第10話 一触即発!
「keiさん、もう少し右に行って。」
ときどき、スマホのプラネタリウムアプリを見ているイリーから指示がでます。
もうすぐ朝かなぁ~。
「それにしても、誰もおってきませんね。」
さめは不思議そうに後ろの砂漠を振り返っているよ。
「パンクしちゃってるしね。」
「でも、反政府の人は街とか、あそこ以外にもいそうですよね。なにか追手の気配があってもよさそうなのに?」
また、さめの心配性がはじまりました(-_-;)
「ここは砂漠だよ。見つからな見つからないよ(^ ^)v」
砂なのでタイヤの跡も残っていません。
いや、なんとなくわかるかな...
「ねぇねぇ、バックからサンドイッチを取って!」
「keiさん、いなくなっている間にサンドイッチを作っていたの?」
イリーがバックを取ってくれました。
「う~うん、おばさんに作ってもらったよ!」
「え~~~!」
二人で目を丸くして声をあげています?
「おばさん、なにか言ってませんでしたか?」
「べつに~気を付けてね。って」
「え~~~!」
またまた、声をあげています!
「じゃあ、逃げたことを彼らは知ってるんですかですか?」
さめの心配性です。
「まぁあ、いいんじゃないの。追ってこないし。」
keiもイリーに賛成!
「とりあえず、逃げられたんだしね。」
「ひょっとしたら、そのサンドイッチの袋に発信機が入っているかもしれませんよ。」
さめはどこまでも心配性ですww
「そうね、いちおう調べておいたほうが良いわね。」
「じゃあ、おばさんがサンドイッチを作っている間にいただいたシチューの中にも、発信機が入ってたかも。」
きっと発信機がお腹の中でGPSを受信して、信号を発信している胃腸を想像しましたww
あの優しいおばさんだし、あり得ない。
「あり得ますね!」
あり得ない生物が「あり得ますね」と言ってます(´∀`*)ウフフ
「袋には入っていないみたいね。おばさんはそんな悪い人じゃないと思いますよ。」
イリーもkeiと同じ意見です。
さめってば、疑い深い。
「イリーさんまで!この場合は良いとか、悪いとかじゃないんです。彼らにとって、捕虜の脱走に手助けしたおばさんは、悪い人になります。」
たしかに!
その良いと悪いとはちょっと違うような気もする~、由々しき問題です!
「もうずいぶんと明るくなってきましたね。keiさん、車を止めてサンドイッチを食べましょう。」
ほんとだ、もうすぐ日の出だと思お。今は寒いけれど、また暑くなるんだろうな~。
「冷めちゃってると思うけど、コーヒーももらってきたよ。」
「keiさん!」
また怒ってるし(-_-;)
「いいじゃない。サンドイッチをもらっちゃっただから、コーヒーももらっておいた方が...。ねっkeiさんw」
「うん」
なんか、楽しいな~。と思った。
これからもっと危険なことがいっぱいあるかもしれないけれど、来てよかった。
みんなで考えて、みんなで頑張って、ゲストハウスも同じだけど...
ここは砂漠!
お姫様に反政府軍!
なんかすごいな。
ホント来てよかった。
「よく噛んで、変なものが入っていないか、確かめながら食べてくださいね。」
まだ、言ってるよ。
なんか、さめも生き生きしてます。春はゲストハウスに閉じこもりきりだったからなぁ~。
さめにも悪かったかもm(__)mゴメン
「keiさん、コーヒーはまだ暖かいですよ。」
なんだかんだ言って、コーヒーのぬくもりに癒されているさめです。
「シェフが作ったサンドイッチも美味しかったけど、おばさんのサンドイッチも美味しいね。」
「keiさん、これはシュワルマじゃないかな。アラブのサンドイッチ。」
「野性的な味がします!トマト美味しい~。」
イリーてば、ふふふって笑ってる。
ピクニックだね。
とうとう日が昇ってきました。
暑くなってくる予感。
砂煙で朝日がかすんでします。
砂煙?
えっ!
「ねぇねぇ、砂煙!」
「えっ!」
「砂嵐かな~こんなに静かなのに!」
やがて、爆音が聞こえ始めてきましたよ。
「双眼鏡でみてみよ!さめ、後ろの箱に入ってない?」
「keiさん、ハイ!」
さめが気が付く前に、イリーが持ってきてくれてた。
「わ~、ヘリコプター集団!」
きっと、反政府軍だと思おう!
「keiさん、私にも貸して!あの人たちがヘリを持っているはずないし。」
双眼鏡をのぞくイリーがニヤリとしました。
「国軍よ!keiさん、政府軍!」
「やりましたね。イリーさん!」
ヘリが5機、地上すれすれを砂煙を巻いて、まっすぐこっちへやってきます(o^。^o)
「助かったの?」
「うん!」
ヘリの爆音にワクワクする~。
「あっ。」
コーヒーを取ろうと思って振り返ったkeiは、嫌なものを発見してしまいました。
「ねぇねぇ~。」
「あっ。」
さめも気が付いたみたい。
「ねぇねぇ~、イリー!」
「きっと、ジェイクさんが手配してくれたんだわ。」
イリーはとてもうれしそう。
「水を差すよう悪いんだけど、イリー。」
双眼鏡から目を離したイリーも、嫌なものに気が付きました。
背後には馬に乗った戦闘服さんが、銃を背に並んでいるんです。(-_-;)
たら~←冷や汗です。
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