第42話 真菜のステータス

 高坂真菜【盗賊】レベル1


 HP ・56


 MP・0


 力・24


 守り・18


 素早さ・31


 知力・6


 器用さ・32


 攻撃魔力・0


 回復魔力・0


 妨害魔力・0


 EXスキル『【盗み力UP】【高坂家への感謝】【恋する少女】【逃げ足早い】』


 マイナスEXスキル『【心の傷】【過去のトラウマ】【父への恐怖】【元家族との繋がり】』


「...」


 俺はマナのEXスキルを見て無言になっていた。


(真菜の心はまだ回復しきってないんだな...)


 そう思いつつも画面を閉じる。


「ありがとうな真菜」


「...うん」


 あまり妹のマイナスEXスキルには口を出さないようにしよう。


 そこで俺は彼女に提案してみた。


「そうだ! 俺魔物を仲間にしてるんだよ!」


 そう言いながらアル子を召喚した。


 アルミラージのアル子は見た目だけはウサギみたいでちょっと可愛いからな。


 ちなみにリィカは可愛いとは言えないので召喚しない。


 アル子を見ていた真菜は少し笑顔になる。


「わぁ...。ウサギさん?」


「まあそんなところだ。名前はアル子って言うんだよ」


「アル子ちゃん...。あったかい」


 ぎゅっと握り締められているアル子は少し嬉しそうな声で泣いている。


 ほのぼのとした感じになったのでホッと一息吐くと、母さんがなんで俺がボロボロになっていたのかを聞かれた。


 なので母さんには真実を言っておく。


「...そう、同級生が和希をこんなにしたのね」


「うん。だけど大丈夫。今度は負けないようにするよ」


 俺の顔を見た母さんはしっかりと力強い声でこう言ってくれた。


「...和希なら次は負けない。母さん信じてるから」


 その言葉は俺の背中を確かに押してくれる。


「うん。次は負けない」


 母さんにそう宣言したのでもう負けられないな。


 俺は自分なりに次に戦闘になった際の伊藤への対策を考え始めるのだった。


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