モリタ×ヨシエ×通販

 ここ4年ほどモリタの足元はMBT※1  ウォーキングシューズ。仕事中の履物としてはエチケット違反 m(_ _)m 

 きっかけはスポーツ店に「腰痛が治る」と展示してあり、そこの主人(あるじ)に、「自分もこれを履いたら治った」と自信をもって薦められたから。

 仕組みはソール全体にクッション材を入れることでわざと不安定な状態を作り、体幹を鍛えるのが狙いらしい。ただ、これが3万円・・・正直、3万円に包まれるほど立派な足ではない。う~ん・・2週間くらい悩んだ末、「エイヤッ!」と飛び降りた。

 詳細は省略させていただくが、使ってみると、腰痛が治るわけではないが手放せなくなった、というのが正直なところ。毎日履き続け、クッション材が壊れたため、12,000円をかけてソールを張り替え、しかし、それも再び破裂した。「これまでか・・・。」分不相応と買い替えは諦めていたところ、インターネットでなんと “4,000円”で販売されている!こんなウマイ話、あるわけがない。案の定、輸入元では「インターネット上で粗悪なニセモノが出回っています!」と警告を発している。・・・・さて、どーする?・・・次回につづく


 さて、インターネット上で粗悪なニセモノが出回っている、と警告が出ていたMBTウォーキングシューズ、さらにネットで調べてみたが大きなクレームが見当たらない。これはGO!ではないか?メーカーや輸入代理店は商品の高級なイメージを維持するためにとかく大げさに消費者の不安をあおるもの。その心理作戦術にはまってなるものか。8割の自信と2割の「損をしても6,000円(商品4,000円+送料2,000円)ではないか」という割り切りでマウスをクリックした。

 商品は中国からの発送だったが通知された納期通りに届く。箱を開けてみる。んん、悪くない!付属の靴ひもを穴に通す。・・・ちょっと長くないかい?それにひも自体に少し伸縮性があり明らかに以前のとは別物だ。履いてみると足の甲に当たる不快な感触、歩いてみると踵のホールドも悪いし、ソールのクッションが効いていない。・・・・履き始めて一ヶ月後、以前は四年間使っても平気だった靴ひもが切れた。

 ・・・・・今は反省している。六千円の損失というより、卑劣な中国人(あくまで個人)を増長させ、売国奴になってしまった自分の責任を感じる。 


 その数ヶ月前、嫁ヨシエはどうしてもダイソ※2  ンのサイクロン掃除機(七~八万円くらい)が欲しくなったが手が出ない。そこで新聞チラシの“ダブルサイクロン掃除機九千八百円”に飛び付き、家族の助言も聞かず電話注文した。納期は約三週間。

 「やっぱいい掃除機やから売れて品薄ながいちゃ!今に家じゅうピカピカ、スベスベになるわ!」

 と自分の決断に自信をのぞかせ勝ち誇る。

 商品が届く。最初は、

「やっぱ違うわ!」

 と言って掃除機をかけていたが、そのうち歯切れが悪くなり聞いてみると

 「重いし、なぁ~ん吸わん!目の前にあるホコリさえ食べてくれん!」

 長男にも

 「だいたい九千八百円で良いものが買えるわけがないと思わん?」

 と言われ、くすぶり、掃除の頻度がさらに下がった。


 夫婦揃って間抜けなことをしてしまった。

 嫁を嘲笑い、自分だけは間違わないつもりでいたが今は悪魔に魂を売ってしまった感がある。

 MBTの場合はクレームをつけようかと思った。悔しさをぶつけるためと、さらなる被害者を作らないために・・・だが止めた。自分に真贋を見極める眼が無かったのだ。いや、それよりお金に卑しくなり毅然と棄却することができなかった。この上、相手に立ち向かうことは恥の上塗りに等しい。良いものはやはり高い!安すぎるモノには“ワケ”がある!

 卑しい人間にはならないでおこう・・・・・。


                                 2012年7月


※1 MBT

〈マサイ・ベアフット・テクノロジー〉という言葉の略称。

1996年にエンジニア畑出身のカール・ミュラー氏が設立したスイス発のフットウェアブランド。「アンチ・シューズ」をコンセプトに、生理学に基づくアイデアを落とし込んだアイテムは、今や世界二十か国以上で展開されている。“マサイ族の裸足”からインスピレーションを得てデザインされた肉厚なソールは不安定さで筋肉のバランス調整を促す重要な意味を持つ。

キャッチコピーは『世界最小のフィットネスジム』

モリタの想像だが、このコピーは糸井重里さんではないか?


※2 ダイソン

イギリスに本拠を構える電気機器メーカー。サイクロン式掃除機を初めて開発・製造した会社として知られる。現在はシンガポールに本社を移している。

創業者のジェームズ・ダイソンは、従来型の紙パック式掃除機が、紙パックが満杯になっていなくても吸引力が落ちてきて交換しなければならないことに気が付き、「フィルターを定期的に交換するか、あるいは、水洗浄することにより、紙パックが不要になる方式」として、デュアルサイクロン方式を発想・開発した。



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