第46話 冒険者申請試験


「で、改めてライクの街の冒険者協会のギルマス張ってるクロイドだ。まぁギルマスって呼んでくれ、他の奴らはそう呼んでる。さっきは少し責めるような言い方をしてすまなかったな」


 おお、そういえば名前聞いてなかったは。クロイドさんね。……オッケー、多分覚えた。


「いえいえ、騒いだのは事実ですので。それに、自分もギルマスさんの立場でしたら俺のこと疑っていたと思います。自分はノアと言います。そして、この子竜はゴジと言います。あとは、こちらがさっき言ってた相方の……」

「ジオです」

「ノアとジオ……新しく登録したいと言ってた人たちだな。了解した。それと、一つ」

「ん?なんですか」


 何事にも動じなさそうなギルマスが言いずらそうにしてる。


「お前のその丁寧な口調と性格。偽物だろ?あまりにも自然すぎて、違和感がある。正直不気味なんだ。もっと自然体で接してくれると助かる」


 ああ、そんなことか。確かに今まで初対面の人と話す丁寧な態度を演技してた。


 でも、不気味かぁ。そいつは心外だ。今まで何人の人たちを騙してきたし結構自信があったけどな。


「了解。これでいいか?」

「ああ、助かる。ジオもこれでお願いな」

「はい」

「それで、ギルマス。後処理のために呼んだんだろ?まだ宿取ってないんだ。できるだけ速く終わらせたい」

「おう。それなんだが……俺はお前らが登録していたと思って、こう言うことが起こった場合書き込まなくちゃいけない書類を見てもらうために呼んだ。ただ、今お前らがまだ登録してないことが分かったから、お前らは書類関係をやらなくてもいいことになった」


 ギルド内の整理のための書類なのかな?登録してなかったら書かなくていいみたいだ。


 なら……


「じゃあ登録の途中だったから、それだけやって今日は宿を探すことにするぞ」


 そう言って出て行こうとすると


「ああ、ちょっと待ってくれ。それについてなのだが、お前らに提案がある」

「提案?」

「そうだ。お前らC級目指してんだろ?だったら冒険者申請試験を受けないか?」

「どこで俺らがC級を目指しているかを聞いたのかは……聞かないでおく」


 ギルマスなら冒険者協会の中の情報は知ってて当然だろう。聞いても、なんか風の噂とか言われて誤魔化されそうだし。


 それより……


「冒険者申請試験ってなんだ?」

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