ふりかえり

外東葉久

ふりかえり

 「は!?もう25日!?」

カレンダーを見て、心の中でだが、軽く悲鳴をあげる。先月もこれをやった気がするが、時の流れ、恐るべし。

 最近、知らぬ間に数日が経っていることがよくある。生きている時間が長いほど、それに対する一年や一日は細分化され、時間の流れを早く感じるという話を聞いたことがあるが、本当にそうだ。これから先、もっと短くなると思うと、なんだか切なくなる。考えてみると、子どもの頃は、無駄に時間が長かった気がする。暇は、子どものうちに楽しんでおくほうが良いらしい。

 そうはいっても、年始に毎月投稿すると宣言したのは自分だ。自業自得の極み。

 時間の流れが速いなどと考えていても、良い構想は思いつかない。

 周りに見えるものから話を作ってみる。構想は家への帰り道に思いつくことが多い。季節感も帰路の景色から反映される。逆に、こうして周りを見ることで、季節の移ろいに気づけたりするのが、いいところでもある。

 こうしてなんとか世界を設定し、事象を動かしていく。物語で伝えたいことは、最初から無理に決めずに、書きながら思いつくことが多い。

 書くといっても、文字をタイプして、スクリーンに表示しているのだが、これにも慣れた。以前は、原稿用紙に手書きするほうがいいという、よく分からない抵抗があったが、あとから訂正しやすいし、今はタイプ派に傾いている。

 そうしてストーリーができたら、サイト上に清書し始める。改行や記号などは多少手を加えて、表現も修正していく。本当はここに時間をかけたいのだが、この時点で29日や30日であることが多いので、どうしようもない。己の怠惰に自分で驚く。

 そんなこんなでできた短編を数時間おいた後、もう一度読み直して、校正と推敲をしたら、えいっと投稿する。

 自信はあったりなかったりだ。

 とにかく、これで無事に十二編揃ったことになる。振り返ってみると、こんな書き方で続いたことが謎である。


それでも、物書きは続く。

はず。

 

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