第3話 VSゴブリン

 息が切れた俺はゴブリン3匹と向かい合う。


「くそっ! こうなったらやけだ! 出来るだけやってやる!」


 俺は早速渾身のストレートをゴブリンに繰り出した。


「グギャァ!?」


 勢いよくふっ飛ぶゴブリンだったが、恐らくダメージはない。


 なぜなら、俺の攻撃力はたったの1しかないからだ。


「グギャギャ!!!」


 俺を嘲笑うかのようの距離を縮めてくるゴブリン供。


「くそっ!」


 全力で戦うのだが、全くダメージが入っている気がしない。


 伊藤が一撃で倒せた相手に俺は攻撃を何発当てても倒せないようなのだ。


 ついにはゴブリンの方があくびをし始める始末。


 まるでどれだけ殴られても痛くも痒くもないぞと言われているみたいで腹が立つが、そんな事を言っている場合ではない。


「ガッ!? ッ...! ぐああああ!!!!」


 ゴブリンのたった一度の攻撃で俺は重傷を負う。


 折れ曲がった腕を押さえながら叫び声を上げてしまっていた。


(嘘だろ...? たった一撃...で)


 ただのゴブリンの一撃だが、人間の腕くらいなら簡単にへし折れるようだ。


(誰だよ、ゴブリンが雑魚なんて言い出した小説か漫画は...! くそ強いじゃね〜か!!!)


「腕が...!」


 そう呟きながらよろけていると、足を踏み外した俺は崖から下に落ちてしまった。


「うわぁぁぁぁぁ!!!!」


「ゲギャギャ!」


 落ちて行く俺を楽しそに眺めているゴブリン達の笑い声を聞きながら、俺は深い深淵に落ちて行くのだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る