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全部思い出した。

私は何度もこの「夢」を見ている。

何度も何度も何度も何度も何度も……

誰かに仕組まれた夢。

これが、私にとって幸せだったもの。

でも、それでも、それは紛い物だった。

あの日、見たものは、空から垂れる糸。

そして、その先に見える、外の世界。

まるでこの世界が、3軸回転体であるように、世界は回っていた。

この世界が偽物だと気がついた。

その時、私たちは1つになって落ちた。

何度も使われた世界。

何度も使われた魂。

使い古されて、壊れた。

もう、何も無い。

脳髄のその端まで全て。

私たちは被害者。

私たちは被検体。

私たちは犠牲。

私たちが、彼を守った。

私たちが、死んだ。

その先には何も無い。

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