SSA・Another ContLast

らと

日ノ章

日ノ一

少女が空から落ちていく…

何かを掴もうと手を伸ばすも、

それには届くことは無かった。

光るそれが雲の中へ落ちると、

少女もそれに続いて落ちる。

そして、少女は目を覚ました。

白と黒だけで構成されている、

色のない世界。

その世界に、太陽は鮮やかな赤を運んでくる。

朝だ…

少女は、暖かな光を受け入れた。

それは、白をより輝かしく、美しくした。

その時、少女は気が付いた。

その世界には、過去に来たことがあること。

目の前にある神殿に鏡があること。

少女にそれ以外の記憶が無いこと。

私の下に私は、白にくっきりと写る。

少女は語りかける。

「ねぇ、君はなんで私を真似るの?」

影から返事はなかった。

出来なかった。

だけど、少女は気にせずに話しかける。

「どうして、夜になったら居なくなるの?」

そういった時間が過ぎ去って、夜が訪れる。

「もう行っちゃうのね、また明日。」

日が完全に落ちきって、少女は目を閉じる。

明日がいい日であることを願って。

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