第4話 鑑定スキルの力

 ガチャから排出されたスキルを確認し終えると、まずは鑑定スキルからとることにした。



 アクティブスキルなので、発動を意識すると使えるらしい。



 >鑑定スキルを習得しました。



 自分で自分の手に触れ『鑑定』スキルを発動させてみた。



 ――――――――――――――――――――――――


 明日見 碧 人族 男性 


 HP10/10


 MP20/20


 STR:10 VIT:10 INT:8 AGI:8 DEX:10 LUK:12


 ジョブ:なし


 アクティブスキル:『鑑定』


 パッシブスキル:なし


 戦技スキル:なし


 魔法:ファイアⅠ


 装備:なし


 基本攻撃値:10 基本防御値:10 基本魔法力:8


 SSR確定メーター:0/20 金色コイン残数:0



 ―――――――――――――――――――――――――



 平凡なステータスだと思う。



 運がふりきってるとか、力がふりきってるとかない。



 知力が低いのはきっと睡眠不足のせいだろうし、素早さが低いのは運動不足のせいだと思いたい。



 それにしても昔、死ぬほどやってたオンラインゲームの中のスキルで成長していく感じのやつにそっくりなステータスウィンドウだな。



 これも俺の夢の中だから、そういったシステムを採用してるかもしれん。



 せっかく鑑定スキルが発動したので、取得するか迷っている戦士のジョブスキルの鑑定をついでにしてみた。



 ―――――――――――――――――――――


 ランク:N


 スキル名:戦士Ⅰ


 種別:ジョブ


 効果:すべての武器防具装備可能


 ステータス補正量:STR+10 VIT+10 HP+50


 デメリット効果:INT-2


 装備制限:なし


 魔法発動:可能


 取得しますか? Y/N


 ―――――――――――――――――――――――



 鑑定するとウィンドウの情報が詳しく更新された。



 知力こそ下がるけど、魔法が使えるならぜんぜんアリだな。



 よし、これなら問題なさそうだし取得しよう。



 ウィンドウの『YES』を意識する。



 >戦士スキルを取得しました。



 心なしか疲れが溜まって重たく感じていた身体が軽くなった気もする。



 ――――――――――――――――――――――――


 明日見 碧 人族 男性 


 HP10/10→60/60


 MP20/20


 STR:10→20 VIT:10→20 INT:8→6 AGI:8 DEX:10 LUK:12


 ジョブ:『戦士Ⅰ』


 アクティブスキル:鑑定


 パッシブスキル:なし


 魔法:ファイアⅠ


 装備:なし


 基本攻撃値:20 基本防御値:20 基本魔法力:6


 SSR確定メーター:0/20 金色コイン残数:0



 ―――――――――――――――――――――――――



 戦士スキルを習得したことでステータスにも変化が出てるようだ。



 現状は魔法(一種類)も使える、(剣なしの)戦士というのが俺だ。



 魔法戦士というジョブも存在するのだろうか……。



 気になるところだが、きっと俺の夢だからきちんと用意してくれてるだろう。



 とりあえず、他のスキルも鑑定して取得するかしないかを決めるとするか。



 俺は開いているスキルウィンドウを順番に触れ、鑑定を発動させた。



 ―――――――――――――――――――――


 ランク:N


 スキル名:アイスⅠ


 種別:攻撃魔法


 効果:氷属性魔法アイスを発動できるようになる


 魔法威力:20


 属性効果:凍結(足止め弱) 弱点属性への魔法威力2倍


 クールタイム:20秒


 消費MP:5


 取得しますか? Y/N


 ―――――――――――――――――――――



 魔法は鑑定すると威力と属性効果、クールタイム、消費MPも表示してくれるようになった。



 アイスは凍結効果ありで、凍結は足止め効果があって、氷属性が弱点のやつには倍の威力を叩き出してくれるか。



 詳細なスキル効果が分かると、取得の判断がしやすくなる。



 鑑定の親切設計あざっす。



 さっき使った感触から、攻撃魔法は色々とあった方が使い勝手よさそうだし、取得しとこう。



 ―――――――――――――――――――――


 ランク:N


 スキル名:ヒーリングライトⅠ


 種別:回復魔法


 効果:回復魔法ヒーリングライトを発動できるようになる


 回復威力:20


 回復効果:打撲、軽度の切り傷、軽度の噛み傷、軽度の擦過傷を即時回復


 クールタイム:200秒


 消費MP:5


 取得しますか? Y/N


 ―――――――――――――――――――――――



 回復魔法を鑑定すると、詳しい回復の効果を表示してくれている。



 ヒーリングライトじゃ、骨折とか重症な傷は治せないってことが分っただけでも、もうけものだ。



 あと病気や疲労も治せないらしい。



 疲労抜く魔法あったら現実で使いまくるのになぁ。



 ―――――――――――――――――――――


 ランク:N


 スキル名:魔力増強Ⅰ


 種別:パッシブスキル


 効果:最大魔力が増える


 ステータス補正量:MP10%アップ


 取得しますか? Y/N


 ―――――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――――――――


 ランク:N


 スキル名:体力増強Ⅰ


 種別:パッシブスキル


 効果:最大体力が増える


 ステータス補正量:HP10%アップ


 取得しますか? Y/N


 ―――――――――――――――――――――――


 ―――――――――――――――――――――


 ランク:N


 スキル:生命力増強Ⅰ


 種別:パッシブスキル


 効果:生命力ステータス向上


 ステータス補正量:VIT値10%アップ


 取得しますか? Y/N


 ―――――――――――――――――――――――



 パッシブ系は補正量表示が追加されたみたいだな。



 基礎ステータスから10%アップするということは、基礎が伸びればその分の上昇数値も伸びていくということか。



 初期は基礎ステータスが低いから、あんまり効果が薄いだろうけども、取っておいて問題はないスキルだよな。



 まぁ、取得制限もなさそうだしあって損するデメリット効果が付いてるものじゃないから取得でいこう。



 ―――――――――――――――――――――


 ランク:SR


 スキル名:剣技向上Ⅰ


 種別:パッシブスキル


 効果:剣・短剣の扱いがかなり上手くなる


 ステータス補正:剣・短剣の基礎攻撃力50%アップ


 取得しますか? Y/N


 ―――――――――――――――――――――――



 この剣技向上Ⅰスキルは、武器に補正されるスキルっぽいな。



 現状なんにも武器は持ってないが、剣や短剣を装備した際には武器の攻撃力が2倍になるらしい。



 剣とかあったら、すぐにでも手に入れた方がいいと思う。



 SRだし、物理攻撃のことを考えたらあった方がいいよな。



 ―――――――――――――――――――――


 ランク:SSR


 スキル名:スキルガチャ


 種別:不明


 効果:金色コインでスキルガチャが引ける


 効果:※▲■〇※


 効果:※▲■〇※


 取得しますか? Y/N


 ―――――――――――――――――――――――



 最後のスキルガチャだけ文字化けしてる……。



 もしかして、バグってるとか?



 初心者優遇でもらえる確定のSSRスキルがバグスキルとかないわー。



 取得して変な状態になりたくないし、もったいないけどポイした方が――



 スキルガチャを捨てようと思ったら、近くで遊んでいた『ガチャ』が、俺の前に急いで戻ってきた。



 そして、『取得して欲しい』と言いたげにレバーをガチャガチャ回している。



 まさか、このスキルを俺に取れと……。



 思考に反応したようで、ガチャのレバーの回る速度が上がった。



 つまりこのスキルを取ると、『ガチャ』が一緒に付いてくるということなのか……。



 さらにレバーが激しく回り始める。



「ステイ! レバーが壊れるから落ち着け!」



 レバーを回すのをやめたガチャが、今度はその場で回り始める。



 全身を使って、俺にスキルガチャスキルを取れとガチャが訴えた。



 そこまで俺のことを……俺、意外とお前に愛着がわいてきたかもしれん。



 現実で疲れきってるんだな、きっと……。



 ガチャ、かわいいよ、ガチャ。



 ガチャの熱烈アピールに負けて、開封したスキルの残りすべてを取得することに決めた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る