第247話 目覚め
「んっ...」
俺は横で眠る結美を見てこう思った。
(...あの子誰だったんだろう? 確かに居たはずなのに思い出せない)
緑髪の神秘的だけど普通な女の子...。
なんだか懐かしい感じがする普通の女の子。
別に特別可愛い訳でも凄く何かができるわけでもない普通の女の子。
結美と比べるとどうしても全ての要素が劣っているはずなのに何故か忘れられないような感じの女の子。
俺が1番よく知っているはずなのに全く覚えていない女の子。
「...お前は
思わず俺はそう呟いていた。
凄く思い出せそうなのに思い出せないのがなんだか気持ち悪い。
俺が頭を抱えていると結美の奴が起きた。
「あっカズ君...。おはよう。ってこの状況もしかして...! 昨日は眠った私の体を好き放題にしてくれたの? だったら嬉しいな♡ 睡眠姦も悪くないけど、でもできれば今度はお互いに起きている状態で愛を深めようね♡」
などと誤解してくる彼女に俺はこう呟いた。
「なぁ、結美」
「なに? カズ君♡」
「幼稚園の時に緑髪の女の子っていたか?」
その言葉に彼女はキョトンとしていた。
「そんな子いたっけ? 私は覚えていないな。カズ君近づいてきた女子は全員顔から容姿から弱みまで全部知り尽くしてるけど、緑髪の子はいな買ったと思うよ?」
「...そうか」
俺の言葉に彼女は少し不貞腐れる。
「カズ君。私と言う女がいるんだから他の娘に目をかけないでよね! その代わりに私がなんでもカズ君の好きな事をしてあげるからさ。カズ君さえ望むのならこのまま第二回戦を...」
なんか1人で盛り上がっている彼女に俺はこう呟くのだった。
「やらん」
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