人混みのセキレイ

第1話

午前中

買い出しに

行きました。

年内最後の

買い物に

したかったので

まとめ買いです。

おかげで

両肩が

引きちぎれんばかりの

荷物に

なりました。

混雑した

商店街の中

バランス悪く

ヨロヨロ

歩いていると

少し先に

気になるものが。

セキレイです。

迷い込んだのか

行き交う足元を

ウロウロ

しています。

踏まれてしまわないか

ハラハラしながら

見ていると

なんとか

道の横に

抜けていきました。

ホッと

安心しましたが

気になります。

肩に食い込む

荷物と

格闘しながら

セキレイを

目で追っていると

肉屋の方へ

向かって

行きました。

そして

その場で

ウロウロ

そわそわ

しています。

ん？

何を

しているのだろう？

次の瞬間

セキレイは

足早に

ケースの近くへ進み

地面を

つつきました。

そして

また

少し離れた所へ

戻り

ウロウロ

そわそわ。

これを

繰り返しています。

ケースの中には

揚げ物が

並んでいます。

その

揚げ物に使われた

衣のくずが

どうやら

ケースの下に

落ちているようです。

お店の人も

セキレイに

気が付いたらしく

ケースから

離れた場所で

待機してあげています。

その後

セキレイは

満足したようで

無事に

飛び立って行きました。

忙しない中で

ほっこり

出来たのですが

同時に

野生として

生きていくとは

こういうことだよと

セキレイに

教えてもらった

気がします。

たくましいな〜。