最期に縦読み

だら子

第1話

ふりつもる雪。電車も止まった「とある夜」

りこは嘘のため息。「泊まるしかないね。

んーどうしょ。でも…嬉しい」とはにかむ。

しってるよ。2人なら何をしてても楽しい。

てを繋げば、幼稚なしりとりだって楽しい。

る、で降参。今は「ルール」は忘れたい。


こんなひどい雪だから、僕は帰れないんだ。

のんびりとホテルのベッドで言い訳。でも。

ふと、気がつくと不安に襲われる。怖いよ。

ただ一緒にいたいだけなのに、ルール違反。

りこのすべてが愛おしい。雪よつもれ。


おとがない世界へようこそ。

とんだメルヘンな世界さ。

この年して、恥ずかしいな。

のうこうでピュアな物語。


はやく君を脱がせたいんだ。

いや。という小さな声。嘘つき。

グラグラしている関係だよね。

うれしいと苦しい。

しらないことが魅力になるなんて。

やだは、もっとの裏返し。

にらんだ顔も、たまらないんだ。


こんな日はぜんぶ雪のせいにし………シッ!

ろうかで、妻の声がした。りこ、隠れて!

さっきまで柔らかいりこが一瞬で固くなる。

レザージャケットの妻が向かってきている。

るーれっと。るには「ルーレット」があるの

か。僕は今さら思いだしていた。

もうすぐルーレットの針が止まるところだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

最期に縦読み だら子 @darako

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ