あの子はサンタ
勝利だギューちゃん
第1話
12月26日。
クリスマスから、一夜明けた。
ここは、南国。
ホワイトクリスマスとは無縁。
でも、イルミネーションだけは、いっちょまえにある。
「クリスマスか・・・」
彼女がいたころは、毎年クリスマスパーティーをしていた。
とても、楽しかった。
でも、昨年まで・・・
昨年の暮れに、彼女はあっけなく逝った。
「恋人はサンタクロース」という歌があるが、僕にとっては彼女がサンタさんだった。
「また会いたい」と、思う。
「メリークリスマス・・・って、一日遅れたね」
窓から女の子が入ってきた。
「わわわ」
「どうしたの?私の事忘れた?」
眼の前は、逝ったはずの彼女がいた。
「ああ、説明しないとね。確かに今の私は魂だけ」
「わわわ」
言葉にならない。
「つまるところ、幽霊」
「わわわ」
彼女は続ける。
「私も死んでから知ったんだけど、死者の魂は亡きあとにサンタさんになって、プレゼントを配るの。その数は、生前の罪によって変わる」
「わわわ」
彼女は続けるが、言葉にならない。
「私は、100個らしい、賞味人数でね」
「わわわ」
「で、今年から100年間、君にプレゼントを持ってくるから、待っててね」
彼女は何か言っているが、耳に届かない。
「はいこれ、プレゼント。また来年来るから、浮気しないでね・・・
まあ、確かに驚くね」
それから、100年間、彼女は毎年来た。
僕は、120歳になった。
彼女は、変わらない。
浮気?
怖くて出来ない。
まあ、幸せだったからいいか。
そして、今度は僕がサンタとなった。
あの子はサンタ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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