第20話 飛騨高山旅行記1話
正月三賀日が終わり、しばらくたったある日。
僕は新大阪駅構内のコーヒーショップでアイスコーヒーを飲んでいた。新幹線の発車時刻まであと三十分だ。駅弁とお茶の購入も、もう済ませてある。駅弁は牛すき弁当だ。
僕は会計を済ませ、コーヒーショップを出た。
今回の旅行先は飛騨高山だ。まず新大阪駅から名古屋駅までのぞみを乗り、名古屋駅で特急ワイドビュー飛騨に乗り換え、高山駅まで行く。新大阪から高山まで3時間ほどで着く。長旅で疲れるかもしれないが、楽しみのほうが勝り、心は踊っている。
ホームに行くと新幹線が次から次へとやって来た。いよいよ旅行に行くのだなと思った。仕事のストレスを発散させよう。そう思った。
10時45分発、のぞみ、東京行きが来た。僕は列に並んだ。平日なのでサラリーマンが多い。家族連れも多かった。子どもが冬休みだからだろう。
新幹線に乗った。ほぼ席が埋まっていた。隣の人は男の30代のサラリーマンだった。サンドイッチを食べていた。おそらく昼ごはんの前の軽食にといった具合だろう。たぶんそうだ。
新幹線は音を発さず、静かに発車した。子どもの泣く声がした。お母さんが子どもをあやしていた。隣の人にすみませんと謝っている。別に謝らなくてもいいのにと思った。子どもだって必死に生きているんだ。子どもは泣くのが仕事と死んだじいちゃんが言っていたらしい。たしかにその通りだ。
僕は車内販売のカツサンドを買った。値段は忘れたが、かなり高かった。嘘やろと思った。コンビニのサンドイッチの2倍の値段がする。
新幹線の中では宮部みゆきのレベル7を読んでいた。ハラハラした展開にドキドキした。めっちゃおもしろい小説だと思った。この物語を考えた宮部みゆきは天才だと思った。
新幹線はいつの間にか名古屋に到着した。
特急ワイドビュー飛騨への乗り換えまで9分しかなかった。
名古屋はだいたいわかっているので、乗り換えには困らなかった。
僕は余裕をもち、特急ワイドビュー飛騨に乗り込んだ。めっちゃ空いていた。ガラガラだ。採算は取れているのだろうか。
僕は座席に座ると新幹線のなかで買った、カツサンドを食べた。けっこうおいしかった。
名古屋は曇っていた。雪空といった感じだ。
ワイドビュー飛騨はうなりをあげ、発車した。
僕は「早く高山に着いてゆっくりしたいなぁ〜」とひとりごとを言った。
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