小学六年生編
第6話 謎の青年
ついに結菜は学校に向かうこととなる。
4月14日、彼女は朱鳥村唯一の学校へ向かった。コタローさんはあまり騒ぎを起こしたくないといい、一緒に登校はできなかった。小学6年生、小学校生活最後の学年が今、始まろうとしていた。
「都会から引越ししてきた、城守結菜です!よろしくお願いします!」
ひとクラスのみの学年で生徒数、私を含めて5人。
「それじゃあ、みんなも自己紹介しましょうか」
担任の佐々木純子先生が言う。そして、生徒も順番に合わせて、一人一人名前を言っていく。
「梅木
「
「村田
「
この村には中学校が近くにないから、ここが中高一貫校になって、そのまま彼らと4年間過ごすこととなる。それでも高校に上がれば、バスに乗って、隣町にある高校へ通うこととなるであろう。それまでこの5人が仲良くなる保証なんて...
放課後...
「へえ〜都会ってやっぱすげえな〜私も早く行ってみたい〜」
「まあ、ここから近くの都会までバスと電車で6時間かかるからな。お金がないし、親が許してくれない。」
「結菜ちゃん!もっと都会のこと教えてね?」
結菜は友梨奈のグイグイさにたじたじになりながら首を縦に振る。
「う、うん!」
「わ、私も...行ってみたい...」
「緋夏も行きたいの?!じゃあ、中学生になったら行こ!男子除いて!」
「なんで、俺らを省くんだよ!」
「女子の花園は男子禁制なんです〜」
「...っち、ったくよ...まあ、俺らは俺たちだけで行くよな?」
「...え?僕は行かないよ」
「おい〜直己〜なんでだよ〜」
「ふふふ、直己にフラレてやんの〜」
楽しそうな時間が過ぎていく。彼らは転校生の私を歓迎するために村で唯一の飲食店、梅木喫茶で歓迎会を開くこととなった。そこは、梅木くんの両親が営む喫茶店である。
「ん〜ま〜!!やっぱ、梅木のお母さんが作った『オムライス』は美味しいな〜」
「一応親父も作ってんだけど」
梅木くんは少し両親の手伝いをしながら歓迎会に参加している。言うて、今来てるお客さん、結菜たちを除いておじちゃんおばちゃん3組程度だけど。
幸せのひと時を過ごした。
「お嬢ちゃん、見ない顔だね」
おばちゃん連中の一人が子供達に話しかけた。
「安子おばちゃん、転校生だよ!都会の!」
友梨奈ちゃんが説明をする。
「はい、城守結菜です。これからこの村で住むことになりました。よろしくお願いします。」
「まあ、なんて礼儀正しいの...」
感心するおばちゃん。その後ろのおばちゃんがコソコソと、城守家...っと聞こえた気がした。なんだか、雰囲気が怖いおばちゃん連中。
▪︎
一方、家で一人きりのコタローは...
城守元は朝早くで研究所へ向かった。よって、この家には誰もいない!それでも、ずっと小池の中にいるのだけど。そんな自分だけの世界に浸っている時、こだまが現れた。
カタカタ
「何?!すすわたりが一気に消えたじゃと?!昨日、この家から出たばかりじゃないか。とんでもない妖力を浴びてしまったのか?」
カタカタ
「...なるほど、まさか陰陽師が来ているのか...戦争でもおっ始めようとしているのかよ、陰陽師連盟は!」
▪︎
結菜たちが通っている学校の校庭のそばにある森林から出てきた謎の青年。
「やっと、出られた〜!!!っで、城守家の館はどこにあるんだ?」
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