性暴力担当刑事、由美子👩

紅色吐息(べにいろといき)

レイプ殺人

https://kakuyomu.jp/users/minokkun/news/16817330651694426184


その日私は多摩川河川域の草むらで発見された若い女性遺体の身元確認に立ち会っていた。遺体にはレイプの痕跡があり、絞殺された首の指の痕も確認できた。破れた着衣をかろうじて身に着けていたがバッグなどの所持品は無く財布やスマホは発見できなかった。


最近出されていた捜索願の中に、年齢や身長・身に着ける衣類の特徴など、それらしき該当者が有り、その母親に確認をしてもらう事になったのだ。


母親は世田谷に居住する井上祥子55才、飲食店の店員をしている。

娘とは世田谷のアパートで同居しており、娘はスナックのホステスをしている。母親は若い頃に離婚しており、現在は母と娘の二人暮らしだ。


遺体は医師の立ち会いのもと、検察官が犯罪性の有無や遺体の身元を確認する。

家族と遺体の対面に立ち会うのは嫌なものだ。まして親が子の遺体を確認する場面は見ているこちらも辛いものがある。


「本当に私の娘なんでしょうか?」と母親は泣き腫らした目で私を見る。

「はい、おそらく・・ 衣服やお預かりした写真からして娘さんだと思われます。大丈夫ですか?・・気を確かに持って下さいね・・」

私は母親を霊安室に連れて行く。

母親は医師と検察官立会いのもと遺体の顔を見る。

彼女は青ざめた顔で遺体に近づき、遺体の髪にそっと触れながら力無く言う。

「私の娘です・・間違いありません。」


これで遺体は井上 舞 23歳である事が確定された。


「こちらに衣服など遺留品が有りますので確認していただけますか?」

検死の為に衣服は脱がしてあり、靴やピアスなど、現場で発見されたものが分けて置いてある。それを確認しながら母親が首を傾げた。


「あの、これが全部ですか?」


「現場を30人以上の警察官でくまなく探したのですが・・バッグやスマホ・財布などは見つかりませんでした。」


母親はビニール袋に入ったピアスを見ながら言った。


「娘はピアスだけではなく金のネックレスをしていたはずです。ピアスとセットの特注品でいつも身に着けていました。」


「特注品と言いますと?」


「ネットで見つけた彫金師さんにオーダーメイドで作って頂いた高価なネックレスで、何時も身に着けていました。 あの・・これなんですが。」


母親は自分のスマホを開いて娘の顔写真を見せてくれた。

胸元に小さなナマケモノが、金のチエーンにぶら下がっているという奇抜なデザインのネックレスだ。


「珍しいネックレスですねえ。こんなデザインは初めて見ました。」


「犯人が持ち去ったのでしょうか・・」


「何とも言えませんが、捜査の参考になるかもしれません。その写真を私のスマホに送って頂けますか。その彫金師さんのお店は何処にあるかご存知ですか?」


「娘がスマホでインスタグラムをやっていまして、その彫金師さんをフォローしていました。店舗の話しは聞いていません。」


「そうですか、」


    ◇    ◇


テレビドラマでは女性警官や女性刑事がたくさん活躍している。しかし本当はそうでは無い。じっさいの警察という所は、どうしようもないほどの男性社会なのだ。


しかし近年警察では、性暴力被害女性の二次的被害の防止や、精神的被害の回復を図るため、性犯罪、ストーカー事案、配偶者からの暴力事案等の被害女性から、事情聴取を行うことのできる女性警察官や、心理学等に関する知識を有した女性刑事の拡充を目指しているところだ。


私は大学で犯罪心理学を学び、大学院生から特別枠で、性暴力犯罪担当の職員として警視庁に採用され、その後に刑事に昇格した浜崎由美子29才、刑事暦2年の新米刑事だ。


女性職員であれば誰でも性被害者に寄り添えるという分けでは無い。被害者の心情に配慮しながら、調書をとったり証拠を集めて、女性目線で捜査をすることは、女性にとっても簡単な事ではなく、専門的な知識やスキルが必要なのだ。


しかもレイプ殺人事件となると、女性目線で犯罪現場を調べる事になり、レイプ殺害された被害者への感情移入は、同性であるがゆえに強く、捜査をしながらこちらまで精神的ダメージを受けてしまうのだ。時には意味も無く男性不信に陥り男性嫌悪感に悩まされる事もしばしばなのだ。



2年前、私が刑事になりたての頃、奥多摩のキャンプ場の近くで発見された女性の遺体があったのだが、その時に採取されていたDNAと今回の事件のDNAが一致したのだ。つまりこれは連続レイプ殺人事件と言う事になる。


当時の事件も私が担当したのだが、残念ながら犯人の特定逮捕には至っていない。ただその時も遺体を確認した被害者の姉が、金のネックレスが無いと言っていたのを思い出した。

連続レイプ殺人犯ということになると再び奥多摩の被害者の姉に会って話を聞かなくてはならない。


刑事の仕事はテレビドラマのようにカッコ良くて華やかなものでは無い。聞き込みが中心の、靴底がすり減るような地味な仕事だ。外を歩き回る事が多く、たいていの刑事は日焼けをして色が黒い、私もこの2年で色がずいぶん黒くなった気がする。

テレビのように銃などを使う場面は無く、せっかくDNAが有ってもシステムに登録が無ければ、誰が犯人かは分からない。


私は奥多摩の事件の被害者の姉、津久井紀子に会いに行った。


「妹さんを殺害した犯人と関連が有る事件がありまして、、今回の事件の犯人のDNAと妹さんの事件で採取されたDNAが同じだったのです。もう一度お聞きしたいのですが。ネックレスが無いと言われていましたのね?どんなネックレスだったか、覚えていますか?」


「金のネックレスで、トップに小さな動物が付いていたと思います。」


「何の動物でしたか?」


「さあ、何だったかな、たぶんお猿さんだったような気がしますが。」


「何処て買ったのでしょうか?」


「たしか、インスタで見つけたと言ってましたが、」


「特注品なんでしょうか?」


「インスタグラムで買ったとは言っていましたが・・」


「妹さんのインスタのアカウントは分かりますが?」


「分かります。バソコンで登録してましたから。今でも妹のアカウントが残っていますのでアカウントに入れますよ。パスワードは自動入力になっていますので、」


「ホローの中に、ネックレスやピアスを作っている人がいるか見て頂けますか?」


「妹は装飾品が好きでたくさんホローしてたようです。まってくださいね。」


津久井さんはインスタグラムに妹のアカウントでログインをし、ホローしているアカウントを探している。


「有りました。これですね。動物がチェーンにぶら下がっているデザインです。」


「なるほど、妹さんはこの彫金師さんにオーダーしたのかも知れませんね。アカウントはゴールドドラゴンですか・・ 今度の被害者もこの方の作品と思えるものを持っていたんですよ。」


「それじゃあこのゴールドドラゴンのアカウントの人がレイプ殺人犯なのですか?


「それは分かりません。このゴールドドラゴンのホロワーと何らかの関連があるかも知れませんし、犯人はゴールドドラゴンのホロワーの中から被害者を物色してるかもしれません。 或いはたまたま同じ作者の作品を買っていたという事で事件と関連は無い事も考えられますからね。いずれにしましてもDNAが有りますから容疑者が見つかれば検査で犯人かどうかを特定できます。ゴールドドラゴンが容疑者かどうかは、今の段階ではまだ分かりません。」


ゴールドドラゴンは数万人のホロワーを持つ人気アカウントだ。相互でホローすればDMで直接コンタクトが取れる。ここでオーダーしている人も多いはずだ。

私がゴールドドラゴンからネックレスを買う事が出来ればゴールドドラゴンの住所と名前が特定出来る。そう考えて私もこのゴールドドラゴンのアカウントをフォローした。


私がDMでゴールドドラゴンにネックレスを注文したいと連絡を入れると、作品は宝石店での委託販売なので指定する宝石店で買ってくれとの返信があった。つまり購入者とゴールドドラゴンの直接の接点は無かったのだ。


しかし、2人の被害者はゴールドドラゴンとSNSで繋がっているのだ。情報交換をしている内に呼び出されたという可能性も考えられる。

彼女らが同じゴールドドラゴンのフォロワーだということは見過ごせない。私が直にゴールドドラゴンと会ってみる必要がある。


被害者の二人はインスタグラムに自分の写真を載せていてかなり美人だ。私もしっかりメイクを決めて写真を撮りインスタにアップした。そのうえでゴールドドラゴンに接触を始めた。しばらくDMを交換したのち私からLINEを繋ぐ事を提案した。ドラゴンはその誘いに乗りLINEで頻繁にコンタクトを取り合うようになった。


ドラゴンの名前は中村直樹35才だという。もちろん本名かどうかは分からない。文章は上手く知的で写真で見る様子も好感が持てる。私の好みのタイプだ。しかし彼は犯人の可能性があるのだ。


充分にお友達感が出て来たタイミングを見計らって私からデートに誘った。彼は車を持っていて待ち合わせの駅まで迎えに来た。

彼は言った。


「写真で見た感じと違っていたので最初は分かりませんでした。」


「ごめんなさい写真は思いきり盛って有るので、普段は余りメイクしないんですよ。」


「いや、今の方が全然素敵ですよ。LINEの文章でね、知的でセンスの良い人を想像していたんです。」


「あ、そうですね・・文章って人柄が現れますよね。」


「外見がどんなに良くても文章で中身がバレバレって良くありますからね(笑)」


会話が噛み合い話していて心地よい・・

こんな男がレイプ犯なのたろうか? とてもその様には思えない。

もし彼が犯人なら何かのタイミングで私をレイプしようとするだろう。もしそういう展開になれば私にとって好都合だ。私は逮捕術の有段者だから現行犯逮捕出来るのだ。

しかし彼は温厚なうえ紳士的な雰囲気なのだ。この人物が突然豹変してレイプ魔になるのだろうか・・もっと接近してみる必要がある。


「どんな所で作品を作っているんですか?」


「ここからそう遠くない所に一軒家を買ったんです。中古住宅ですよ。彫金と言っても型を作って溶かした金属を流し込んだりします。それに研磨機に掛けるので結構うるさい音が出るんです。アパートでは苦情が出ますので。玄関に自作のドラゴン工房のカンバンが掛けて有るんですよ。僕の自慢作なんです。いつか見て頂きたいです。」


「本当に?!それ見てみたいです。」


「今度、日を改めて招待しますから、それまでに何が好きなデザインを書いてきて下さいよ。そのデザインを元にした指輪を作ってあげますから。」


「本当に!? え〜嬉しいです〜。」


いや、本当に嬉しかった。

なんて素敵な人なんだろうと思った。こんな人がレイプ犯だとは思えない。いやそうであって欲しく無いと思った。


次のデートの日、彼は工房に連れて行ってくれた。玄関には手彫りの看板が掛かっていた。それは木彫りの立体的なドラゴンの看板だった。それを見ただけでも彼のセンスと才能が並外れている事が分かった。

私が書いていった幼稚な指輪のデザインを彼がチョイチョイと手直しすると見る間に素晴らしいデザインに変わった。


「今度会うまでにこのデザインで指輪を作って置きます。楽しみにしていて下さい。デザインのアイデアが良いから良い指輪に成りますよ。」


彼は温厚な性格の上に多才で博識なのだ。まずい事に私はたった2回のデートで、すっかり彼の事を好きになってしまった。これでは捜査にはならない。


「お腹空きませんか?レトルトで良ければスパゲティ作りますけど。」


「私に作らせて!スパゲティなら私にも作れますから。」


結局、二人でスパゲティを作り食事をする内にすっかり打ち解けて友達のようになってしまった。


「参ったな、あなたと気持ちが合い過ぎるというか、センスが合うというか、 僕 ・・由美子さんの事を好きになってしまいました。」


困った、率直に気持ちをぶつけてくるタイプに私は弱いのだ。


「本当に! 私も同じ気持ちになってしまって困っているんです。」


私がそう答えると彼は私に顔を寄せてチュッとキスをした。それは違和感のない自然なキスだった。私も自然に彼の首に腕を回しキスを返した。すると急に激しい感情が湧き上がった。彼が欲しくなったのだ。お互いの思いが同調し、恥ずかしさは消え私は彼を求めた。彼も私を押し倒し激しく私を求めた。

レイプなどではない、合意の上のセックスだ。避妊具は無かったが自分の要求を押さえる事が出来ず、全てを彼に許してしまった。


後悔は無かった。むしろ心と体が繋がった満足感に暫く呆然と酔いしれた。起き上がりダイニングの椅子に座ってからもキスを交わした。駄目だどんどん好きになる。制御できない自分の心が怖く、それが逆に快感でもあった。

しかし、心の隅に否定出来ない不安がある。なぜなら彼は、まだ容疑者なのだ。

アパートに帰ると私は彼の精液で汚れた下着を脱ぎ、それをビニール袋に入れたのだ。彼が犯人である事を証明する為では無い、彼が犯人では無いことを証明する為に。


数日後、DNA検査の結果を見て私は安堵して歓喜した。彼は容疑者から外れたのだ。その日私は彼をデートに誘い自分から彼を求め、何の心置き無く彼に甘えた。


「どうしたの?何かいい事が合ったの?」


「私ね直樹さんの事が本当に好きになったみたいなのよ。彼女にしてくれる?」


「そうなの? でも僕の事をまだよく知らないだろう? 変な奴かもしれないぞ。変態だつたらどうする?」


「変態でもいい。私は好きになったら受け入れるから。」


「本当か!? 縛ってロウソクタラタラだぞ。鞭でペンペンだぞ!それでも良いの?」


彼はおどけた調子で言う。

私は彼の言葉に何故か興奮した。


「何でも好きなようにして良いよ。でも殺さないでね。」


「何だよそれ。殺す分けないだろ。そんな趣味は無いから。」


彼はレイプ犯では無く私の理想の男だった。少し変態気味なセックスを好む傾向があったが、むしろそれが私を夢中にさせた。そして彼が作ってくれた指輪は私の大切な大切な宝物になったのだ。


しかし彼に夢中になってばかりは居られない。それならば犯人は誰なのか?!

ゴールドドラゴンのアカウントの周りに犯人がいるような気がしてならなかった。


ある日彼の工房に居ると若い男性が尋ねてきた。彼はその男を見ると


「おお、久しぶりい!入れよ。この人が話していた僕の彼女、由美子さんだよ。あ、こいつは俺の親友で慎二というんだ仲良くしてやってよ。」と紹介した。


するとその男性は少し照れながら


「慎二です、宜しく。」

と伏目がちに挨拶をした。


彼は色が白く、まつ毛が女の子のように長かった。男臭さが欠けらもなく何となく女っぽいしぐさがああり、中性的で一種独特の雰囲気があった。

彼が親友と紹介するだけあって彼と慎二は兄弟の様に仲が良く、なぜか二人の間には私が入っていけない雰囲気がある。


「古い友達なの?」


「慎二は僕と似たような作品を作っていてね、インスタで仲良くなったんだ。インスピレーションが会うんだよね、理屈なんかじゃあ無く感覚で気が合うって感じだな。。上手く説明が出来ないけど・・兄弟以上の仲だよ。」



   ◇     ◇


ある日犬を連れた老人が深夜に堤防を散歩していた。月明かりの中、遠くで草むらを走る男と、男に追われる女を見たのだ。女は男に抑え込まれ悲鳴を上げたようだった。

老人は犬を離し犬の後を追いながら警察に通報した。犬は男の足に噛みつき男の逃走を阻止したのだ。

そして駆け付けた警察官に、このレイプ未遂の男は逮捕された。そして男のDNA検査の結果、連続レイプ殺人犯のDNAと同じで有る事が判明したのだ。


被害者二人がドラゴンの作ったネックレスを持っていたのは、たまたまの偶然だった。犯人はレイプの記念品としてネックレスを持ち去ったのだ。スマホとバッグは川に捨てたと男は供述した。幸い3人目は未遂に終わり殺されたのは2人だけだった。

私の想像は大外れで、事件はあっけない幕切れとなった。


しかし私はこの事件のおかげで大好きな直樹という彼氏が出来た。私にとって彼は掛け替えのない存在になる、そんな予感がした。




彼は私にとって理想の男だ。デザインやファッションなどに対して卓越のセンスが有り、宇宙や星座、科学や文学への興味が半端ないのだ。その上セックスは刺激的で、何についても直樹は私の先生なのだ。彼と一緒に居ると私が成長していくのが自分で分る。その事が心地いい。彼の側に居るだけで幸せな気分に浸れるのだ。もう彼とは離れられない。私は時間が有ればいつも彼の工房に出かけた。彼以上に好きになれる男性に出会う事は二度と無いと思った。


そんな大好きな彼なのだが、一つだけ私を悩ませる問題が有った。それは彼と慎二の関係だ。

彼と慎二の仲は、まるで彼と彼女のような雰囲気があり、男と男の友情のようには思えないのだ。距離が近いというか、何となく性的な仲の良さが感じられるのだ。気にしないように自制しているのだが、何時も焼きもちを焼いてしまうのだ。

彼らは同性愛なんじゃあないのかという疑惑が、ときどき脳裏を横切り私を悩ませるのだ。正樹と私の仲は慎二さえ居なければ完璧なのに。


「慎二君って何か直樹の彼女みたい。何て言うか・・私と三角関係みたいで変な感じがするんだよね。」


「それは由美子の考え過ぎだって、慎二は由美子のことは好きだって言ってたよ。由美子と対立する事はないって。」


「そうなの? あなた達って同性愛じゃあないよね。」


「無い無い! それは無い、でも慎二とだつたら由美子を共有出来るよ。」


「共有って??」


「ああ・・・だから3人てセックスするとか・・全然-OK!」


「直樹さんって慎二さんと3人てした事が有るの?」


「無い無い! 無いけど、慎二とだっら3人でしたいな。」


「私が慎二さんとするって事?」


「うん・・して欲しい。って言うか・・だから俺は変態だって言ったろ!

3人でしてくれたら、もっと由美子を好きになれるよ。」


彼が私に変態セックスを求めているのだ。彼は慎二と一緒に私を楽しみたいのだ。そんなのは私にとって屈辱だ。そんなの酷過ぎる。そんなの愛じゃあ無い。


私は黙りこみ、気まずい沈黙が暫く続いた。私はその場を誤魔化すように、コーヒーメーカーのスイッチを入れた。

どうしよう・・私は直樹さんが好きだ・・失いたくない・・どうしよう・・

暫くして私はコーヒーカップを直樹の前に置いた。そして言った。


「私、直樹さんを失いたく無いから・・ずっと直樹さんの女でいたい・・だから好きにしていいよ。受け入れる・・」


「本当に?本当に良いのか?」


「うん・・良いよ。」


直樹さんが私の手首を捕まえて寝室まで連れていき、私をベッドに押し倒した。


「ありがとう。これで由美子を完璧に愛せるよ。」


「完璧に??」


「そう、俺を完璧に受け止めてくれなければ完璧には愛せないんだ。解るだろ!」


「お前は最高の女だよ。慎二はバイセクシャルなんだよ。俺たち二人で慎二を愛してやろうよ。」


そう言いながら彼はいつになく激しく私を抱いた。


彼の言うとおり慎二はバイだった、慎二は私に挿入しながら彼の物をフェラするのだ。最初は驚いたが、今では慣れてしまい三人の方が興奮するようになった。あの時別れなくて良かった、分かれていたら後悔したことだろう。

最近気が付いたことがある。バイなのは慎二だけではなく直樹もバイなのだ。

そうでなければ私たちの関係は成立しない。

最近私も慎二の事を好きになったが、でも、三角関係では無い。

私は直樹の女でいたいから彼の言いなりになるのだ。

彼の影響なのか私の愛し方も100か0かの一択だ、その中間は無い。

彼のしたいことは何でも受け入れる。彼の愛するものは私も愛する。

受け入れるなら100%・・受け入れないなら100%・・

それが私の愛し方なのだ。

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