第72話 一人暮らし

少女は母親と二人暮らしだった。


シングルマザーで、母親は少女を大切に育ててきた。


 


しかし、少女から見ると母親は口うるさく、煩わしいと感じている。


 


高校に入る際、少女は母親に一人暮らしをしたいと願い出た。


母親は了承しなかった。


 


少女は母親に甘やかされて育てられたせいか、頼りない性格だった。


すべてを母親任せで、我慢することを知らない。


 


そんな少女が一人暮らしなんか絶対に無理だと、母親は考えていた。


少女は母親を説得しようとするが、毎日、母親と喧嘩になってしまう。


 


少女は説教する母親を黙殺し、半強制的に一人暮らしに漕ぎつけた。


 


一人暮らしを始めた次の日。


少女は小さな袋がたくさん入った、ゴミ袋をゴミステーションに捨てた。


すると、隣人からこう言われた。


 


「ミサちゃん、今日は資源ごみの日よ」


 


少女はゴミ袋を持って帰った。


 


「ゴミの日。ちゃんと調べないとな」


 


とりあえず、少女はお腹が減ったので、冷蔵庫を開いた。


終わり。












■解説

隣人が少女の名前を知っているということは、少女は引っ越していないということになる。

それなのに、「一人暮らし」になったということは母親がいなくなったということになる。

つまり、少女は母親を殺し、ゴミとして捨てようとした。

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