3 〝文明の構造〟が分かればSDGsが分かる!

図:https://19084.mitemin.net/i615126/



(1)文明の構造


技術と政策からなる〝文明の構造〟が分かると、

国連の総合政策SDGsエスディージーズの内容も分かります。

4つの技術と全く対称的な形で、

政策もまた4つに分類できるのです!


富の配分を決めることにより、

社会を健全に保つ政策は、

社会に働きかける時の経路ルートによって、

次の4つに分類できます。


①(直接ルート)経済・社会政策:

経済・社会活動に直接働きかけて利害を調整する、

産業振興・社会保障政策などです。


②(間接ルート)人的資源政策:

政策実現に必要な人的資源を確保する、

保健(公衆衛生)・教育政策などです。


③(自助ルート)行政管理政策:

制度・政策自体の立案・実施の健全性を保つ、

組織、予算、人事、施設政策など。

行政組織という部分社会を対象とした、

各種の政策であるといえます。


④(互助ルート)技術的政策:

科学・技術の健全な発展・利用のための政策であり、

技術のどの経路ルートを助けるかで、

研究・開発政策、社会基盤インフラ政策、

社会工学的政策に分かれます。


④については理論的分類であり、

具体的には資源・環境政策、

都市整備政策、防災・防犯政策、

国防政策などがあります。


これらの具体的政策の内容を見ると、

いずれも技術開発、施設・資材整備、

社会的な組織・規則ルール作りという

理論的分類を含むことが分かります。



(2)総合政策としてのSDGsエスディージーズ


以上の4つを合わせた総合的な政策は、

これまで主に国や自治体が行ってきましたが、

その後の時代の変化に応じて、

対象地域や担い手を広げたのがSDGsだと思います。


SDGsサステナブル・ディベロップメント・ゴールズ

持続可能な〝開発目標〟と訳されますが、

〝文明発展の目標〟とも翻訳できると考えます。

developmentには発展という意味もあり、

ここでは技術、経済や政策のどれかではなく、

文明全体の発展を追求しているからです。


そうした総合政策であるSDGsの、

5つの要素〝5Psファイブピーズ〟を見ると、

以上の政策分類に実務的な修正を

加えたものであことが分かります。


主に地球(Planet)が技術的政策、

繁栄(Prosperity)が経済政策、

人々(People)が社会・人的資源政策、

平和(Peace)・協働(Partnership)が

行政管理政策に対応します。


そして、①技術的政策では分かりやすく、

自然環境関連に限って後は他政策に振り分け、

②社会政策は経済政策と分けて

関係の深い人的資源政策と結びつけ、

③行政管理政策における

政策の国際化と分権化の課題を分けて、

5つの要素としたものと説明できます。


特に①についていえば、

人間には技術の客体と政策の主体という

2つの側面がありますが、

途上国などでは前者のみが強調され、

技術的政策を理由に弾圧や戦争が起きるのを

防ぐ配慮もあるかもしれません。

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