異種属、異世界に召喚
ものしりめがねをかけたカビゴン
第1話 召喚。
世界総人口の4割がスプリガン、エルフ、ケットシーになった世界でどう生きるのか。
猫耳猫尻尾で、セミロングの髪のケットシーが、その女性にも見える整った顔立ちとはギャップのある学ランを着て、中学校の入学式の準備をしていた。
「やっぱりまだ大きいなあ、この制服」
そう呟くと、二階にある自分の部屋から、一階のリビングで待つ親のもとへ向かった。
「準備できたよ、お母さん、お父さん」
リビングの扉を開け、中に入ると正装に身を包んだ両親が待っていた。
「ッ…プクク…」
「あ!今似合わないって思ったろ!」
肩幅が狭く、女性にも見える顔立ちとは明らかに合っていなく、コスプレのようになっている。
「ロボットみたいだなーって」
「確かに似合わないねぇ学ラン、セーラー服とかの方が似合うんじゃないの?」
「お母さんまで変なこと言わないでよー」
「ほら、早く行かないと遅刻するぞ」
「ほーい」
返事をし、玄関に向かう。
「じゃ行ってきます」
両親に挨拶をし、家を出発した。
自分と同じように異種族になっている人はどれだけいるのだろうかという不安を感じながら学校に向かった。
入学式が終わり、今日は解散となった。
家では祝いの御馳走が振舞われた。
夜の自室…
「(明日から新しい環境か…どんなふうに変わる…かな…)」
目が覚めるとそこは昨晩寝落ちする前に見た天井ではなかった。
そこにあったのは白色の天井、自室の部屋も白い天井だったが、少し色味が違ったので、白って二百色あんねん、ということで納得した。
「(拉致か?でも体動くしな)」
「お、起きたな」
寝たふりをしてみる。
「そんなことしなくても無害だし拉致でもないから安心しろ」
「(バーカバーカ)」
軽く突っ込みを入れるようにチョップを入れた。
「なんだ心読めるのか」
年齢や声色から推測する年齢は小学4、5年ほどかと思ったが、推定年齢にしては覇気や、大人びた雰囲気を感じる。
実際見てみるとそれくらいの年齢に見えた。
金髪のショートで、白い服、というよりは羽衣のように見える。
「気づいた?なんか違うって」
「気づくよ、年齢と雰囲気が一致しないし普通の人間ならそんな趣味じゃない」
「服は勘弁してくれ、支給品なんだ。とりあえずこれから頼むことに拒否権はない」
「人権」
「ないよ」
「まあいいや、いかなる状況も楽しむことがこれからのモルモットーだしな」
かっこつけて言ってしまったが、正直何をするのかわからないのが気がかりだ。
「辛いときにユーモアは大切だ、忘れるなよ」
「んでなにするんだよ俺は」
「本題に入ろう、お前には神を倒してもらう」
「無理」
「安心しろ、神は神でも堕ちた神だからな。RPGのラスボスぐらいと思ってくれ」
「ゲームとは違うだろ、俺死ぬのやだ」
「しっかり努力すれば倒せるから大丈夫だ」
命がかかっている割には軽く頼みやがる。
「言語はわかるようにする、ある程度才能が伸びやすくする。このくらいしか俺にはできない」
「もうちょっと何かあるだろ」
「目立つとラスボスが殺しに来てもおかしくないからな、あと過度な干渉はできないからってのもある。ガイドはするから安心しろ」
「名前は?」
「エルだ」
「わかった。行こう」
「では、魔法の世界へ、行ってらっしゃい」
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