I was born with

はりがね

プロローグ

わたしは走った弓と火の玉から逃れるために

走った。

「おい!見失うな早く仕留めるぞ!!」

弓兵と魔法使いがさらに集まってくる。

「この距離なら当たるぜ」

弓兵の鳥族は弓を放った。

「ぐぅっ?!」

わたしの足に弓が刺さり川へ落ちた。

「やったか!」

「いやまだ安心出来ない探せ!確実に死亡したのを確認するんだ!」

わたしは川の中で遠くなる意識の中

ああ、もうダメだ

何故こうなったのか。

わたしの父上が暗殺されて城の方がどうなってるのかもわからない、何とか憲兵の隊長に逃がしてもらえたけど

もうここまでかもしれない。


数時間後...。


「おい...しかっ...」

なんだろう...

「おい...おい...」

何か聞こえる...

「おいってば!」

「おわぁぁ?!」

「やっと起きた!」

そこにはわたしと同じ背たけの黒く赤い瞳

のオオカミ族の少年がいた

わたしはとっさにうつむいてしまった。

「おい矢が刺さってたからとりあえず気絶してる間に薬草塗って包帯巻いたけど、なんでこうなったんだなんか訳ありか?」

わたしは目をもう一度見ようとしたが出来なかった。

「おい、どうしたまだ痛むのか」

「あっあっ」

わたしはお礼を言おうとした。

「?どうした」

「あり...」

ダメだ上手く言えない

その時何か茂みから物音が聴こえた。

「何かくるお前は下がってな!」

「だめ...逃げて!」

彼を巻き込む訳にはいかないわたしは引き止めようとした。

「ネロ様!ご無事でしたか」

この声は憲兵団の隊長の声だわたしは少し安心した

「ネロ様!こちらへ城を襲撃した者達も我らが駆逐しました。

安心して我らと城へ戻りましょうぞ!」

わたしは隊長の言葉を聞いて腰が抜けた。

「ネロ様?!」

「大丈夫だって安心したんだと思うよ」

「キミは?」

わたしはちゃんと説明しなきゃいけないと思った

恩人なのだから。

「この子...わたし...助けて...くれた」

「おお、何とキミがありがとうありがとう」

「いいよそれよりお前身分が高いやつだったんだな行けよもう大丈夫なんだろう?」

「ありがとう少年感謝する」

そう言って隊長はわたしを抱き上げた。

「一緒に来るか残党は我らの部隊があらかた片付けた、だがまだ安心出来ない一緒にいた方が安全だ」

隊長は提案したわたしもその方が良いと思う。

「いや大丈夫だここは俺の庭みたいなもんだから

抜け道知ってんだ」

「そうか気おつけろよ少年すまない我らは急いでいるからこの恩は一生忘れない」

「いいよ、良かったなちゃんと医者に見せてもらえよ」

そう言って彼とわたし達はその場を後にした

だけどわたしはどうしても伝えたかった。

遠くなる彼の顔を見てわたしは叫んだ。

「ありがとうー!!」

「良い、て事よー!!」

彼は叫びかいしてくれたわたしはその時、

初めて相手の目を見て話せたと思う。

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