③教会のお手伝い――③
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辺りに並ぶのは背の高い建物ばかり。
そんな煌びやかな街の中に、お揃いのケープを着た二人の男の子の姿がありました。アイとヒスイです。二人とも、紐で縛った数本の丸太を引きずるようにして歩いています。
そして更に、二人の後ろから、ぴょこぴょこ付いてくる小さな影もありました。踏み出すたび、長くて白い二つの耳とふわふわの尻尾を揺らす男の子。ハクアです。一つの小さな丸太を両手に抱え、一生懸命歩いています。
「ヒスイ。ハクア。本当にありがとうな。二人とも疲れてないか?」
「これくらい、僕はぜーんぜんへーきだけど……」
アイの問いかけに真っ先に答えたヒスイは、眠そうなグレーの瞳を後ろに向けました。
「まだまだ成長中のお子さまは、これくらいでも疲れちゃうかもねー?」
「そんなことない。ぼくだって、ぜーんぜん、へーき」
ぷい、とハクアはそっぽを向きます。
アイ達がモノクロ山を訪れて以来、ハクアはたびたびアイのいるアオイ森へ遊びに来るようになりました。アイは日が出ている間はずっとお仕事をしているため、ハクアもアイのお手伝いをするのが日課になりました。そのため、今日みたく、アイと遊びに地上に降りてきたヒスイと鉢合わせては何かしら言い争いになることも少なくありませんでした。
今日も二人揃ってアイのお手伝い。依頼者のいるこの街へ、アイが伐った丸太を運んできたのです。
「ぴかぴか、いっぱい……」
アイとヒスイはあまり周りに興味を示しませんが、ハクアはきょろきょろしています。山奥で暮らす白うさぎには、都会の景色は珍しいようです。
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