第55話 使役されるのも意外と良い

「キュウウ〜!」


「へぇ...リィカは毎日のように魔物の血を吸えているのか」


「キュピピ」


「アル子は日向ぼっこしたり壁に穴あけたりしてるのか」


「クピピィ」


「フワンは最近仲間になったばかりでよく分からないのか〜」


 ...。


(おいおいおい! もうちょっと良い点を押さえてくれよ! 俺のモンスター達!!! これじゃあ俺の使い魔になることを承諾して貰えないじゃないか!)


 なんか俺の仲間モンスター全員の言葉が絶妙すぎないか? 絶対承諾してくれないだろこれ...。


 一通り話終えた彼女が俺の方に向かってくる。


「和希」


「なんだ?」


「私とケロナを使役してくれよ!」


「...はい?」


 いや、嬉しいんだけどあの説明で仲間になってくれるんかい! とツッコミたくなるな。


「いいのか? 正直言うとあいつらの説明のどこに仲間になりたくなるような要素があったんだ?」


 俺の言葉に彼女はこう答える。


「まあ、言葉だけだと正直微妙だと思ったよ」


 まあ、そうだろうな。


「でもさ。彼女達の声質が本当に楽しそうでさ。苦しい事や痛いこともあったみたいだけど和希の為に尽くした言って皆が言っているんだよな。これだけ魔物に愛されている人間もなかなかいないと思うし、あんたになら使われてもいいかなって多少は思えた所かな」


 なんかパッとしない理由だが、まあいいだろう。


 俺のメニュー画面が開いてこう出てくる。


『ミルティ=あまみんがあなたを尊敬の眼差しで見ています。テイムしますか?(テイム確率100%)』

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