実録 ヘルニア爆発日記~若くても気を付けよう~
久吉 龍
第1話 こんにちはヘルニア。このやろうヘルニア
某年10月半ば。
深夜まで私は通話をしながら友人とゲームをしていた。
「いやぁこのキャラマジで強いな…結局10戦して3回くらいかな勝てたの」
「そうだねぇ…このキャラ気に入ったわ。俺このゲームもうちょっと練習してみる」
月に数回。学生時代に出会ってかれこれ10年近くの仲になる友人と、オンラインでの対戦ゲームや雑談が休日の私の楽しみだった。
「これ以上うまくなられるとさすがに本気で勝てなくなりそうだなぁ」
「お、もっとやる気出てきたかもしれんねぇ」
こんなやりとりをしながら気が付くと時刻は深夜の1時。
「あ、こんな時間だ、そっちは明日も仕事だっけ」
「うん、そうだね。出勤は遅いけどそろそろおしまいかなー」
「わかった、じゃあここらへんでお開きにしようか。またねー」
「うん、またねー」
そういいながら通話を切る。
そしてゆっくりと伸びをする。
「腹減ったなぁ…」
当時私は夜勤の仕事についていた。
ちょうど昼に働いている人と比べて12時間ずらした生活を続けて2か月と少し。
ようやっと深夜の仕事の形態にも慣れてきて、あと少しで正社員登用となるところであった。
ただ12時間昼の時間に働いている人とずれているということは、ご飯の時間ももちろんズレてくる。
昼は食べず、夜に1回、深夜に1回、朝に1回といった食生活。
今思えばなかなかに不健康ではあるのだが、当時の自分は何とかこなせるようになってきていた。
待遇面の良さと健康を天秤にかけて待遇を取ったのだ。
とりあえず腹が減ったので私はキッチンへと向かった。
当時実家暮らしの私は、深夜にこうやってキッチンへと向かうことが多かった。
ただまぁ流石に深夜の夜食は自分で用意するのが家族で決めたことだった。
また母親の寝床がキッチンに近い上に母親は眠りが浅く、炒め物か何かつくったりするには中々うるささもあるだろうという部分で、私はもっぱら炊飯器のご飯と缶詰を家での深夜の主食としていた。
ホカホカのご飯に、意外とおいしい上に火を使ったりする必要のないカレーの缶詰。
さっさと食べて、もう一回さっき友人が使っていたキャラクターの対策でも考えようかな。
そんなことを思っていた。
そして私は、いつもの通りベッドに腰から座ったのだ。
「あ…!?」
激痛
腰全体から太ももにかけて、今まで感じたことのない激痛が走った。
当時の私はこう思ったことを忘れはしない。
腰が、爆発した
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