絶界の箱庭
松田一慶
プロローグ 1
どこかの空間の隅にある『小さな世界』。
そこは、『カミサマ』が『種族の保管庫』にしたことで、『カミサマの箱庭』となった。
長い長い時が過ぎて、『カミサマ』がいなくなっても『箱庭』は、『種族の保管庫』として在り続けていた。
そう、在り続けるはずだった。
本来ならば生命活動を休止し、ねむりについているはずの『イキモノ』がなぜか、目を覚まし他の『イキモノ』たちをねむりから起こしたことで、『箱庭』は賑やかにまわりはじめた。
『動物』たちは、生きていくため『狩り』をし
『植物』たちは、存在していくために『変化』し
『ヒト』は、己が暮らすため『モノ』をつくりだした
しかし、時がたつにつれ唯一、他の『モノ』をつくりだせる『ヒト』は、数も一番多く、優秀である己たちが『カミサマ』のつぎに偉いのだと他の『イキモノ』たちからいろいろな『もの』をいたずらに『奪い』始めた。
そして当然のように、『奪うもの』のなかには他の種族の『いのち』も含まれていた。
沢山の種族が滅びゆく中で、『イキモノ』たちはおのずと同じ在り方をする者で集まり『ヒト』や、他者に対抗するようになり、
『箱庭』は種族同士の争いが絶えない世界となった。
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