す。
近場の川にまで駆けていき、水面に映る17歳の自分を見つめた。
「わ、若返っている……あの卵の仕業か……まさか、大国の技術が、ココまで成長しているとは……」
――転生後に体調不良を感じた場合は
転生。あの卵椅子は、この若返りを転生と言っていた。
どうやら、大国の何者かが、この森の奥にこの機械を置いていったらしい。持ち主に無断で借用してしまったのは申し訳ないが、もし、コレが捨てられているようであれば活用させて頂きたい。
「とりあえず」
若返った俺は、再び、失った人生を取り戻して――
「
そして、俺は――100万回の転生を終えた。
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