第9話 リーダーの品格


「さて、浅野さん次の零細部活の訪問先は何処にしますか?」


 えーと、リストによると『鮫同好会』『熊同好会』『蜂同好会』……。


「ちなみに、部室は共同利用です」


 うんうん、要らん部活はまとめて置いた方がいい。


「しかし、困った事に犬猿の仲で三すくみだそうです」

「更に、犬と猿までいるのか……」


 何やら伍代さんが難しい顔をしている。まるで、真の敵がわたしであるかの様な眼差しだ。


 よし、ここは決め台詞を言って納得させよう。


「リーダーは生まれ持った才能である。伍代さんがいかに賢くてもリーダーには成れない」


 この決め台詞に伍代さんはトントンとこめかみを叩き。


 再起動する。


「確かにわたしはリーダーには向いていません。失礼な考えをしてしまい、ここに謝意を伝えます」


 実に素直な反応だ。つまりはこれが伍代さんなのである。


「で、今日の零細部活周りは止めましょう。これ以上は敵の警戒心をあおるだけです」


 うむ、軍師らしい提案だ。わたし達は部室に戻り、次の作戦を練るのであった。


 放課後。第二生徒会の部室で窓から空を眺めている。


 うーん……。


「浅野さん、どうしました?」


 英和田さんが話かけてくる。リコールの為に必要な署名活動の大義だ。つまりはスキャンダルがないかと思うのであった。


「それで、人形町さんのユーチューバーにする計画の進捗状況は?」

「ま、わたしにかかれば簡単でしてよ」


 早速、見せてもらうと、バスケをする人形町さんの輝きが伝わるモノであった。


「後はアップするだけです」

「この作戦は英和田さんに一任する」

「了解でしてよ」


 さて、次の作戦だ。


「伍代さん、次の一手はどうします?」

「難しい局面です、少し、協力者を作りました。この作戦が不発だとダラダラ時間だけが過ぎて行きそうです」


 伍代さんの話だと第一生徒会の中に協力者ことスパイを忍ばせたとのこと。

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