下駄箱に、白霞

mituna

下駄箱に、白霞

寒くて起き上がれない

起きたくないのはいつものことか


仕方なく準備して街に出るんだ

雪は降ってないのにどこを見ても真っ白


このままでもいいからさってそう思ったんだ


夏を恋願い続けるままで

僕はずっと気取ってるだけで

きっと来ないほうが幸せな季節かも



寒くてみんなめんどくさい

頑張ってるつもりなんだけどさ


仕方なく靴を履き替えて向かうんだ

廊下、人混み、話し声

綺麗すぎてずっとここで見たくなった

寒いけど温かいのがそこにはあった


でももう終わり まだ何もしてないのに

僕はここから出ていくんだ


今を捨て続けるのが止められなくて

気付けば君を追っていて

知りたくなかった何もかも


前向けるようになるまではさ

下向いて生きていこう 生きていればさ

僕らの祈りは



話し声が聞こえる 僕は靴を脱ぐ

君が肩をたたく

僕らははにかむ 白霞しろがすみに包まれながら

肩を並べて歩く 僕は君に見惚れてる


そうだったなら僕は君に伝えたい

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下駄箱に、白霞 mituna @mituna44

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