追放された血術使いは堪忍袋の緒がブチギレたので倫理観を捨てるようです~お前の血は全部僕のもの。根こそぎ全部寄越せオラ
第10話 迷宮でゴスロリがトラップに引っ掛かったら、とんでもないことになった件について②
第10話 迷宮でゴスロリがトラップに引っ掛かったら、とんでもないことになった件について②
「いてて……どこだよここ」
眩い転移光に包まれた後、気がつくと知らない天井が視界に飛び込んだ。
見たこともない広大な空間だ。果ては見えず、どれだけ続いているのか検討もつかない。やはり迷宮というのは摩訶不思議だ。地下にこんな広い空間があるなんて脱帽する他ない。
「ぬぬぬ……相変わらずこの迷宮は滅茶苦茶じゃのぅ」
あ、生きてる。
彼女も特に目立った外傷はなさそうだ。罠に引っかかった癖にメアリーは偉そうに両手を腰にあてて、その虚乳を前につきだしていた。
「どこの階層だろうね、ここ。なんか無駄に草原が広がっているみたいだけど」
全体的に薄暗くてよく見えないが、一面には草原らしき緑が広がっていた。
「いや。いや違う……あれは違うぞ」
メアリーの反応は僕の予想とは反したものだぅた。彼女の表情は何故かいつもと違い剣呑なものだ。
「ん? どゆこと?」
「よーく目を凝らして見るがよい。あれはそんな優しいものではないのじゃ」
暗いながらも目を凝らして、辺りに広がる草原を見る。確かによくよく見るとその緑は明らかに移動していた。移動するということは草原ではないということか。
「ん……? んん???」
「見えたようじゃな。あれは草花などという可愛いらしいものではない。ゴブリンじゃゴブリン。ざっと一〇〇〇体ぐらいという感じかの」
「は?」
「だからゴブリンじゃ、ゴブリン。まぁここまでの頭数揃えばもはやゴブリン軍じゃな」
んな馬鹿な。
と言いたいところだが徐々に慣れてきた目が捉える姿形はゴブリンのそれに違いない。
メアリーは簡単に言うが、僕の内心はそれどころではない。
「なんというかね……限度があるでしょ、限度が」
「ここまで来れば壮観じゃな」
メアリーは呆れたようにフンッと鼻を鳴らした。
迷宮は常に危険がつきまとう場所だ。もちろん十二分に覚悟もしていた。
でもさ。でもこれはやりすぎでしょうよ。
トラップに引っ掛かったらゴブリン一〇〇〇体と遭遇するとかどういうことだよ。
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