名も無き辺境惑星上での海戦(後編)。
「一番二番、魚雷発射」
シュパア、シュパア。
と同時に自艦でドラゴンと紅い宇宙船を惑星を挟む様に移動。
スッとドラゴンと紅い宇宙船が惑星の方に移動した。
「うまくいってますわい」
やはり戦闘の意思は少なそうだ。
どちらかというと手をこまねいているという動き。
「ほほっ、どうやら我々を捕まえるつもりのようですなあ」
初老の副長だ。
「やっぱりそう見える?」
自分が応える。
「一番二番、通常魚雷、再装填」
捕まらないように、そしてドラゴンと紅い宇宙船を惑星に近づけるように、同じことを何度か繰り返した。
ドラゴンと紅い宇宙船が惑星を背負う。
「ひやひやですわい」
何とかここまで来た。
「よしっ」
「五番六番七番、上部魚雷砲塔、閃光魚雷」
「八番九番十番、下部魚雷砲塔、電磁スタン魚雷、装填」
「
艦の上と下に、三連装魚雷砲塔が装備されているのだ。
魚雷砲塔がドラゴンを指向する。
「ほほ、腕が鳴りますわい」
初老の雷撃手が言った。
「はは、老骨に無茶をさせますなあ」
初老の操舵士が笑う。
「閃光魚雷、撃えっ」
小林が大きな声を出した。
◆
「んん、何かがおかしい」
「そうね」
魚雷を撃ってくるが、命中弾ではない。
照準が微妙にずれている。
「操縦、うまいなっ、おいっ」
捕まえようとしてもするりと逃げられてしまう。
「なんだろう」
「何か重大な見落としがありそうね」
ドラゴ―ニャがふと後ろを見る。
青い星がかなり近い場所にあった。
「まさかっ、お兄様っ」
「そうかっ」
「うわっ」
ピカッ
至近で閃光弾が三発爆発。
強烈な目くらまし。
流石はドラゴンだ。
二人の視界はすぐに戻った。
「まずいっ」
バリバリバリイ
三本の電磁魚雷が直撃する。
「キャアアア」
紅い宇宙船の電気がショート。
火花を散らし一瞬真っ暗になるがすぐに復帰。
「くそおお」
ドオオオン
自分と同じくらいの大きさの駆逐艦に体当たりを受けた。
”
紅い宇宙船のモニターにお腹に当たった駆逐艦が映る。
駆逐艦の主機関が大きな炎を出していた。
「お兄様っ」
「ああっ」
「惑星に堕ちるっ」
「堕ちるわっ」
紅い炎を出しながら、ドラゴンと紅い宇宙船と駆逐艦が惑星に堕ちていった。
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