Chase the mirage! ――彼方を追え!――

 龍一はゲームで使用する愛機、ミツビシ・ミラージュを表示させた。

 白を基調とし、ホイールは白。車の左側、運転席側に、ノーズからボンネット、ルーフ、そしてテールまで、赤と青のラインが少し間を空けて走っている。

 空いているボンネットの白い部分、右側、助手席側のところにメインスポンサーであるAVP Gamingのロゴが貼りつけられている。他に左右の前方ドアにもAVP Gamingnのロゴが貼られている。

 左右の後部ドアには、下から巻き上がり後ろへと引かれた、鮮やかな赤と青のラインが流れる風のようにデザインされていた。

 ウィングタイガーの、後ろ足で立つ勇ましい翼を持つ虎のデザインのエンブレムがルーフに貼られ、黒いカーボンのリアスポイラーの上には白字でWing Tigerのチーム名が貼られていた。

 左右の後部ドアのウィンドウには、ゼッケンナンバーの2と、龍一のハンドルネームであるDragonの文字と、日本国旗の日の丸が貼りつけられていた。

 コ・ドライバーはAI音声だが、フランシス・シェイクスピアという名が与えられており。その名がDragonの下に、イングランド国旗である、赤い十字のセントジョージクロスとともに後部ドアに貼られていた。

 スマホがピロリんと鳴った。フィチだ。メールを送ってきたのだ。チャットつながれるか? と。

 OKと返信してビデオチャットでフィチとつながる。

 フィチの使用する愛機、ヒョンデ・i20もミラージュと同じデザインだ。左右の後部ドアのウィンドウには、ゼッケンナンバーの3と、Spiral Kのハンドルネームと韓国国旗の太極旗が貼られ。その下にフランシス・シェイクスピアの名とセントジョージクロスが貼られていた。

 フィチも、龍一と同様に赤と青の縦縞模様のチームのユニフォームを着用している。青い長そでシャツの上に。下はホワイトジーンズだ。

 自宅でのリモートでもユニフォームを着用するのは、もちろん気持ちの問題だけではなく、予選をライブ配信するためだった。

 うぶな性格でSNSを非公開にするような龍一だが、少しは露出しなければいけないというソキョンのアドバイスに従い、ライブ配信用のカメラとキャプチャーボードを入手。

 カメラとキャプチャーボードはともにメインスポンサーのAVP Gamingに差し入れで提供してもらった。ありがたいことである。

 これにて自宅でリモートでeスポーツの試合参加の時など、自らの姿をライブ配信していた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る