第2話 捻くれ者達の優遇具合が酷い
伊藤と高橋は自分達の職業を言い出した。
「俺は【聖騎士】の職業を得た伊藤だ。力の値がレベル2の時点で57もある」
「そして俺は【
彼らがそう言い出すと【職業】の力に覚醒したもの達は次々に自分のステータスと【職業】を言い出したが、伊藤の【聖騎士】や高橋の【武闘家戦士】のような上級職っぽいのにつけたのはいわゆる不良っぽい奴らばかりだった。
頭の良い奴らや捻くれた奴らの方が強そうな職業に就けていたのである。
(なんだこれ、理不尽じゃないか!?)
それに職業にすら就けていない者まで出てきたので大変だ。
その場にいたほとんど全員が生き残る為に伊藤や高橋に媚びを売り出した。
「実は私ぃ、伊藤君の事前から気にかけてたんだよね〜」
「あっ! 分かる〜! 高橋君もかっこいいよね〜」
とクラス内にいるカースト上位の女性徒はいとも簡単に伊藤達とパーティを組むことになった。
俺がその場の雰囲気に流されていると、いきなり伊藤に腹を蹴られた。
「ぐっ!?」
「おい高坂、お前の【職業】は【弱体術師】だってな!? ギャハハ!!! いつも真面目にお勉強して部員と楽しくお遊戯してた奴に限ってこんな雑魚職を与えられちまうんだよな〜? 神様よく見てくれてると思うぜ? ちょっとクラス内で頭がいいからっていつも調子に乗ってた罰だ。お前は1人でここから脱出しな。反論する奴は全員半殺しにしてここにおいて行く」
今のこの場に置いて伊藤は支配者階級にある。
なぜなら、アレだけ恐ろしいと感じたゴブリンを簡単に倒した事により彼らのカーストがかなり上昇しているのだった。
それにより、わざわざ俺を助けようとする者など存在しない。
俺が伊藤に力を入れた足で腹をぐりぐりと踏まれている所を見ていたはずなのだが、彼らはこう口々に呟いた。
「わざわざ高坂を助ける必要はないよな?」
「ああ、あいつ【弱体術師】って職業だしきっと弱いだろ」
「あいつ1人が死んで俺たち全員が生き残れるなら...」
などと言う相談が聞こえてくる。
やはり人間というのは自分の命がかかった時には我が身かわいさに他人の心配などしないのだろう。
出会ったばかりとは言え、まさかここまで俺がクラスに嫌われているとは思わなかった。
いや、嫌われているというよりはまさしく我が身可愛さで俺の事をトカゲの尻尾切り程度に思っているのだろう。
俺を置いてクラスはどんどん奥へと進んでいく。
〜数分後〜
「ぐっ...!」
回復してきた俺は腹を押さえながら何とか立ち上がるとクラスメイト達と逆の方向に進んでいた。
そしてしばらく探索しているとゴブリンに襲われたのだった。
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