探偵喫茶「グレー」の魔術事件簿 ①吸血鬼の挑戦状
スイレン
プロローグ
ハロー、ハロー。何処の誰だかも知らない君へ。
こうして話しかけるのは初めてだろう。まぁ、これは一方的な備忘録のようなものだけれど。だとすれば自己紹介が必要だね。
僕の名前は片桐白斗。なんてことない喫茶店のバリスタをやっている。
あぁ、いや、マスターは他にいるんだ。
そうとも、そうさこのマスター、八雲黒子とかいう見てくれだけは良い女性が厄介なんだ!
彼女の愚痴を、少しの思い出を加えて吐き出すために、こうして筆を執っているようなものなのだから。そういう訳で、気軽に読んで欲しいと思う。
これは我らが喫茶店「グレー」の、魔術探偵の事件簿だ。
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