世界の見方が広がっていく


ふいに空を指さして、

「ねこ」と言ってあなたが笑う。


薄くて歪なあの雲を、

あなたが「ねこ」だと言うのなら、

それはきっと猫なのだ。


あれは「さかな」で、

あれは「りゅう」、

そしてあれは「くま」らしい。


ならばあれは魚なのだ。

ならばあれは龍なのだ。

ならばあれは熊なのだ。


じゃあ、あれはなんだろう。

それと、あれはなんだろう。


同じ形なはずなのに、

あなたが見れば姿が変わる。


それはなんとおもしろい。


とてもおもしろいことなのです。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る