プリンセスパパ

綿菓子

第1話 始まり

ご機嫌よう、私は内田孝史と申します。周りからは、プリンセスパパと呼ばれております。

さて、私が今何をしているかというと...はい、ダンスのレッスンですね。今はワルツを練習しております。やはりクルリと回るとプリンセスラインのスカートがフワフワしていて可愛いですね。ちなみに御相手役は妻にやってもらっております。

それでは次は...「親父!いつまで踊ってんだ!もう飯できたぞ!」おや、いつの間にかご飯の時間になっていたようですね。

それにしても...「お父さんに対して言葉遣いが汚いですよ!もっと丁寧に話しなさい!」「お姫様の真似事してる奴がお父さんな訳ねぇだろ!」

「今親父って言ったじゃないですか!」

「とにかくご飯できたからはやくこい!」「行きましょうか、孝史さん。」

「そうですね。」

「いやせめて着替えろよ!ドレスだと食いずれぇだろ!それに汚れんぞ!」

「汚れるような食べ方しませんもの。嫌よ。」

「駄々こねんな!あ、そうそう、今日は鹿のジビエだぞ。」

「わーい!私鹿肉好きなんですよね。一緒に行きましょう?孝史さん。」

「そうですね。行きましょうか。」

「最初から母さんに頼めば良かった...。」




「美味しかったですね。」

「得意料理だしな。」

...あぁそうそう、家族の紹介が遅れていましたね。まずは妻の舞華さん。43歳です。とても優しくて、秀才なんですよね。会社員をしています。

「どうしました?」

「いえ、なにも。」

「食べ終わったならお皿渡してくれ。」

この子は息子の龍介くんです。高校生で、まぁいわゆる野球少年ですね。なのに私より家事が上手いのが悔しいです。たまに同年代の子から母ちゃんと呼ばれているのをみますね。見る度にからかっております。

本当は私のようにバイオリンやワルツなどをやって欲しいのですが、反抗期なようでやってくれません...。

そして私、孝史です。47歳で、舞華さんと同じ所で働かせてもらっております。趣味はバイオリン、読書、ダンスで、好きなドレスはティアードスカートでプリンセスラインのドレスですね。王道のお姫様って感じで可愛いです。あとはベルラインのドレスも好きですね。

しかし、私肩幅が広いので、あまり似合わないんですよね。残念です。

それに、昔は龍介もドレスを着てくれていたんですが、最近は来てくれません。筋肉量が多いけど、細い方ですし、高身長でスタイルがいいので、長袖で袖がレースのスレンダーラインなどが似合いそうですね。

いつかドレスを着てもらって一緒にお出かけしたいです。にしても、自分はプリンセスになれないとでも思っているんでしょうか。もう既にテーブルマナーやドレスの着方、メイクの仕方も覚えさせているし、バイオリンやハープも弾けるのに。

...意外とプリンセス沼に落ちるのはすぐかもしれませんね。

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プリンセスパパ 綿菓子 @cottonapple_

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