俺はインターネットを使ってネット民として異世界を無双する!
アキナ
第1話 ネット民にも祝福を!
俺はインターネットを使ってネット民として異世界を無双する
第一話 ネット民に祝福を!
拝啓、お父さんお母さん、元気にしておられますでしょうか。世界一周の旅は楽しいでしょうか。僕のことは安心してください。今、異世界にいますから…。
俺はなんも変哲のない男子高校生だった。みんななら分かるだろう。文末が過去形だ。そう俺はある一件からインターネットの中で過ごすネット民と化してしまった。
遡ること一年半、まだ俺が友達と放課後マ○ックしていた頃の話だ。おれはゲームよりも友達との時間を優先していた。しかし、ある日俺のスマホに連絡が来た。友の訃報だ。塾からの帰宅途中にトラックに引かれたようだ。俺は唯一の友を亡くし家に引きこもるようになった。一日中インターネットと過ごす日々だった。俺は身も心も壊れてしまった。
目が重い、体が重い。意識が遠のいていく。悔しい。悔しい。 …。
……俺は死んだのか。。……
「えぇ。死んだのよ一度ね。」
誰かの声がする。目を開けると黒い空間が広がっていた。そこに眩しい光が一つ近づいてくるのが分かる。
「ここはどこだ!おまえは誰だ!」俺は今の状況がわかっておらず叫んだ。
「はいはい。うるさいぞ。そんなんじゃ女の子にモテないぞ。」
俺は頭にきたがここは抑え込めた。
「ここは転生の部屋。亡くなった者の中でごく稀に入ることのできる部屋。そして私はここの部屋の管理者で女神のフレイヤだ。以後よろしく頼む。」丁寧で心が落ち着くような声で語りかけてくる。
「お前には選択肢がふたつある。
ひとつめはこのまま亡くなって無の空間で長い間過ごす。
ふたつめは転生して我ら女神の使いとして宿命を果たすかのどちらかだ。」
無の空間で過ごすなど名前的につまんなそうな所には行きたくない。俺の選択肢は一つだ。
「転生する」
「その言葉待っていた。それでば早速だが宿命について話そう。お前には世界を征服しようと企んでいる魔人クロムという者を消して欲しい。ただそれだけだ」
「魔人?そんなやつ地球にいたか?」
「あぁ。忘れていた。お前が行くのは地球ではない。俗に言う異世界だ。」
「異世界…。本当にあったのか……。だが魔人なんかに俺の力が通じる訳がないだろ。」
「そう慌てるな、お前にはスキルを与えてやる。そこに光があるだろ。手を入れてみろ。それがお前のスキルだ。」
俺の元に光がそっと近づく。俺は半信半疑だが手を入れてみた。少し暖かくどこか安らぎを与えてくれる。
「よし、手を離せ。時間が迫ってる。残りの話はあちらの世界で話そう。」
俺は、慌てた。俺の体が光と化していく。
「託したぞ。我ら女神の宿命を。」
「待て!俺のスキルはなんだ!」
「お前のスキルはインターネットだ。」
意識が遠のく……。
ここは?綺麗な家だ。誰かが来る。
「あら~。可愛い男の子ですよ~。」
「この子が俺の息子。ルイ。なんて可愛いんだ!」
「ほらあなた落ち着いて。まだ産まれたばかりだからね。」
「あぁ。すまない、俺としたことが。」
俺、ちゃんと転生出来たのか…。とりあえず安心だ。この人たちが俺の新しい家族か。悪い人達では無さそうだ。とりあえず会話をしてみるか。
「すみません。ここはどこか分かりますか?」無難な質問をしてみる。
「ほら~。あなたが興奮するからルイ泣いてしまったじゃない!」
何の話だ?泣いてはいないし。ルイとは誰だ?
「これからよろしくね私の可愛いルイ」
何となくわかった気がする。俺の名前がルイで。今の俺は何を話しても泣き声となることを。何故おれはこの世界の言語がわかる?確か女神があとで話すと言っていたな。そう考えていると一枚の紙が
降ってきた。
「この世界の言語は分かるようにした。上手くこの世界に馴染み魔人クロムを倒してくれ。頼むぞルイ・ベルセルク。フレイヤより」
………。なんだあの女神。内容薄いだろ。後先が心配だな。これから俺はルイベルセルクとして生きていくんだ。
~六年後~
「ルイ!六歳の誕生日おめでとう!」
俺はあの日から六年がたち六歳となった。
「ルイももう六歳か~。時間は早いね~。」
「そうね~。ルイが産まれたのが昨日みたいね~。」
こんな会話を毎日しているのが俺の両親であるカール・ベルセルクとレイラ・エイルだ。二人とも貴族の家系で俺の家族は比較的裕福であった。俺には弟と妹もいる。ドルフ・ベルセルクとノエル・ベルセルクだ。二人とも可愛い双子だ。
しかしこの六年でいろんなことが起きてしまった。まず起きたのが俺らが住むハワード王国に敵国であるサント帝国が侵攻しだしたことだ。そしてもうひとつ、魔人クロムの復活だ。世間では勇者が倒してくれると思っているようだがそうもいかないと思われる。なぜなら、勇者はもう亡くなっているからだ。魔人クロムが勇者に封印されたのも百年以上前だ。
クロムと戦うにはまだ早い。今日、俺は六歳になった。つまり今日から戦うための訓練が始まる。俺の父親の家系は代々王の側近の騎士として活躍した。恐らく俺も剣の練習が始まるだろう。しかし、俺はどうしても魔法使いになりたい!
だってそうだろ。魔法なんて高校生が一度は憧れる力だ。なのに俺の能力はインターネット。父親曰くこの能力は固有能力らしい。あまり使えないと言っていたが俺には分かる。この能力の凄さが。
ある日俺は普通に遊んでいたが。ふとインターネットのことを思いすと目の前に「ガーガル」という検索エンジンが表示された。適当に、ハワード王国と想像すると検索できた。すると、王の名前や位置情報、更には戦力まで表示された。
これはと思い俺は 魔法 使い方 と検索した。すると、そこに簡単に魔法が使えると書いてあるサイトを見つけた。その内容の通りに練習すると僅かながら魔法を出せるようになった。
「魔法だ。すげー!出来た!」俺は叫んだ。俺はこのことを母親に伝えるため家の廊下を走り母親の部屋に入った。
「母上!俺、見てほしいものがあるんです!」
「えー?何を見してくれるのかな?」
母親が笑顔で見てくる
「見ててください!ハッ!」
俺は手の中に光を作った。
「見てください!ひかりです!」
母親の顔を見た。母親の様子が変だ。
「ルイ。その力どうやってだしたの。」
母親の雰囲気が変わった。
まずいことをしたか!
「あのこれは…そのー…」
「ルイ!あなた、神の子ね!」
「えっ?」
〜完〜
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