第38話 夜襲②

「ガハッ!」


 アル子とリィカがカードに戻り、俺は奴に斬られてその場に倒れる。


 倒れた俺の頭を踏みつけながら愉悦に浸る伊藤。


「はぁ...ざっこ。高坂君何レベルなんだ? 俺はもう30近いんだが、もしかしてまだ10代かな? ぷ〜くすくす」


「ぐっ...! くそっ!!!」


「は〜、気持ちよかった。もっと痛ぶりたいけど流石に時間をかけ過ぎたら他の覚醒者に見られるかもしれないからな。じゃあな高坂君。楽しかったわ」


 トドメとばかりに思いっきり腹を蹴り付けた後に笑いながら去っていく奴の後ろ姿に怒りを覚えそうだ。


(伊藤の野郎!!! 後で覚えていろよ!!!!)


 そうは思っていても今の俺には何もできない。


(く...くそ、意識が...)


 フルボッコにされたのだから無理もない。


 薄れゆく意識の中、俺は仲間の魔物達に薬草を与えて回復だけしておく。


 そうしていると俺の真上から雷撃のような光が降り注ぎ、そのまま全身に大ダメージを受ける。


「ガハッ...」


 その攻撃を受けた俺は裏路地の冷たい地面に横たわり意識を失うのだった。

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