文章が美しいです。京都の冬はすこぶる寒い。コートに風が突き刺さるようだ。しかし、京都の雪は特別な雪であり、日本の情緒があるんですよね。昔、学生の頃に好きな先輩がいて、京都駅から彼の家がある二条まで歩いたことがあります。途中で出世稲荷でお参りしたりして。そんなことを思い出しながら読ませていただきました。懐かしい未来を感じる小説です。
ラブストーリー……好きですか?私、好きです。ですが、最近、流行のジャンルや凝った設定、そして難病と。気が付けばそういうのが多いですよね。もっとね、シンプルなやつを求めている方はいませんか?一対一の男女の物語。この物語は、そんな方の欲求を満たしてくれるでしょう。京都を舞台に、主人公とヒロインの心の揺れ動きが丁寧に描かれていきます。変わった展開はありません。てゆうか、そんなもの案外いらないんですよね。そんなシンプルイズベストなラブストーリーがこれです。
映像が美しいです。文章から、映像が想起され、脳内で京都の美しさが展開されます。儚く美しいラブストーリー。京都に行きたくなりました。
古都、京都が舞台のこの物語はぜひ映像とセットでお楽しみいただきたい作品です。筆者、神崎小太郎様の近況ノートに入っていただき、『〝 謙虚さ 〟を忘れたら、あかん。』というタイトルをクリックしていただくと、夏の京都の写真がスライドで見ることができます。竹林のみずみずしい緑、薄灰色の石畳、神社の赤い鳥居、陽の光の射す和室……どれも京都の魅力を余すところなく映し出しています。この映像の色を脳裏に焼き付けてから読むとより鮮やかに作品の世界観を楽しめる気がします(*´ω`*)
京都弁が風情が、有って尚、良かったです!