　俺は彼女の肌を眺めてながらも苦渋の決断を決める。

「...悪いな、結美」

「...えっ？」

「【睡眠付与（スリープ）】【デバフ合成】（＋）【睡眠付与】（スリープ）」

　俺は強力な睡眠魔法を彼女にかけてあげた。

「あっ...」

　彼女はゆっくりと目を瞑り始め、俺のベッドで眠り始める。

「何とかなったな」

　そう思いながら彼女から離れようとした時だった。

「カズ君...行かないで...」

「んっ？」

　俺は思わず振り返る。

　彼女が起きているのかと思ったからだ。

　しかし、実際に起きている様子はなく、彼女はしっかりと夢の中である。

(空耳か？)

　と思いながら部屋を後にしようとすると、やはり名前を呼ばれる。

「...しょうがないな」

　俺は彼女の横で一緒の布団の中にくるまる。

　一緒の布団の中で若い男女がこうしているとやっぱり間違いが起きそうだ。

(...平常心。俺はできる)

　そう思いながら彼女の横で眠りにつくのだった。

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