5話 スカウト

「理人の勝利だ~! さあ太陽軍の皆さん、勝ちの報酬は?」

 オルフェがキサラギの隣に来て、言う。

「約束通り、悪徳傭兵会社プリズムの解体、そしてエルフィン・フォールスのスカウト」

「エルフィン何負けてんだ! 会社が潰れるだろう!」

「ランク1位の理人さん相手ですよ。最初から勝てる訳ないと思ってました」

「手を抜いたってことか?」

 理人がムッとして言う。

「いえ、僕なりに頑張りましたけど」

「なら、いい」

「プリズムの社長さん、どうする? エルフィンを渡してもらうことになるけど」

「会社もなくなって、ボディーガードも失うなんて、あんまりだ!」

「もう一度言う。エルフィン、軍に所属してみないか?」

 エルフィンはもうプリズムの仕事には飽き飽きしていたので、社長を見限ることにした。

「エルフィン・フォールスです。よろしくお願いします」

「エルフィン! お前に俺がどんだけ尽くしてやったと思ってるんだ!」

「もう何回も命を救ったでしょう」

 この社長の下で仕事をするのは、もう嫌だった。彼の采配は最悪で、そのせいで沢山の少年兵が死んだ。エルフィンは飄々としている風を装っているが、もう限界だった。

「酷いことも沢山してるので、適当に逮捕しといて下さい」

「エルフィン‼」

 社長は警察に連行されていった。

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