8人のスター I miss you

目黒恵

赤星新の場合

 アクロポリス解体から3年が経った。


 8人のスターはそれぞれの決めた道を歩んでいた。

 そんな中、赤星は一般企業に勤めて仕事に慣れてきたある日、桜田から食事の誘いを受けた。約束されたレストランに行くと桜田が先に席に着いていた。

 久しぶりの再会。

 2人はそれぞれの近況を話した。赤星はアクロポリスが解体され、甲斐憲司が逮捕されてから1年後、8人のスターのメンバーだった花見小夜と結婚し、昨年、長男の奏多が誕生した。

 赤星が桜田と談笑していると桜田のスマホが鳴った。桜田はスマホを取り、席を外した。

 数分後、桜田はぼんやりして帰ってきた。

「桜田さん、どうされました?」

 赤星が聞くと

「陣内君から電話で、8人のスターを作ってほしいと。指揮は赤星君にしてほしいようだ…」

「え!目的はなんですか?もうアクロポリスないんですよ!」

「目的は殺人事件やテロ事件、人命救助といった都民を守る目的なんだ」

「要は人々を危険から救うのですね。しかし、そんな事仰っても皆それぞれ仕事や学校に行ってますし…」

「いや、メンバーは一から探してほしいと。君がいた時のメンバーじゃなくて」

「そうですか…。指揮って俺大丈夫でしょうか…。頼りにされてるようでありがたいですが…」

「そうだよね…」

 桜田は頷いた。

 この時、赤星は考えた。今の会社はあまり自分に合わないと感じていた。だったら、自分の原点だった8人のスターの力になろうと決心した。

「桜田さん、俺やります!」

「いいのかい?」

「はい!」


 それから赤星は会社を退職した。

 そんな赤星は時々自分が桜田のように新しいメンバーを引っ張っていけるだろうかと悩んでいた。

 赤星は今まで島、小夜、蟹川、月島、長曾我部、薬師丸、紅と苦楽を共に様々な困難を乗り越えて行った。けど、時には、自分が足を引っ張る事もあった。

 仲間達のように上手くできるか赤星は不安だった。

 そんな赤星を見かねた桜田と陣内は、メンバー探しに加えた。

 赤星は刑務所と学校を訪ね、徐々に不安がなくなった。


 新たな8人のスターを迎える際、赤星は指揮を桜田と陣内は相談役をする事になった。


 それから1週間後、新たな8人のスターと対面した。

「やっと揃ったね!君らは8人のスターだ!」

 赤星はそう言った。

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