のじゃロリ娘のつるぺたおっぱいは遠足のおやつに入りますか?
――お前には苦労ばかりかけちまったな。
三百六十五日、俺のそばにいてくれて本当にありがとう。
きっと一心同体とはお前と俺みたいな関係を言うんだろうな。
思えばお前に手荒な扱いもしてしまった……。
汚れ役はいつもお前にばかり押しつけてしまったこの俺をはたして許してくれるだろうか?
お前の存在が俺の中で次第に大きくなってきたのは確か小学校高学年の頃だった……。
見違えるほどに成長したお前のことがとても頼もしく思えたんだぜ。
俺にとって最高の相棒。そう、アラジンのランプみたいだ。
お前をこすればなんでも願いが叶う!!
なあ最高の相棒、俺のおちんち……。
*******
「うぎゃああああああっ!!」
「我が亀の湯の床がデリケートで命びろいしたな小僧!! もし掃除機の先端がナイロンブラシだったらお前の大事な
暴れ馬のような掃除機を女の子の細腕で軽々と扱っている。
いったいこの子は何者なんだ!? しかし今の俺に考えている余裕はない。
高速で回転するブラシが俺の相棒を根こそぎ持って行こうとする。
泡まみれのプレイってもっと気持ちのいいモノじゃなかったのぉ!!
「どぅわああああっ!! もげる、もげちゃうよ!! 女の子になっちゃう!!
らめぇ!! ぷろぺらなの!? ぐるぐるってしちゃてるぅ!!」
「本当に哀れな奴じゃ、強情を張らずに素直に従っておれば、おなごとして生きていくこともなかったろうに……」
まさに絶体絶命だ、さっきの威勢は何処へやら。
俺の脳裏にはギブアップの文字と、女の子としての未来が交互に浮かんだ。
いやいや!! 駄目だ、俺にはまだ見ぬおっぱいが待っている。
この狭い日本を飛び出してみたい!! 世界中の
幻の大秘宝に負けるとも劣らない伝説のおっぱいクワスチカ!!
世界的なおっぱい冒険家だった親父がいつも俺に語ってくれた話がある……。
『康一、おっぱいはいいぞ!! おっぱいは誰も傷つけないからな。おっぱいのことを考えるだけでとても幸せな気持ちになるだろう!! お前も想像してみろ、争いもなく貧困もない世界を……。この瞬間にもどこかで戦争があり、罪もない命が何万人も奪われているんだ。お父さんは伝説のおっぱいを必ず見つけ出してみせる!! 伝説のおっぱいクワスチカには世界平和をもたらすと言うとてつもない
熱くおっぱいについて語りながら、やさしく俺の頭を撫でてくれた親父はこの世にいない……。
俺が必ず見つけ出すんだ。
「うおりゃああああっ!!」
……熱い、この身体にこみ上げてくる熱さはいったい何だ!?
全身の血液が逆流し、みぞおち付近に集中していくのが感じられた。
身体に力が湧き出てくるようだ。俺にいったい何が起こったんだ!?
キュ、キュイ~~ン、ガガガガッ!!
「なんじゃと!? この業務用掃除機のハイパワーを真っ向から受け止めるとは……。むっ!! もしや呪いが完全に発症したのか!? そんな馬鹿な、仮にそうだとしても自由に動けるはずがない……」
高速回転していたブラシが完全に停止した。いや俺自身が受け止めたんだ。
身体の一部分が鋼のように固くなっている、そして熱い、熱くてたまらない……。
ガガガガ、ガキャ!!
「なんじゃと!?
急にブラシを止められた掃除機が勢いよく逆回転を始めた。
その勢いで柄の先端を押さえていた女の子が身体ごと宙に浮いた。
「きゃうっ!!」
女の子がたまらす悲鳴を上げる、何だ、可愛い声も出せたのか……。
暴走を始めた掃除機は俺を軸にして猛スピードの回転を止めない。
「め、目が回るのじゃ、小僧、黙って見てないで助けるのじゃ!!」
完全に形勢逆転、俺の大事な相棒をいじめた罰だ!!
「お嬢ちゃんは浦島太郎の昔話を知らないのか!? おちん、いや亀さんをいじめるとバチが当たるって昔から言うだろ!!」
「こらっ、小僧!! 年上を
遠心力で振り回されながら女の子が必死で掃除機にしがみつく。
年上って何を訳の分からない事を言っているんだ……。
どう見ても俺のほうが年上だぞ。
「こ、小僧、亀のバチならぬ、呪いに犯されているのはおぬしじゃぞ……」
「俺が呪われているって一体何の話だ、脅そうとしたって意味ないぞ!!」
「だからその力も亀の湯の呪いが発症している影響じゃ、
だかな儂の言うことをよく肝に銘じて覚えておけ!!」
目が回っているはずなのに俺は一瞬だけ彼女と視線が合わさった。
その厳しい眼光に俺は射ぬかれてしまった……。
「そのままじゃと、おぬしは確実に死ぬぞ……」
キュウ~~ン……ブチッ。
「……あっ、掃除機が!?」
電源ケーブルが掃除機の本体に絡まりコンセントから抜け、いきなり急停止した。
「小僧っ、儂を受けとめるのじゃ!!」
「おわあっ!!」
……上から女の子が降ってきた、それも裸んぼうで俺の顔の上に。
「もがぁ!? い、息が出来ないっ!! それに何も見えない!!
まさか失明!? の、呪いなのか、これが亀の湯の呪いなのか!?」
「……たわけ者が、よく見ろ、おぬしの顔に乗っかっているのは儂のお尻じゃ!!」
「ぷはぁっ!! 死ぬかと思った……」
呼吸を確保出来るようになり、目を開くと蒙古斑のある可愛いお尻が……。
「ちょ!? お、おしりってことは、俺が思いっきり酸素吸入していたのは……?」
「何をギャアギャア騒いでおるのじゃ、うるさい小僧め……」
俺に跨がったまま、彼女がくるりと身体の向きを変えた。
見事なまでのアイガー北壁が目の前にそびえ立っていた。
神々しいまでの桜色な死の壁、挑戦するものを誰も寄せ付けない。
おっぱいはもちろん三度の飯より大好きだ!! 爆乳、巨乳、貧乳、
A・B・C・D・E・F・G、これはサイズの一部だが、
そんなカテゴリー分けなどまったく意味がないんじゃないのか?
俺はブラのサイズばかりに囚われすぎていたんだ。
何がおっぱいソムリエSランク見習いだ、馬鹿野郎、天狗になるな!!
ブラの要らないつるぺたなおっぱい……。
俺の目から何枚もうろこが落ちるのが分かった。
「何を泣いておるのじゃ、小僧? おかしな
女の子が俺の頬を撫でてくれ、その涙の軌跡を指で拭き取ってくれた。
その刹那、俺の中で張り詰めていた緊張の糸がぷつんと切れた……。
「ううっ、うわ~~ん!! 俺は間違っていたんだ……。
こんなに素晴らしい物を食わず嫌いしていたなんて、どんだけ愚かで馬鹿なんだ!!」
俺はいつしか号泣していた、赤ん坊の頃に戻ってしまったみたいに……。
次の瞬間、頬が暖かい感触に包まれた。
「よしよし、よくは分からんが
女の子の薄い胸に包まれていたんだ。それはけっして死の壁なんかじゃなかった。
暖かい胸の鼓動を感じながら俺は久しぶりの安らぎを覚えていた。
「……康一、やっと気がついたんだ!!」
大浴場の引き戸が勢いよく開き、背後からいきなり声をかけらた。
振り返ると私服に着替えた正美が立っていた。
ヤバい!! 俺は真っ裸で女の子と抱き合ったままだ……。
これは完全なる逮捕案件だ。さすがに言い逃れは出来ない状況だよな。
正美の顔を見ると完全に血の気が引いている……。
唇がぶるぶる震えて、おまわりさん、少女の敵はこちらです!! 状態にみえた。
「……お祖母ちゃん、康一と何やってるの?」
ええっ!! お祖母ちゃんっていったい誰のことぉ!?
次回に続く!!
☆☆☆お礼とお願い☆☆☆
最新話まで読んでいただきありがとうございます!
来年も毎日夜の午後八時五分ごろに更新予定です。
少しでも面白いと思っていただけましたら、
レビューの★や作品ブクマ・♡でご評価いただけたら嬉しいです。
それでは皆様も良いお年をお迎えくださいm(__)m
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