第122話 漫画喫茶

12月22日。

クリスマス目前で、町の中は色めき立っている。

 

俺はその中で、連日のバイトのせいでヘトヘトだ。

年末は何かと臨時の仕事が多く、稼げるときに稼いでおかないとならない。

 

フラフラになりながらも、いつも寝泊まりしている漫画喫茶へと帰る。

財布の中身を見て、受付する。

仕事の報酬が入るのは25日で、今はお金がない。

 

1日分しかない。

ご飯も食べられないから、ジュースで乗り切るしかない。

 

クリスマスイブは友達が彼女と泊りで家にいないから使っていいと言われているので、ギリギリやり過ごせる。

 

今年もなんとかなりそうだ。

 

来年はこんなふうにならないように、ちゃんとしよう。

そう考えながら、俺は眠りについた。

 

ご飯のことなんて考えるほどもなかったくらい、俺は爆睡した。

泥のように眠った。

連日のバイトで疲れ果てていたからだろう。

 

時計を見ると、朝の10時。

少し早いが出ることにする。

 

会計をするために受付に行く。

 

「メリークリスマス」

なんと店員からプレゼントを貰った。

 

思わぬことで幸運だったようだ。

 

終わり。













■解説

語り部は22日に漫画喫茶に入ったはずなのに、次の日に「クリスマスプレゼント」を貰うのはおかしい。

つまり、語り部は2日眠ってしまったことになる。

そうなると、1日分のお金しかもっていないので、足りないことになる。

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