痴漢されて男性恐怖症になった巨乳女子高生がおっぱいを揉まれても構わない!! そう思えた憧れの人はかなり訳ありな学園一の美少女天使様だった件!?

kazuchi

作戦名 【猪野天音ちゃんが好きすぎて困っちゃう】

※この作品は下記作品のスピンオフですが、

 独立して読んで頂いても大丈夫な内容です。


 https://kakuyomu.jp/works/16817330650563390099



 *******



 ……私は猪野天音いのあまねちゃんが大好きだ。


 寝ても覚めても天音ちゃんのことを考えてしまう……。

 その好きはお友達のとか、そんな可愛らしいものではない。


 裸の私を抱きしめて欲しい、そう心も体もひとつになりたいの好きだ。

 こんなはしたない気持ちを天音ちゃんに知られたら嫌われちゃうかな?


 私、本多ほんださよりは県立高校に通う十六歳の女の子だ。

 私が恋した相手、猪野天音いのあまねちゃんは男装女子なんだ……。


 最初は通学の満員電車で痴漢被害から私を助けてくれた、

 男性恐怖症になっていた私が唯一、触れられても大丈夫だった人。


 *******


「ごめんなさい……」


 私は肩に触れた天音ちゃんの手を取ると、

 そのまま、自分のほうに強く引き寄せ、

 その手のひらを自分の胸に触れさせた。


 むにゅり!!


 天音ちゃんの手のひら、相手の動揺が制服の上からでも伝わってくる。


「なっ、何するの本多さん!? 」


 天音ちゃんが素っ頓狂な声を上げてしまうのが耳に届いた。

 私のおっぱいを鷲掴みにしている男装した天音ちゃん……。

 傍から見たら今朝の女子トイレの一件と同じく即、逮捕案件だ。


「……ごめんなさい、しばらくこのままでいさせてください」


 私はうわずった声で彼女に、思わず懇願してしまう。

 

 「……ふうっ、やっぱり触られても平気だ」


 私はその瞬間、確信した、この人と恋に落ちるって……。


 *******


 天音ちゃんが訳あって男装女子だって聞いたときは驚いた。

 男の人じゃなかったんだって、でも天音ちゃんはどこから見ても

 本物以上に理想の男の子だった、そう私にとって完璧な男装の麗人。

 すこし青み掛かったショートカットの髪、もともと美少女だったが、

 男装女子になってその美しさに磨きが掛かった印象だ。


 天音ちゃんの身体は女の子のままだ。おっぱいは上手く隠しているけど、

 私にだけこっそり教えてくれたことがある。

 天音ちゃんはバストケアに悩んでいるんだって……。


 男装女子特有の問題で、胸をつぶすのは負担が掛かる、

 天音ちゃんが使用しているのはBホルダーと言って、

 男性キャラにコスプレする人にもお馴染みで、胸全体を

 ファスナー式の下着で強力におっぱいを目立たなく出来るそうだ。

 天音ちゃんは普通の女子高生だった頃もあまりインナーには

 詳しくなかったと言っていた。

 それを聞いたとき私はある悪だくみを思いついてしまった。


 ああ神様、お許しください、さよりは悪い女の子です……。

 天音ちゃんの身体を触りたい為にこの作戦を実践するなんて!!


「……皆川、これから出掛ける準備をお願い」


「はい、さよりお嬢様、すでに車の準備は出来ております」

 早っ! さすがは私の執事、皆川だ、プロ過ぎる。


 私の傍らにいる初老の男性、子供の頃から私専用の執事をして貰っている。

 髪の毛はロマンスグレーになっているが今も昔もハンサムな紳士だ。


「差し出がましいかもしれませんが猪野天音さまの件ですね。こんなこともあろうかと私が先に準備を進めておきました」


「み、皆川、私の部屋にこっそり盗聴器とか仕掛けてないよね!?」


「めっそうもありません、本多会長ならまだしも私はさよりお嬢様のお部屋に盗聴器など仕掛けませんので」


 何気にお祖父ちゃんをdisってない? 皆川……。

 そうだよね、モニタリングが何よりの生きがいなお祖父ちゃんとは違うか。



「いまの言葉、本多会長にはご内密にお願いします……」


 皆川が深々と頭を下げる。

 妙に真面目くさった態度に思わず吹き出してしまう。


「くっ、あはははっ!! 真面目なところは昔から全然変わってないわね」


 ソファで笑い転げる私に不思議そうな視線を落とす。


「……さよりお嬢様、これだけが私の取り柄ですので」


 そう言って皆川は片目をつぶって見せた。


 子供の頃から私の親代わりだったな、いつも私を見守ってくれた……。

 小学校の授業参観でも皆川のこと、父親と勘違いされて恥ずかしかったっけ、

 幼かった私は、ひどい言葉を投げかけてしまった……。


『何で、私だけ本当のお父さんが授業参観に来ないの

 皆川なんて大嫌い、二度と顔も見たくない!』


 完全に八つ当たりだった、その当時、私の父親はお祖父ちゃんから、

 本多グループの社長の座を引き継がされて、殺人的な忙しさだった。

 そんなこと、子供の私でも分かっているはずなのに……。

 皆川は何を言われても私の側にいてくれた。


「お嬢様、こんな格言があります、恋とはサメのようなものだ。常に前進してないと死んでしまう……」


 また皆川の格言シリーズが始まった……。 て言うか、

 な、何で私が恋してること知ってるの!?


「皆川!! べ、別に私、恋なんかしてないわよ、一体誰に……」


 真っ赤になりながら慌てて弁解する私。

 皆川はいつもと変わらぬ表情でこう告げた。


「さよりお嬢様、人を恋することに男も女もありません。偶然に出会った相手が、その先の人生を明るく照らすのです……」


「皆川、それは誰の格言なの?」


「詠み人知らずです、おっと余計なおしゃべりが過ぎましたな……。またお嬢様に叱られてしまいますね」


 そうだ!! 私が好きになった人が、たまたま女の子だっただけなんだ。

 私は皆川の言葉に勇気を貰えた気がした。


「……皆川、ありがとう、私、もう迷わない!! だから今回も私をサポートしてくれる?」


「さよりお嬢様の為なら、敵一個師団を相手にしても戦えますので何卒この皆川めにお任せください……」


「皆川、戦争しに行くんじゃないから部下に指示を出すのはやめて」


 既に皆川は携帯片手に連絡を取りそうな勢いだった。


「おっと、年寄りの悪い癖ですな、話を最後まで聞かないと……

 今回は猪野天音さんの攻略作戦でよろしいでしょうか?」


 うひゃあ!? 冷静に攻略とか言われると恥ずかしいものがある……

 以前の私だったら、むきになって否定していただろう。


「よし! 皆川、作戦名【猪野天音ちゃんが好きすぎて困っちゃう】で、

 お願い!!」


「了解しました、お嬢様、さっそくターゲットと接触しましょう!! 部下に調べさせたところ現在天音さんはご自宅にいます」


 ふう、っと大きく深呼吸をする。

 待っていてね、天音ちゃん、あなたをきっと攻略してみせるから!!


 本多さよりは固く決意した。

 天音ちゃんをきっとこの手に抱きしめて見せる……。


 次回に続く。



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